増やす 2017.05.19 積立NISAとは? 2018年スタートので40万円×20年で800万円の非課税枠

NISAが始まって数年が経ち、認知も広まってきました。そんな中、2018年から「積立NISA」という新たなサービスが開始される予定です。積立NISAは、通常のNISAとはいったい何が違うのかを紹介します。

■NISAのおさらい

そもそも現行のNISAとはどのような制度なのか、新制度である積立NISAと比較してみましょう。

NISAは「少額投資非課税制度」とも呼ばれ、国内の投資活動の促進を目的とした制度です。NISA専用の口座を作って株などに投資することで、税制面で優遇されるようになります。

NISA以外の口座を用いて株などに投資して収入を得た場合、20%程度の税金がかかるのですが、NISA口座で年間120万円を上限に、投資を行って得た収入は非課税となります。これはこれから投資を始める人にとっては大きなメリットといえるでしょう。

NISAの特徴は「非課税枠」

年間120万円までの投資額に関して、売却益や配当金、分配金などの利益が最長5年間非課税になります。通常の特定口座などの場合には、復興特別所得税込で20.315%の税金がかかるため、NISAは相当な優遇措置だといえます。

~中略~

利益が非課税扱いとなる期間は最長5年間です。購入してから5年以内ならば、配当金や売却益は非課税扱いということです。

2016年に購入した80万円の投資信託をそのまま持ち続けていれば、まるまる5年間は分配金などの利益が非課税扱いとなります。もちろん、5年以内に売却をすれば、その売却益についても非課税となります。
引用:NISAの使い方と活用法をやさしく解説 メリット生かす3つのポイント | マネチエ

一方で、新しくスタートする積立NISAは、より長期間にわたって非課税となります。年間40万円までが非課税となり、最大20年まで継続が可能です。つまり、累計で800万円分の投資で得られる収益に対して、非課税効果を得られるようになっています。対象の金融商品は、分散投資に適したファンドや投資信託などで、少額で長期投資をする場合に優遇されるようになっています。

なお、既存のNISAと積立NISAの口座の併用はできないため、投資期間や投資する商品によって選択する必要があります。5年以上にわたって保有する予定で、年間投資額が40万円以内の場合は積立NISAの方が適しているといえます。

■NISAを始める際の注意点

NISAは多くの人が投資に興味を持つきっかけになるかもしれませんが、このNISA制度を利用して投資を始める際には注意しなければならない点もあります。

◎損益の繰り越しができない

NISAは通常の株式投資などと違い、損益の繰り越しができません。株式投資で損をした場合、3年間は損金を繰り越すことが認められています。これにより、翌年以降に利益が発生した場合、利益から損金を引くことで税額を抑えることができます。一方で、NISAは非課税を前提としているため、損金の繰り越しができません。例えば、1年目に損をして、2年目に利益が発生した場合に節税効果が薄くなってしまう場合があります。

◎1人1口座の原則

NISAは1人1口座しか作れないという原則があります。NISAであれば累計5年、積立NISAであれば20年と定められている以上、免税限度額まで活用するのがお得です。1口座しか作れないとなれば、準備が整わない段階であれば免税効果を最大限受けることはできないので、資金的余裕があるときに開始することが得策となります。

■今、NISAはどうなっているのか

NISAは2014年12月の時点ですでに825万口座が開設されており、総額約3兆円の資金が運用されています。

その内訳は、上場株式や投資信託、または公開ファンドと呼ばれているETFや不動産ファンドREITなどが主な投資先になっています。また、全口座の約23%が投資未経験者による口座開設ということから、NISAのメリットの大きさとハードルの低さがうかがえます。

■まずはNISAについて調べてみよう

これから投資を始める人にとって、非課税枠を活用できるのは大きなメリットです。まずはNISAについて調べてみることで、仕組みを理解しておきましょう。そのうえで、NISAと積立NISAのどちらが適しているのか検討してみるとよいかもしれません。ライフプランをもとに投資期間や投資先の商品を考えてみてから、どちらにするか決めてみることをおすすめします。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:tanatat/Shutterstock.com

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