増やす 2018.02.07 NISA、iDeCo、積み立て……「投資信託」の最適な選び方は?

少しずつお金を貯める方法として、NISA(少額投資非課税制度・ニーサ)やiDeCo(個人型確定拠出年金・イデコ)、ロボアド、おつり投資など、投資信託を使ったやり方で気軽に始められるようになりました。一方で、投資信託には仕組みが複雑なものもあります。そこで、投資信託について確認しましょう。

■投資信託は10種類に分かれる

投資信託は、投資家からのお金を「ファンドマネージャー」というお金の専門家が株式や債券などに投資をしてくれる商品で、売買のタイミングをおまかせでき、商品や買い方によっては100円からでも購入可能です。そして、投資信託はさまざまな種類に分けることができます。

■投資信託の種類

  • 単位型:最初の募集期間しか購入できない商品
  • 追加型:運用期間中ならいつでも売買でき、積み立てにも使える商品
  • 国内 :主に国内資産を投資収益の対象とする商品
  • 海外 :主に海外資産を投資収益の対象とする商品
  • 内外 :国内外の両方を対象に投資を行う商品
  • 株式 :株式を主な投資対象として収益をねらう商品
  • 債券 :債券を主な投資対象として収益をねらう商品
  • 不動産投信(リート・REIT) :不動産投資信託・不動産投資法人を主な投資対象に収益をねらう商品
  • その他資産 :株式・債券・不動産投資信託・不動産投資法人以外を主な投資対象とする商品
  • 資産複合 :株式と債券、株式と不動産投信といったように複数の商品を投資対象とする商品

(一般社団法人投資信託協会のWebサイト参照)

■投資信託の選び方、そのポイントとは?

投資信託を選ぶ時には、ランキングに惑わされない、各種手数料、純資産、過去の実績に拘りすぎない、分配金偏重にならないなどのポイントがあります。それぞれのポイントについて、確認しましょう。

◎ランキングに惑わされないこと

みんながいいと思う投資信託は人気があり、ランキングでも上位にある傾向があります。みんなが保有している投資信託なら安心だと思う人もいるかもしれません。しかし、人それぞれお金の考え方が異なります。そのため、他の人にとってよいと言われる投資信託であったとしても、自分にとってよい投資信託とは限りません。

まずは、どういう目的で投資信託を購入するのか、そして何年間でいくらのリターンを目指したいのかをよく検討するようにしましょう。商品ありきではなく、ライフプランや今後の投資意向にあわせて商品を選ぶという癖をつけます。

◎手数料に注意

投資信託には大きく分けて3つの手数料があります。「販売手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」です。これ以外に、解約手数料がかかる場合もあります。

  1. 販売手数料:購入時にかかる手数料
    「ノーロード」といって手数料が無料の投資信託や、複雑な運用のため4%以上かかるものもあります
  2. 信託報酬:保有中に毎日運用資産の中から日割りで差し引かれる運用管理費用
    信託報酬(運用管理費用)には、銘柄の調査、株式や債券の売買、外貨建て商品の保管料など、さまざまな費用が含まれています
  3. 信託財産留保額:投資信託を解約する時に、投資信託の一部だけをおいておくための費用
    途中で解約することによって、他の人の運用に大きな影響が出ないようにするために設定されています

これらの費用はそれぞれの投資信託によって異なるほか、同じ銘柄であっても購入する証券会社や銀行によって販売手数料が違うのです。口座開設している金融機関の販売手数料が実は他の金融機関よりも高い可能性もあるかもしれません。

ちなみに、手数料がたくさんかかればその分運用資産が減ってしまいます。はじめて投資をする人はなるべく手数料が少ない投資信託を選びましょう。

◎純資産をみること

投資信託は投資家から集めた資産「純資産」で運用されています。純資産が少ない投資信託は運用状況が悪く、徐々に解約が進んでいる投資信託である可能性があります。また、純資産が少ない投資信託は値動きが激しく、リスクが高い傾向があります。

ただし、純資産が多ければよいというわけではありません。純資産が大きい投資信託であっても、解約が増えている投資信託には注意しましょう。なお、解約が多くてもその分買付けがあれば、流動性(お金の動き)が高い投資信託ということになります。

純資産が大きな投資信託はたくさんの投資先に分散して投資ができます。そのため、純資産が少ない投資信託より値動きが抑えられるので、リスクも低減します。一般的には、100億円規模の資産がある投資信託への投資はある程度安定していると言われています。

◎過去の実績にとらわれすぎない

Webサイトなどで過去の運用実績を確認することができますが、いくら過去の運用実績がよくても、参考程度に考えましょう。もしかしたら、その投資信託は今が一番実績がよいかもしれません。

過去の運用実績は参考程度に、今後この投資信託が投資をしている国や企業等は発展していくのか、発展していくとしたらどの程度成長するのかを考えて投資をするのがよいでしょう。

◎分配金偏重になりすぎないこと

投資信託には分配金が出ないものと、分配金が出るものの2種類があります。生活資金の足しにしたいなど、日々の生活に使う予定があるのであれば分配金が出る投資信託はおすすめです。

しかし、長く保有して資産を育てたいと思っている人にとっては分配金をお金で受け取るのはおすすめできません。いくら分配金がたくさん出たとしても、運用実績以上の分配金を出している投資信託もあります。分配金が多い投資信託を検討する際には、分配金が運用実績以上ではないか、よく確認しましょう。

また、投資信託には分配金が出る銘柄でも、毎月分配型や年1回分配型などと年に何回分配金を受け取れるか選べる場合があります。加えて、分配金を受け取る必要がない時には再投資をする方法もあります。これらの方法をよく検討して、投資信託を選びましょう。

◎商品性がシンプルなものを選ぶ

実際に初心者が投資信託を選ぶ時にはあまり手数料がかからず、シンプルなものを選ぶのがよいでしょう。複雑な商品はそれだけ商品の内容を理解するのに時間がかかります。そのため、手数料があまりかからずシンプルなものを選ぶのがよいでしょう。たとえば、日経平均株価やTOPIXなどに連動する投資信託(インデックス型投資信託)であれば、手数料率が比較的安価で、分かりやすいです。

【主なインデックスファンド】

ニッセイ日経225インデックスファンド(運用会社:ニッセイ アセット マネジメント株式会社)
iFree 日経225インデックス(運用会社:大和証券投資信託委託株式会社)
野村インデックスファンド・日経225(運営会社:野村アセットマネジメント株式会社)

■投資信託を選ぶ時には目論見書に記載されている情報の確認を

投資信託を購入する際に、「目論見書(もくろみしょ)」という投資信託の説明書のようなものを受け取ります。目論見書には投資信託を購入するにあたり、大事な事項が記載されています。

たとえば、投資方針、投資対象、運用期間、分配金の決算、手数料などの諸経費がいくらかかるかなどが書かれています。取引する前に必ず受け取って他の商品と諸経費や投資方針などを比較して、自分のスタンスに合うかどうかを確認しましょう。

どうしても投資対象を限定できない人は、国内外の株式や債券などをバランスよく運用しているバランス型投資信託を選んでもよいでしょう。また、スマホで簡単なアンケートに答えることで、投資対象を選んでくれるロボットアドバイザー(ロボアド)などを利用する方法もあります。自分に負担のない運用方法を選びましょう。

いずれにしても、目論見書に目を通して意識したいポイントを理解しておくことが、自分に合った資産運用の第一歩です。「わからない用語が出てきたら調べる、運用成績を調べる」など目論見書を読み解く力をつけることで、投資判断に役立つ基礎知識を身に付けましょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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