増やす 2017.11.13 円預金と外貨預金どちらがいいの? 3番勝負

将来の資産形成を考えた時に、円預金や外貨預金を検討する人もいるのではないでしょうか。外貨預金は手軽に始めることができる金融商品の1つだと言われています。超低金利時代の今、円預金だけにしておくのはもったいないと思う一方で、円預金と外貨預金のどちらに預け入れをするのが良いか迷う場合もあります。そこで、円預金と外貨預金のどちらに置いておくのがよいのか、ケーススタディで考えてみましょう。

【パターン1】
1年後に使う予定のお金の場合

たとえば、ちょうど1年後に使う予定がある100万円は、円預金と外貨預金のどちらにおいて置くのが良いでしょうか。

一般的に資金使途が決まっているお金は、短期的な価格変動を避ける方がよいでしょう。円預金には為替リスクはないものの、外貨預金には為替変動リスクがあるため注意が必要です。いずれも1年定期預金で考えてみましょう。

・円預金:じぶん銀行 0.050%(参照

1年後は1,000,398円(税引後)の受け取りになる。

・外貨預金:じぶん銀行 0.950%(*1、シミュレーター利用

(TTS 1米ドル=113.73円、TTB 1米ドル=113.23円 ※為替が変わらない場合)
1年後は1,003,140円(税引後)の受け取りになる。損益分岐点はTTBが112,88円。

上記のことから、1年後為替が今と変わらないのであれば、円預金よりも外貨預金の方が利益を得ることもできるでしょう。

ただし、為替は短期間で大きく動くこともあるため、1年後は今より大きく円安に触れるなどの予想が難しい場合は、円預金で減らさないようにするのが無難でしょう。

【パターン2】
すぐに使う予定はないが、将来のために増やしたい場合

資金使途が決まっておらず、将来のために増やしたい場合は円預金と外貨預金のどちらのほうが良いでしょうか。

・円預金の場合

定期預金でも0.010%分の利息を享受しながら少しずつ増えていきます。

為替が円高に大きく触れてしまうと元本に戻りにくくなりますが、将来のために増やしたいと思う場合はリスクをとっても外貨預金を検討しても良いでしょう。

・外貨預金の場合

預金をしておくだけで年間数%の利息収入を得ることも可能です。

たとえば、1ドル113.43円で外貨預金を行い、1年後に112.00円の円高に触れたとしても、円に換金せずに外貨のまま利息を受け取り続け、円安になるのを待つことができます。また、外貨預金は円安になれば利益を得ることができるのです。

【パターン3】
10年間積立を検討している場合

それでは、ライフプランの中で10年間積立を検討する場合はどうでしょうか。

・円預金の場合

確かに、円預金にしておけば元本が保証されるため安心だという考え方もあります。

しかし今後、日本銀行が掲げた物価上昇率が2%になったとしたら、安心できるとは考えづらくなります。なぜなら、物価が2%上昇をしたとしても、銀行の預金金利が同じように上昇するかどうかは分からないからです。

物価が2%上昇すると、今年は100円で購入できたものが来年は102円、再来年は104円でないと購入できないことになります。日本円の価値が下がって目減りしていることになりますから、その分を補うための対策が必要になります。

・外貨預金の場合

一方で外貨預金を検討したいものの、為替の動きは株式と同様にある程度の振れ幅があるので、1度に大きな額を預け入れするのは怖いという人もいるかもしれません。そのような人は毎月同額の積み立てを行い、じっくり増やしていくのが良いでしょう。

円高なら購入できる外貨が多くなり、逆に円安では少なくなりますが、購入時期を分散して長く投資をすることで、値動きの振れ幅が小さくなり、安定的になります。

外貨は怖いと思う人も、物価上昇率2%分の目減りに対抗できる程度は外貨預金などを使って対策をしておく方法があります。

外貨預金の検討ポイント

3つのケーススタディで円預金と外貨預金について考えてきました。現在の円預金は金利が少ししかつかないため、将来の資産形成を検討するのであれば外貨預金も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

外貨預金の通貨を選ぶポイントは下記の3つが挙げられます。

  • 自分に馴染みのある国
  • タイムリーに為替の動きを見ることができる国
  • 現地の政治経済の状況が分かる国

高金利の通貨や利率が高いため、その分リターンも大きい傾向があります。しかし、現地の政治経済の状況がタイムリーに分からない場合は、気づかないうちに評価損を抱える心配もあります。自分にとって馴染みのある国やタイムリーに為替の状況が分かる、政治経済の動きが分かる国であれば、万が一のことがあってもすぐに売却などの対応が可能になります。そのため、金利収入以外のことも検討材料に入れると良いでしょう。

そこで、米ドル、ユーロ、豪ドルなどの、馴染みのある先進国通貨からスタートしてみるといいのかもしれません。また、将来行ってみたい国の通貨を積み立てるのも1つの方法です。自分がこれだと思う国や方法を見つける良いでしょう。

円預金も外貨預金もバランスよく検討を

資産形成を行う際には円預金と外貨預金のどちらか一方に偏るのではなく、円預金と外貨預金をバランスよく保有しましょう。

円預金は資金使途が決まっている場合や緊急時にすぐ使える予備費、外貨預金は将来のための資産形成の一部として考えてみてはいかがでしょうか。そのために、自分のライフプランをよく検討することが大切です。

(*1) 2017年10月24日現在

マネチエでは身近なお金の話題をお届けしています
この記事を気に入っていただけたらフォローをお願いします!

ページトップ