編集部 2019.01.11 大会賞金ゼロ!? プロゲーマーはどうやって生活してる?【プロゲーマー・芸人 西澤祐太朗】

世界的に盛り上がりを見せるeスポーツ。ゲームタイトルによっては賞金総額1,000万円を越える大会もでてきています。子どもも大人も熱中して楽しめるゲームが、プロスポーツとして認められつつあるなか、プロゲーマーと名乗る人たちは具体的に何を収入源にして生活しているのか。

吉本初のプロゲーマーであり、お笑いコンビ『裏切りマンキーコング』の西澤祐太朗さんにプロゲーマーという生き様と、その収入源について伺いました。

■自分より強いゲーマーを求めて18で上京。

──そもそもゲームで食べていこうと思ったのは、いつ頃からでしょうか?

小さい頃からゲームが大好きで、『大乱闘スマッシュブラザーズ』では、地元の青森県で負けたことがなかったんですよ。だから高校卒業とともに上京したのも「自分より強い人と戦ってみたい」と思ったのがきっかけです。でも18歳の上京当時はゲームで食べていくことは別に考えてなくて。「楽しいから強え奴とやりたいな」っていうだけでした。

──「強いやつと戦いたい」という、単純な動機だったわけですね?

はい。純粋に、自分が負けるようなレベルの人たちって、どういうプレイをするのかを知りたくて。上京してすぐに、当時全盛だったmixiの『大乱闘スマッシュブラザーズ』のコミュニティで、対戦募集の集いに参加してみたんです。

そうしたらボッコボコにやられて(笑)。「うわっ、めっちゃ強え〜、勝てない」ってことに愕然としました。その集まりをきっかけに3~5人くらいのゲーマーのグループに入って修行をはじめ、その結果、2年後には全国大会に出場するようなレベルになっていました。
 

■芸人という看板を背負えば、プロとしての道が拓けると思った

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──当時はプロゲーマーという職業はありましたか?

一部にはもちろんいたと思うんですけど、メディアにもほぼ登場しないので、数少ない存在だったと思います。当時、世間のゲーマーの間では、ニコニコ動画のゲーム実況が流行っていたんですよ。僕はそこでスマブラ配信をやっていました。でもそれだけでは全然飯は食べられなかった。

バイトとゲームを繰り返す生活で、これではプロゲーマーになれないと思って、しっかり自分の道を考えるようになったんです。

──芸人になったのには、どんな経緯があるのでしょうか?

悩んでいた矢先に、ゲーム実況を放映する番組『ゲームセンターCX』が話題になりました。そこによゐこの有野さんが出演されていて「これだ!」と。つまり、芸人で売れたらゲームで飯を食えると思ったんです。

もともと高校の時に同級生と文化祭で漫才みたいなことをやっていて、芸人の世界にも少し興味があったので。

──順番としては「ゲームで食べていきたい」という気持ちが先だったということですね。

そうですね。やっぱりどうやってもゲーム関係でお仕事をしているのは、タレントさん。CMに出たりイベントMCとして呼ばれているような人もモデルさんや俳優、アイドルや芸人ばかりじゃないですか。芸人で有名になって、そっちの仕事を獲得しながらゲームをやればいいと思ったんです。
 

■YouTubeに1日1投稿で10万円超え。現在、貯金数百万のはずが…。

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──ご自身がプロゲーマーとしてバイトなしで食べていけるようになったのは、いつくらいからなのでしょうか?

YouTubeでの配信を半年くらいやってからですかね。芸人の活動もしていますけど、最初に収入がドカって上がったのが、YouTubeだったんですよ。YouTubeだけで10万円が毎月入るようになって。10万円あれば、贅沢しなければ最低限の生活はできるじゃないですか。

──今のYouTubeでの収入ってどのくらいなのですか?

動画の更新頻度によってブレがあるんですけど、月に25~30本上げて、月50万円から100万円の間を行き来するイメージです。

最初はYouTubeに力を入れてやってたんですけど、今は『スプラトゥーン2』で活動するプロチームに所属したこともあって、そちらの活動に労力を割いています。そのためYouTubeに関しては安定的に更新本数を確保することを第一に考えています。

──ゲームをする環境はどんな風に整えているのでしょうか?

ゲームをする環境が大事だと思ったので、ゲームをするスペースと寝るスペースとを分けて生活しています。2DKで10万円ほどのところに住んでいます。

──月収が50万円を越えると生活も華やかになりそうですが、いかがでしょうか?

いや、そんなことないですね。家賃に携帯代とか光熱費諸々含めても月の支出は13~15万くらいで、飯代も後輩の分をおごったりするのも含めて月3~5万くらいしか使わないです。

──合わせて生活にかかる諸経費は20万円…!? では貯まっていく一方ですね?

そうですね──と言いたいところなのですが、困ったのが、この前これまで貯金していた分を全部親に取られる事件が発生したんです(笑)。

土地の相続で金がかかって、祖父のものだったらしいんですけど、莫大なお金がいるとなったらしくて。「ちょっとくれ!」といわれて、泣く泣く「分かった」って。

──でも親孝行ですね。

まあ、学生の時にあれだけ「ゲームやるな、勉強しろ」って言われていたのに、俺がゲームで稼いだ金で相続するっていう事件でした(笑)。
 

■プロゲーマー、だけど大会で優勝しても賞金ゼロ

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──プロゲーマーと芸人の活動バランスはどうなっていますか?

今は、芸人ゼロですね、マジで。1回置いてます。プロゲーマーが9割くらいで、YouTuberが1割みたいな感じだと思います。

──プロゲーマーに注力しているのは、なぜですか?

スプラトゥーン甲子園という大会で勝つためです。僕の出場しているスプラトゥーンの大会は、国内では賞金が出ないんです。だから僕たちは大会に勝っても賞金はもらえない。

それでも大会で勝つことで、自分たちを世間にアピールすることができます。なので毎日個人練習を3~6時間、チーム練習を3時間やることをルーティンにしています。

──やはりそれだけ練習量が大切なんですね

そうですね。前提として「好きだからやっている」というのがなくては、続かない仕事だと思います。だから最初はひたすらプレイ時間を重ねていくんですけど、途中から理論が必要になってくるんですよ。『ここをこうした方が確率的に勝てる』みたいなことが体系的に理解できるようになる。そうすると勝利に近づいてきます。

──ちなみに一般的なプロゲーマーにはどのような収入源があるのでしょうか

一般的な日本にいるプロゲーマーのほとんどが動画配信での収入だと思います。オープンレックなどのゲーム動画プラットフォームには投げ銭システムがありますし、配信すると単純に広告収入も入ります。

また、企業から依頼されたタイアップの動画配信をするケースもあります。それ以外ではチームのスポンサー料を一部給料にしているところも。ちなみに僕が所属しているプロeSportsチーム『Libalent』でのうちの部門は、固定給ではなく、歩合制です。

──これから、どのように活躍していきたいと考えているのでしょうか?

現在29歳なので、高いレベルでいられるのはあと数年だと思います。だから今のうちに結果を出したいですね。引退後のキャリアを考えると、イベントのMC、実況などの活動を増やしていかないといけない。

今は任天堂の公式動画のお仕事をさせていただいていますが、そういうゲームメーカーからのお仕事があれば、これからも生きていけるのかなと。

──ハドソンにとっての高橋名人のような存在に?

まさに。そこまで行ったら勝ちなんでしょうね。
 

取材協力:西澤祐太朗

青森県出身。お笑いコンビ「裏切りマンキーコング」として活動するなか、プロesportsチーム「Libalent」のスプラトゥーン2部門「Calamari」に所属。お笑い芸人初のプロゲーマーとして、多数の大会実績及びイベント登壇、ゲームの解説・MCを務める。なお、ゲーム実況の際は「2438学園」という名前で活動。

Twitter:@kong_2438gakuen
YouTubeチャンネル:Ch裏切りマンキーコング

PHOTO:河合信幸
TEXT:マネチエ編集部

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