増やす 2016.09.30 老後資金の選択肢に入れておこう、「確定拠出年金」とは?

老後資金の準備を考えたとき「確定拠出年金(DC)」は有力な金融商品といえる。他方で、いったいどれだけの年金が受け取れるのかをイメージできない人も多いのではないだろうか。そこで、今回は「月額掛金2万円・年利率3%」とした場合のシミュレーションを見ていきたい。

そもそも確定拠出年金とは?

確定拠出年金は、文字通り一定の金額を拠出してその運用によって年金を受けるもの。DCに対置されるものには、「確定給付年金」がある。確定給付年金は、厚生年金や国民年金のように給付額があらかじめ決められている年金だ。

確実な金額がもらえる意味では確定給付年金の方が安心であるが、確定拠出年金の良いところは自分で運用方法を選べるということだ。運用がうまければ、年金資産を大きくすることができるのである。

また、自分で運用できる商品でありながら、税制上も優遇されているので節税対策としても優秀な商品といえる。自分での運用が心配な人は預貯金だけを選択することも可能で、投資リスクを避けつつ節税効果だけを得ることもできる。

確定拠出年金は、「企業型年金」と「個人型年金」の2種類があり、企業型年金は、確定拠出年金制度を採用している企業に勤めているサラリーマンが加入できる。個人型年金は、自営業者や確定拠出根金等の企業年金を採用していない企業に勤務しているサラリーマンが加入できる。

掛金限度額には4パターンあり、(1)企業型年金で確定給付型年金がある場合が2万7,500円、(2)企業年金型で確定給付型年金がない場合が5万5,000円、(3)個人型年金で自営業者等が6万8,000円、(4)個人型でその他が2万3,000円となっている。

確定拠出年金のメリットには、インターネットで時価が1円単位で確認できるということがある。また、会社の倒産や金融機関の破綻の影響を受けず、自分の老後資金を自分の好きなように運用できるのも良い。さらに、転退職しても新しい職場で確定拠出年金を採用していれば持ち分を引き継ぐことができる。

ただ、原則的に60歳まで引き出せないことには注意しなければらならないだろう。つまり、お金が必要だからとあてにはできないということだ。「自己責任」というのは簡単だが、いざ老後が来たときに老後資金がないと大変なことになる。そうならないためにも老後資金はしっかりとした運用を心がける必要がある。

DCの運用をいよいよシミュレーション

年収800万円、毎月2万円の掛金で30年間、年複利3%で運用しながら積み立てることを想定してシミュレートしてみると、次のような結果となる。

元本合計額: 2万円×12カ月×30年=720万円
運用結果: 1,157万円
運用益: 437万円

年複利3.0%で毎月2万円を積み立てると、トータルで720万円支払うことになり、受け取れる年金額は1,157万円ということだ。年複利3.0%というと大したことないと受け止められるかもしれないが、3.0%でも運用益としては437万円にもなる。結構大きな額ではないだろうか。

所得控除による減税効果

さらに、同じ条件で税金の節税効果を見てみよう。確定拠出年金の掛金は全額所得控除の対象になるので、年間の所得から確定拠出年金額の年間の掛金を控除した額に税率をかけたものが節税額となる。

シミュレーションをしてみると、掛金の所得控除による節税額(毎年)の累計は、237万6,000円で、さらに同じ利回りで運用した場合、運用益は60歳時点で110万4,840円になる。よって、所得控除による節税メリットの推計は237万6,000円+110万4,840円=348万840円ということになる。

また、確定拠出年金は運用益も非課税なので、得られた利益についても全額が再投資される。試算によれば、60歳時点の確定拠出年金額(元本+運用益)は1141万8,100円となり、運用益に課税されていた場合に比べ104万7,740円もの節税効果となる。

さらに、確定拠出年金は受け取り時点でも税制優遇されている。一時金で受け取る場合には退職所得控除が受けられ、分割で受け取る場合には公的年金等控除が受けられる。勤続年数が30年の場合、800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円までは非課税なので、今回のケースでは課税は発生しない。また、公的年金等控除の額は、公的年金と合算して算出されるため、今回のケースだけでは算出できないが、金額に応じて一定の控除をさらに受けられる。

自分のための資産運用でありながら手厚い節税効果が得られるのが「確定拠出年金」なのだ。背景には、今後公的年金の給付額が下がり老人の生活が維持できなくなる可能性があるので、自助努力をしてもらおうとうい思惑がある。そのような背景があるにせよ利用できるものは利用した方が良いので、節税効果を最大限利用して自分の資産を増やすことも選択肢の一つだろう。

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TEXT:ZUU Online
PHOTO:Thinkstock/Getty Images

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