編集部 2017.03.03 定額制音楽配信サービスごとの違いは?上手な使い方は?

ここ2年ほどで日本でも大きな市民権を得た定額制の音楽配信サービス。Apple Musicを筆頭に、Google Play MusicやSpotify、Amazon Prime Musicなど、さまざまな音楽サービスが利用できるようになりました。月額1,000円以下で利用できるこれらのサービス、「毎月CD1枚分以下の値段で大量の音楽を聞けるってお得!」と思いそうですが、本当にお得なのでしょうか?実際どの程度お得なのでしょう?ということを今回は見ていきます。

サービスごとの違いは?

各配信サービスの違いについて、マネチエは専門外なので詳しく比較することはできないのですが、概略としては下記のようなポイントでの違いがあげられます。  

  • 配信楽曲数の差
  • 再生用アプリケーションの違い
  • 音質が若干違う

・配信対象楽曲数

後発のAmazonなどは配信楽曲数が少ないようですが、AppleやGoogle、Spotifyなどで配信楽曲リストが大きく異なる、という印象はあまり感じません。海外のアーティストの多くは、最新作であってもリリースと同時に定額配信サービスで聴けるようになります。しかし、今年のグラミー賞を争ったビヨンセの『Lemonade』とアデルの『25』のように、大きなセールスが間違いない作品などは、リリース後しばらくは定額配信の対象にはならず、ウェブ上ではダウンロード購入型にしか対応していない、というケースも多いようです。

一方で日本のアーティストはまだまだ定額配信の対象楽曲が少なめというのが現実ですが、GoogleやAppleなどのサービス間で配信対象楽曲が全く異なる、ということは海外アーティスト同様に見受けられない印象です。
※細かくは違いがあると思いますので、そのあたりは専門音楽メディアの記事などをご参照ください。

・再生用アプリケーションの違い

基本的に、パソコン上での再生には各サービス固有のアプリケーションをインストールする必要があります。ただ、Google Play MusicはウェブブラウザのChromeでも再生が可能という点で、AppleやSpotifyよりも少し使い勝手が良い部分があります。  

・音質が若干違う?

これはものすごくわかりにくい差なのですが、同じ楽曲でもApple Musicで聴くのと、Google Play Music(Chrome)で聴くのでは若干の音質の違いがある?ようです。
マネチエ編集長曰く、「Googleは中音域の出力がちょっと弱くて、音全体に雑味が出る気がする」とのこと。実際のところはよくわかりません。少なくともわたしからすると、どちらを聴いても同じに聞こえます・・・。  

単純に考えるとこんな人にとってはお得

定額配信サービス利用は毎月1,000円弱、1年だと1万2,000円程度の費用がかかります。そのため、CD1枚2,500円と仮定して単純計算すると、「1年間にCDを5枚以上買う人」にとっては費用の節約になる可能性があります。特に海外アーティストの楽曲をよく聴く人、もしくは日本のアーティストでも対象楽曲範囲が広いJ-Rock系を好む方には節約メリットが大きくなるでしょう。
ちなみにマネチエ編集長は3年前(Apple Music開始前)までは毎月2~3万円分くらいはCDやレコードの購入に費やしていたそうなので、大きな節約になったそうです。が、その浮いたお金をすべてライブに行くことで消費されているため、結果的には全然節約になっていないとのこと・・・。

また、「お小遣いの少ない中高生」にとって、新しいCDを何枚も買うのは難しいもの。どうしてもお金が足りないときは親に3,000円借りてCD屋さんに向かう、なんていうことも懐かしい記憶ですが。そういった中高生にとって、流行りの音楽や新しい音楽に出会う機会が毎月1,000円弱で得られるのならば、これもお得ポイントの1つと言えるでしょう。

ただ、「高音質にこだわり派」「ハイレゾ派」の方にとって、やはり定額配信だと圧縮音源になってしまうので物足りなさを感じてしまうかもしれず、お得になるとは言えません。

さて、以上のように見てきましたが、当たり前の結論では面白くないので、もう少しマネチエ編集部的なオススメ音楽配信サービス利用方法をご紹介したいと思います。

【マネチエ視点】定額音楽配信サービスがお得な「3つの理由」

その1. 「プレイリスト」でプライスレス

定額配信サービスの特徴として、再生された音楽リストは各サービスに情報として蓄積されます。そのため、同じサービスを利用していて、同じような楽曲を聴いている人の情報が集められ、「このアーティストが好きな人にはこんな曲もオススメ!」というリストが自動的に生成されます。

この「プレイリスト」機能は昨今の技術進化に伴って、非常に精度の高いものとなっており、”自分の好みにピッタリだけど今まで知らなかった”という楽曲や、”昔よく聴いてた!”という楽曲に出会えるチャンスが大きく広がっています。  

新しい発見や、不意に出会う思い出の曲、中高生の時にお小遣いが無くて泣く泣くあきらめた音源と再会する。というのも、こういったサービスを利用する価値です。  

その2. 自宅Wi-Fi×スマホダウンロードで通信費節約

通勤途中にYouTubeにあがっている楽曲をストリーミングで聴いている、という人も多いのではないでしょうか?そして、そういった方はもしかすると、月末に差し掛かってスマホの通信制限に引っかかる、などという経験をされたこともあるのでは?(わたしの周りにはそういう人が結構いるのです。)

スマホで定額制音楽配信サービスを利用する際、大きく分けると、「ストリーミングで聴く」か、「ダウンロードして聴く」という方法になります(定額配信サービスで、「ダウンロードして聴く」というのができるということを知らない方は意外と多いかも?わたしはちょっと前まで知りませんでした・・・)。
「ストリーミング」の良い点は、好きな曲を好きな時に自由に聞ける点。半面、通信環境(電波)が悪いところだと音がブツ切れになったり、というデメリットもあります。「ダウンロード」には通信環境に依存せず安定して音楽を楽しめる、というメリットがある一方で、スマホ端末自体の容量を使うことになります。

自宅でインターネットの光固定回線を契約していて、スマホをWi-Fiに繋げられるならば、断然「ダウンロードで聴く」がオススメです。自宅のインターネット回線を利用してダウンロードしておくことで、外出先でもスマホ自体の通信容量を使うことなく楽曲を聴くことができます。

この特性を利用すると、毎月のモバイル通信量を減らしても、通信制限(インターネットの通信速度が極端に遅くなること)になりにくくなります。
「毎月のモバイル通信量が減る」ということは、毎月の携帯キャリアの通信プラン見直しや、格安SIMに変更して利用料を減らすという選択も可能になるということ。つまり、「通信費の節約」につながるのです。

ちなみに余談ですが、わたしは下記のような感じで、毎朝レコメンドされた曲を聴きながら出勤しています。

▼朝起床し、朝ごはんを食べながら今日の通勤中に聞くプレイリストを、その日の気分や天気に合わせて選ぶ。
 ↓
▼自宅の固定回線からWi-Fi経由で、歯磨き中やメイクの合間にプレイリスト内の楽曲を全部ダウンロード。
 ↓
▼ダウンロードした楽曲を聴きながら通勤♪

余談ではありますが、Apple Music派の編集長がApple推しな理由は、NMEPitchforkといった音楽メディアが楽曲のキュレーターとしてプレイリストを作ってて、良い感じの選曲だから、だそうです。

その3. シチュエーション別セットリスト作成の音源準備コスト節約

結婚式やドライブ、バーベキューの時など(GoogleのテレビCMのようですが)シチュエーションに合わせた「こだわりセットリスト」を作ろうと思うと、CDを購入したり、レンタルするなどのコストが発生します。しかし、音楽配信サービスを利用すれば、自宅にいながら楽曲をリスト化して「こだわりセットリスト」が作れたり、他の人が作ったプレイリストを参考にする、なども可能です。

そういった音源費用の面でも節約にもなりますし、楽曲を探すという時間の面でも節約になります。

最後にまとめ

このように、人によって多種多様なメリットを享受できる定額制音楽配信サービス。インターネットを使って、今までにない音楽の楽しみ方ができるようになったうえ、家計まで節約できるというのは嬉しい限りです。

一方で、みんなが音楽にかける費用を節約してしまったら、音楽を作っているアーティストや会社の収入が減ってしまうのではないでしょうか。作り手側の収入が減ってしまって、音楽自体が作られなくなるのは本末転倒ですよね。しかし、欧米ではすでに定額制音楽配信サービスが普及し、今まであまり知られていなかったアーティストが人気になったり、ライブへの動員が増えてグッズ販売収入が増えたり、という好循環も生まれているそうです。

インターネットを介して、これまで以上に楽しい音楽体験が低コストでできるようになった現在。音楽配信サービスで、家計を節約することはできると思います。ただ節約は何のためにするのか、というと、やっぱり人生を楽しく過ごすためだと思います。

であれば、その節約された費用で今度は、「ライブに行く」「ちょっと遠いけれど夏フェスに行ってみる」「たまに高音質なハイレゾ音源を試してみる」などの新しい体験につなげれば、もっと楽しくなりますよね。

そういったお金の循環がうまく流れ始めると、世の中はもっと楽しくなるかも。そして、より多くの日本のアーティストの音楽も定額配信サービスで楽しめるようになるかも?

TEXT:マネチエ編集部

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