増やす 2017.03.13 個人向け国債って、定期預金とどう違うの?
財務省のサイトでは「安全第一いまこそコクサイ」というコピーのもと、個人向け国債が積極的にPRされているのをご存じですか?マイナス金利の今、国債は手堅い資産運用の手段として有力な選択肢の1つ。でも実際には、国債についてよく耳にするけれど、他の金融サービスに比べてよく分からないという人も多いでしょう。国債の特徴や、同じく手堅いと言われる定期預金とはどう違うのかについても探ります。
個人向け国債の特性を理解しよう
企業などが資金を集めるためにお金を借りると「債券」と呼ばれる借用書を発行しますが、それを国が発行した場合、その債券のことを「国債」といいます。私たちが購入しやすく設計された「個人向け国債」は毎月、購入の募集を行っていて、銀行や証券会社などで買うことができます。
個人向け国債には、次のような特性があります。
- 元本割れなし
- 年率0.05%保証
- 月1万円から気軽に購入
- 中途換金が1万円単位で可能(発行1年後から)
- 証券が発行されないペーパーレスで、保管は不要
国へ投資して半年ごとに利子を受け取り、満期になると元本が返済される金融サービス、それが国債です。
個人向け国債は3種類
個人向け国債には、「変動金利型10年満期」「固定金利型5年満期」「固定金利型3年満期」の3種類があり、「満期」と「利率が変動するかしないか」で選べるようになっています。
種類 | 満期 | 特徴 |
---|---|---|
変動10年 | 10年 | 半年ごとに適用利率が変わる。実勢金利が上昇すると有利になる |
固定5年 | 5年 | 発行時に設定された利率が満期まで変わらない |
固定3年 | 3年 | 発行時に設定された利率が満期まで変わらない |
今後もしばらく低金利は続くと見られていますが、長い目で見て金利が上がるようなことがあれば、それに連動した金利上昇が期待できるため、「変動10年」に人気が集まっているようです。
定期預金との違いは?
同じ“元本割れしない”金融サービスである定期預金との違いを見ていきましょう。現在、国債よりも有利な金利で定期預金を組めるのはネット銀行の一部のみです。メガバンクは軒並み0.01%ですから、国債の年率0.05%保証は魅力的な数字ではないでしょうか。
繰り返しになりますが、変動型国債なら定期預金の金利が将来的に上がれば、それに連動して金利が上がっていくので大きく損することはありません。
もう1つ、国債はペイオフ(預金者1人あたり1金融機関につき元本1,000万円までとその利息などが保護される預金保険制度)の対象にならないという点で定期預金とは大きく違います。個人向け国債を購入した金融機関が万が一破綻した場合でも、国から元本や利子の支払いを受けられるのです。
貯蓄するためだけに利用するのではなく、毎月購入できる特性を生かした利用法も。たとえば、子どもの教育費に充てることを考えて、10年後から毎月償還されるように変動10年の国債を毎月購入することも可能です。また、年金生活をしている人は、生活資金に余裕をもたせるために、年金受給のない月に償還が受けられるよう購入するのも良いかもしれません。
個人向け国債は最低金利を保証してくれ、途中で解約しない限りは元本が減ることはありません。資産運用の方法として考えるのも1つの手かもしれません。
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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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