編集部 2017.12.19 【イベントレポート】お金のことについて考える。毎月の支出は多い?少ない?お金の管理はどうしたらいい?

マネチエではメディア1周年を記念してお金のことについて考えるイベント「Fantastic Plastic Manechie Vol.0」を開催しました。ゲストには『はじめての人のための3000円投資生活』(アスコム)でおなじみの横山光昭さん、「きんゆう女子。」の鈴木万梨子さんをお招きして、家計簿診断とトークディスカッションを行いました。平日夜の仕事帰りにもかかわらず、約100人が参加。会場は大いに盛り上がりました(このイベントは2017年10月11日に行われました)。

第一部の家計簿診断では、実際に1ヶ月の収支を見ながらどのように家計を改善したらいいのかを横山さんからアドバイスいただきました。横山さんのユーモアを交えた分かりやすいお話に真剣に耳を傾け、メモを取る参加者がたくさんいました。

第二部の鈴木さんと2人の女性とのトークディスカッションはまるで女子会のような和やかな雰囲気。鈴木さんからはおすすめの家計簿やロボアドのアプリを教えていただき、その場でパソコンやスマホで調べている人も見受けられました。

横山さんと鈴木さんへの質問コーナーではマネチエ編集長氏より「貯蓄がまったくない男性でも結婚できるのか」という質問が飛び出すなど、会場が笑いに包まれる場面も。

イベント終了後のアンケートでは、「横山さんの家計簿診断のお話から自分も今日から家計簿をつけて支出を見直そうと思った」「鈴木さんのお話を聞いてイベント終了後にすぐにロボアドのアプリをダウンロードしてみようと思った」という意見がありました。また、次回もイベントがあったら参加したいかという質問に対しては95%の人が「また来たい」との回答と(残りの5%は未回答)、大盛況のうちに幕が閉じられました。

■「Fantastic Plastic Manechie Vol.0」に込められた願い

今回のイベントは「Fantastic Plastic Manechie Vol.0」と名づけました。

マネチエは昨年9月、お金に関する知識が増え、暮らしを楽しく感じられる体験をしてもらおうとスタートしました。1周年を迎えるにあたり、日々マネチエで配信しているお金に関するさまざまな情報をより身近に感じてほしい、疑問を解消してほしいとの願いを込めてイベント開催を決定。スタート時に記事提供の面で協力をあおいだZUU online編集部と共同で開催することになりました。

今回のイベントを「Fantastic Plastic Manechie Vol.0」と名づけたのは音楽好きの編集長氏。「せっかくだから言葉遊びをしたい」という編集長氏の思いつきから、“Manechie”ってアルファベットで書くと“Machine(機械)”のアナグラムっぽいよね、と話が進み、「Machine」という単語を含むアーティストFantastic Plastic Machineから少し拝借した、という裏側もあります。結果、Financial Plannerの略称FPとも合致してなかなか良い名称だったのではないか、と編集長氏が自賛しています。

■あれ?こんなに洋服にお金を使っていた?被服費にかける割合は何%がいいの?

第一部の講師の横山さんは多数の著書をお持ちで、今まで累計265万部の売上を誇っています。とくに『年収200万円からの貯金生活宣言』、『はじめての人のための3000円投資生活』が有名ですが、日本経済新聞(日経版)を始めとしたさまざまなメディアでも連載をお持ちです。

横山先生には今回のイベント参加者の中から2人の家計簿チェックをしていただきました。軽快かつユーモアの溢れるお話に、時間はあっという間にすぎていきました。

最初に横山さんに家計簿診断をしてもらったAさんは20代独身男性。一人暮らしをしています。月々の手取り収入のうち、被服費の割合が17%、交際費が13%。支出をつけてみて、Aさん自身も被服費や交際費の割合を5%ずつ減らせば貯蓄に振り分けられるのではないかと考えました。

【Aさんの1カ月の支出グラフ】

「被服費や交際費を少しずつ減らすようにすれば、貯蓄にまわす金額も増えていきます。ただし、無理はしないでほしい。貯蓄は収入の20%を目標に」という横山さんの言葉を聞いた会場の参加者は真剣な顔をしてメモを取っていました。

・充実している!?日本の公的保障

「保険にはまだ入らなくてもいいかなと思ってはいるものの、保険加入については検討した方がよいのか」というAさんの質問に対して、横山さんは「日本は社会保障制度が充実している国。高額療養費制度などもあるので、むやみやたらに保険に加入する必要はない。まだ独身で20代なので、制度との兼ね合いでいくら必要なのかをよく検討してほしい」との回答でした。

今は低金利で銀行に預け入れをしておいてもなかなか増えない。20代とまだ若いので、投資も検討したらよい。時間を武器にして株式投信を検討するのがいいのではないかというアドバイスを聞き、Aさんも大きく頷いていました。

■ペットが生活の中心のBさん!住居費と交際費がポイントに。

30代のBさんは同居人と愛犬と3人暮らしをしています。犬が飼えるマンションに住み、毎月ペット関係の支出があります。交際費や食費、ペットへの支出が多いかなと思ったBさん。愛犬がかわいくて仕方ないというBさんに対し、横山さんは「ペットが飼えるマンションは家賃が高いとはいえ、理想は手取りの25%程度。更新時期に引っ越しも検討して見るのはどうか?交際費の割合が高いので、●●円くらいは削ることができればいいですね」というアドバイス。

【Bさんの一カ月の支出グラフ】

・投資は「長期」「分散」「積立」を意識すること

また、会社でストックオプションをしているBさんに対して「ストックオプションや投資に意欲的なのはよいことだ」と横山さんは褒めていらっしゃいました。とはいえ、「余裕資金をすべて投資してしまうと、何か入用の時に相場が下がっていれば損をしてしまい、お金が不足する可能性もあるので、危険ですよ。」と。

少し不安そうな顔をしたBさんに対して「投資に回すのは余裕資金の3割。残りは貯蓄して備えるのはどうでしょう。とくにこれからは投資信託つみたてNISAなども検討してほしいと。投資信託はさまざまな資産が組み合わさっているから、額が小さかったとしても、1回の投資で何十社の株式に投資しているのと同じことになるので、はじめて投資をする人にとっても安心ではないか。投資はあくまでも長期投資で投資先と時期を分散して積み立てていくことを意識してほしい」と真剣なアドバイス。Bさんも納得した表情で、資産運用についてもっと真剣に考えてみたいと答えていました。

■横山さん直伝!!家計簿の秘訣は「適当さ」

AさんとBさんの家計簿診断を終えた横山さんは、最後に振り返りとしてこうおっしゃいました。
家計簿を始めてもすぐに挫折してしまう人もいるかもしれませんが、家計簿の秘訣は「いい意味での適当さを持っておくことが大切です。」と。

「適当さ」という言葉に参加者の中には目を丸くしている人もいましたが、横山さんが続けることには「費目がどう、金額があわないと細かく考えてしまうと家計簿をつけるのを途中で挫折したり、失敗したりします。家計簿をつけるうえで大切なことは、金額をあわせることではなくて、自分の支出の流れを理解することです。どこにお金をたくさん使っているのかを把握できればいいのですから、ざっくりでもいいんですよ。無理しないで続けることが大事です。」と力説してくださいました。

横山さんの強い言葉にうんうんと大きく頷いた人がたくさんいたのが印象的でした。

■まるで女子会?!女子同士のお金のお話

第二部では女性同士のトークディスカッション。講師を勤めたのは「きんゆう女子。」代表の鈴木万梨子さん。鈴木さんは、H.I.S.で法人営業を担当された後、金融ベンチャーを経て独立。お金のことがわからない女子の代表として「きんゆう女子。」を立ち上げ、毎週木曜夜に女子会を開き、お金のことについて話し合いをしています。会員は850人(2017年10月時点)を超えるそうです。

鈴木さんとトークディスカッションを行ったのは20代のCさん、30代のDさん。お金については考えて貯蓄は行っているものの、投資はまったくしたことがない二人は鈴木さんのお話に興味津々。鈴木さんの親近感のあるお話にどんどん引き込まれていきます。

Cさんから「旅行をお得にする秘訣」を尋ねられた鈴木さんは「年間の旅行シーズンを意識するといいですよ。当然ですが、旅行する人が多いシーズンはなるべく避け、空いている時期を選ぶことによってお得に旅行できます。特に「ゴールデンウィーク明け」「1月の最終週」が狙い目。同じ席でもタイミングによって値段が違うので、旅行好きな人は席の料金を常にウォッチしてみては。現地ではホテルのコンシェルジュデスクを活用し、おすすめのレストランや観光スポットを紹介してもらったり、現地ならではの楽しみ方をきくことで快適な旅行ができますよ」と答えていました。狙い目の時期を聞いて、会場でもメモを取っている人もいました。

■フィンテックの力を使えば手軽に投資も始められる

Dさんからは「家計簿の習慣はあるものの、年末になって1年を振り返るとどうしても使途不明金が多く、おかしいなぁと思う」と相談。「フィンテックサービスがたくさんあり、効率的に利用できるアプリもたくさんある。上手に使ってみては?」とたくさんのアプリを紹介してくださいました。

マネーフォワード
自動の家計簿アプリ「マネーフォワード」は、だれでも簡単に続けられる自動の家計簿です。お使いの銀行・クレジットカード・証券会社・FX・年金・ポイントの口座を自動でまとめ、家計簿を自動作成します。スマホでも使えて、資産管理機能も充実。手軽に始められます。

Zaim
700万人が利用!日本最大級の家計簿アプリ・レシート家計簿サービスの新定番。iPhone・Android・iPad・Windowsなどスマホアプリとパソコン・タブレットなどのWebで連動して使えます。これまで家計簿に挫折していた84%の人が「Zaimなら続けられる!」との回答も。家計管理を行ううえで、パートナーと使っているという人もいるそうです。

[資産運用系アプリ]

FOLIO
フォリオは、「ドローン」や「宇宙開発」といったテーマを選んで投資する、新しいタイプのオンライン証券です。投資は、フォリオが選定した有望企業10社に、1口10万円から投資することが可能です。

上記のアプリは鈴木さんから教えていただいたサービスのほんの一部です。たくさんのアプリを教わったDさんは「イベントが終わったらすぐにアプリを調べてみてダウンロードします!」と、とても満足そうでした。家計簿アプリを使えばスマホで簡単に家計簿をつけることができます。それだけではなく、少額で投資を始められるということも分かり、お金を増やす・投資を身近に感じることができました。

第二部終了後、鈴木さんとCさんDさんが本当の友達のように楽しそうに談笑していたのが印象的でした。お金の話ができるとぐっと距離が近くなりますね。

■イベント終了時にはプレゼントも

イベント終了時には、横山さんの著書『年収200万円からの貯金生活宣言』『はじめての人のための3000円投資生活』をマネチエ編集部より合計10名の人にプレゼントしました。なんと横山さんのサイン入りです。投資をしてみようと思った人にプレゼントしようということで、会場のみなさまに挙手をいただいたところ、多数手が上がったのでじゃんけんで勝った方に差し上げました。中には横山さんの著書を持っていて、今日は絶対にお話を聞きたかったという人もいました。

冒頭にもお伝えしましたが、修了後のアンケートでは、このようなイベントがあったら参加したいかという問いに対して9割以上の人が「また参加したい」とご回答をいただきました。

【マネチエ編集長コメント】

今回初めてマネチエのリアルイベントを実施させていただきましたが、あらためて「ウェブでの情報発信だけでなく、こういったリアルな場でお金の専門家や挑戦している方の話を伺い、相互にやり取りをするっていうのは重要だし学びが多いなあ」と思いました。

お金の話は、世の大半の方は興味があることながら、センシティブな面もあるので、1人もしくは家族で話すところで止まってしまうことが多いのではないでしょうか?そういった閉じられた情報網だけだと、「本当はもっとこうすれば、もしかすると貯金が上手くいくかも?」という新たな解決策が得づらかったりします。

当然ウェブメディアからもそういった情報は得られますが、私個人の疑り深い思考にかかると、「いやいやそんなこと言ったって、そんなにうまくいくもんですかねぇ。本当かなー?」などと考え込んでは行動に移せずに終わってしまうこともしばしば。

しかしながら、あらためてリアルの場で、先駆者の実体験に基づいたお話を伺ってみると、文字だけでは得られない「真実味」を感じ、「実践してみよう!」という気持ちになるものだから、あら不思議!やっぱり直接の対話って大事だなぁ、としみじみ思うわけです。

ということで、今回のイベントは、弊社内だけで閉じたイベントではありましたが、非常に多くの学びと、貯蓄・投資への足掛かりが得られた良い体験だったと思います。実際に今回聴講しに来てくれた26歳の女性は、このイベントの後から少額で投資をはじめたようです。こういった行動の変化の話を聞くと、「開催した甲斐があった」というもの。そのうち、マネチエ読者様向けのイベントもやってみたいなあ、と思いました。

そんな自己満足を得ながらも、同時にお金に対する正しい情報発信を続けていくことも大事であると思う次第。引き続き、これからもマネチエは、お金に関わるコミュニケーションを円滑にするために「マネー」の「知恵」をお届けしてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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