増やす 2017.09.26 注目が高まる副業。その実態とメリットとは

ここ数年、副業を容認する動きが徐々に広がりをみせています。たとえば、リクルートグループは兼ねてより副業を容認しており、サイボウズでは同社における仕事を副業とする人材を募集する採用方法として「複業採用」を開始しました。今なぜ副業が注目されているのか、その理由と効果を探ってみましょう。

副業が注目されるその社会的な背景とは

現在副業が注目されているのは、社会背景が大きく影響しています。

オーストリアの経営学者で、「マネジメント」という言葉の生みの親でもあるピーター・ドラッカーが提唱している「パラレルキャリア」という考え方をご存じでしょうか。広い意味で本業を持ちながらも別の仕事を持つことを指す「パラレルキャリア」は、副業を後押しする考え方だともいえます。

この言葉は、今後組織だけに頼るだけの人生ではいけないという思想が根底にあります。終身雇用や年功序列という、これまでの在り方が大きく変わろうとしているのです。さらには、年金制度に対しての不安もあり、一生同じ企業で勤め続けることが将来を約束する安全な道ではなくなりつつあります。

また現在では、時間や場所を制限されることなく仕事をすることができるテレワークが増加傾向にあり、日本国内においてテレワークのインフラが整いつつあることも副業が注目されている要因の一つとなっています。

副業を持つことのメリット

副業を持つことは、本業においてさらにワンランク自分を高めることにもつながっていくでしょう。

メリットとしては大きく3つあげられます。

まず1つ目は「知識」が増えること。本業以外の分野で知識を深めることにより、自分の生活を自分でデザインしていく力が身についていきます。ものごとに対する視野が広がり、今までになかった発想力が高まっていくでしょう。

2つ目は「人脈」が増えること。副業で出会う人は、本業以外の業界の人もいるでしょう。そのため、これまでになかった人脈ができ、その人脈からさらに新たな人と出会う機会が増え、点と点が線となりつながっていきます。多くの人から刺激を受けることにより、さらなる学びを得るという相乗効果を生み出します。

3つ目は「経験」が増えること。本業の枠におさまっているだけでなく、仕事終わりやプライベートの時間を有意義に活用することで、本業以外の経験が増えていきます。誰しも1日は24時間しかありません。その時間をいかに有効活用して自己の人生経験を増やし資産運用していくかは、あなた次第といえるでしょう。

本業をやりながらできる副業とは?

もし副業を行うのであれば、本業を主軸として置きつつ、極力支障の出ないようにしなくてはなりません。では、時間的にも融通が利き、体に負担のかかる肉体労働ではない副業というのは、どのようなものがあるのでしょうか。

・自分のスキルを活かした「クラウドソーシング」

最近ではクラウドソーシングが人気を集めています。クラウドは「雲」という意味から転じて「大衆」、ソーシングは「業務委託」を意味しており、Webサービスなどを介しながらさまざまな業務を受けることができます。

メリットは時間や場所を選ばないこと。手の空いた時間を利用して、自分に合わせてコツコツとはじめることができます。クラウドソーシングの仕事を集めたサイトを見てみると、仕事内容も豊富で、システム開発やWeb制作、デザイン制作、記事作成などがあります。一方で、専門的な知見がないとできないような仕事も多く、初心者はできることに限りもあるでしょう。

・継続的に作業できる人向け?「アフィリエイト」

また、自身のサイトに広告を掲載し、そのリンクを通じて商品やサービスが購入されたら広告主から報酬をもらうことのできるシステムである「アフィリエイト」も時間を有効活用して副収入を得られるため、副業としてはじめやすいでしょう。

読者の気持ちを読み取りながら戦略的にウェブサイトを作成していくことで、マーケティングに対する力を高めることにつながります。しかし、収入として形になるまでにある程度の時間が必要になってくるため、継続的に作業できる人でないと難しいかもしれません。

・「不動産投資」「ネット販売」という選択肢も

最近では、副業として不動産投資やネット販売などの小規模事業のプライベートカンパニーを持つ人もいます。個人事業主として開業届を出すことで、確定申告の際に青色申告として提出ができ、青色申告特別控除は65万円あるため、節税対策にもなるでしょう。

しかし、開業届を出すにあたり、副業の仕事内容以外での知識はもちろん、初期費用も比較的多額である傾向があります。自分の資産運用を円滑に行うためにもよく検討してからはじめましょう。

まずは少しずつはじめてみては

政府は、企業が参考とするために厚生労働省が公式サイトに掲載している「モデル就業規則」の中で、副業・兼業に関する規定を「原則禁止」から「原則容認」に転換する予定だと報じられています。(日経新聞 2016年12月26日「正社員の副業後押し 政府指針、働き方改革で容認に転換」)

今後ますます副業を容認する企業が増えると予想されますが、本業があってこその副業です。本業に支障が出ない範囲で、勉強も兼ねながら少しずつチャレンジしていくところからはじめてみるのもいいのではないでしょうか。

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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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