増やす 2017.10.16 インデックス運用とアクティブ運用、あなたにオススメなのはどっち?

株式や投資信託などの投資をスタートしようと思い調べると、いろいろな用語がでてくることがあります。そのうち、「インデックス運用」や「アクティブ運用」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。一体どのような運用手法なのでしょうか。

■インデックス運用とアクティブ運用とは?

インデックス運用とアクティブ運用の手法や考え方、そして投資対象については下記の様に考えることが出来ます。

運用名運用スタイル目標投資方法
インデックス運用 (パッシブ運用とも呼ばれる)各インデックスを指標に、設定したベンチマークの収益率と同じような運用成果を目指す

※代表的なインデックス:日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)、東証REIT指数、NYダウ、 S&P500、CAC400など
運用目標との差(上昇率、下落率)がないことが良い運用とされる運用目標と同じか運用目標に準じたもの
アクティブ運用日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)、東証REIT指数、NYダウ、 S&P500、CAC400などのベンチマークの収益率を上回る運用成果を目指す

※結果はファンドマネージャーの運用手腕によるところが大きい
安定的・長期的に運用目標を上回る成果を上げることが良い運用とされるファンドマネージャーが調査・分析をして決定する

※代表的なインデックスは一例

投資にはベンチマークと呼ばれる判断や判定のための基準・尺度があります。例えば、ベンチマークには投資信託やETFなどの投資対象とする商品や市場の各種指数が用いられます。インデックス運用はベンチマークとされる運用目標と同様の収益率であることが望ましいとされ、アクティブ運用はベンチマークを上回る運用を目標としています。

このように、インデックス運用とアクティブ運用は、運用手法や考え方、投資対象も異なります。

◎インデックス運用のメリット/デメリット

インデックス運用のメリットは、良くも悪くもベンチマークに連動するところです。ベンチマークが上がれば価格も上がりますし、下がれば価格も下がる運用手法なので、ファンドマネージャーの手腕に左右されることもなく、運用にかかる諸経費も割安です。また、ベンチマークと同じような動きを目指すため、リスクが抑えられるでしょう。ただし、大儲けするということもありません。

◎アクティブ運用のメリット/デメリット

アクティブ運用のメリットは、ファンドマネージャーの運用手腕が良ければ利益が出やすくなる点です。一方で、成功報酬が必要になる銘柄がある他、ファンドマネージャーの調査や分析など、運用にかかる諸経費が割高になります。加えて、ファンドマネージャーの目論見がうまく行かなければ、思った以上に損をする可能性もあります。

すなわち、ローリスク・ローリターンのインデックス運用は「負けない投資」を目指す、ハイリスク・ハイリターンのアクティブ運用は市場の値動きに「勝つ運用を目指す」手法と言えるでしょう。

■インデックス運用とアクティブ運用、どちらを選べばいいの?

実際に、インデックス運用とアクティブ運用ではどのような違いがあるのでしょうか。過去の騰落率(ある期間の始まりから終わりまでの間にどれだけ価格が変化したかを表す指標)で確認してみましょう。主として国内株式を対象に投資している「国内株式型」と呼ばれるタイプの4つのファンドを例にして考えてみます。

 インデックスアクティブ
ファンド名ニッセイ日経225インデックスファンド三井住友・225オープンJPMザ・ジャパン日興キャッシュリッチ・ファンド
運用会社ニッセイアセットマネジメント三井住友アセットマネジメントJPモルガン・アセット・マネジメント日興アセットマネジメント
騰落率1年22.09%22.11%27.65%35.30%
3年33.35%33.39%23.58%56.52%
5年146.57%146.75%172.69%211.97%
10年33.96%31.87%145.94%106.32%

(騰落率は2017年7月末現在)

表中の2つのインデックスファンドは、いずれも日経225(東京証券取引所第一部に上場する銘柄のうち、選ばれた225銘柄の株価の平均値)に連動した運用を目指すファンドです。運用会社は異なりますが、運用目的が同じなので、騰落率もほぼ同じように動いていることが分かります。

次にアクティブファンドを見てみましょう。

表中の2つのファンドの目論見書でファンドの特色を見てみると、いずれも「利益成長性」「株価上昇」を期待できる国内企業株式への投資を目的とすることが分かります。しかし、企業分析の方法や投資対象企業の選択基準、選択方法などが異なるので、これらの要因が騰落率に大きな差をつけているのでしょう。

■投資手法の違いを確認しよう

これまで投資を経験したことがない人や、投資に興味があっても怖くて手を出すことが出来なかった人の多くには、投資=アクティブ運用というイメージを持たれているのかもしれません。上の表からも分かるように、アクティブ運用は、そのファンドが目的とするリターンの大きさや求め方がそれぞれ違います。投資家にとっては数多くあるファンドのそれぞれの投資方針やファンドの目的・特徴の確認が必要になりますので、勉強しないとリスクが高いと感じることもあるでしょう。

忙しくて銘柄選択に時間をかけることができない、値動きをタイムリーにチェックできないという人はインデックス運用を選ぶのも良いでしょう。インデックス運用とアクティブ運用の違いを理解して、ライフスタイルに合った投資をしましょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:beeboys/Shutterstock.com

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