増やす 2018.03.23 現行NISA or つみたてNISA。オススメはどちら?
2018年1月からつみたてNISA(積立NISA)がスタートしました。すでに2014年から現行NISAが運用されていますが、現行NISAとつみたてNISAでは、投資対象となる商品や投資の上限額などいくつかの点で違いがあります。そこで、どちらを選択すればよいのかを考えてみましょう。
■現行NISAとつみたてNISAの違い
現行NISAとつみたてNISAは、共に売却益、配当金・分配金の配当所得にかかる税金が期間内非課税になります。ちなみに、国内上場株式等の配当金にかかる税金を非課税にするためには株式数比例配分方式(各証券会社で保有する株数に応じて配当金が証券口座に入金される)を選択する必要があります。また、投資信託の元本払戻金が出る場合には非課税になりません。
現行NISAとつみたてNISAの大きな違いは、投資対象商品が異なることです。現行NISAが上場株式、投資信託など、ある程度自分の好きなように投資が行えるのに対し、つみたてNISAは金融庁が承認をした銘柄にしか投資できません。また、現行NISAは1年の上限金額が120万円で、1年のうち1回の購入で120万円使い切ることもできますし、1年間積み立てを続けて120万円の枠を使い切っても構いません。
一方、つみたてNISAはあくまでも安定的に積み立てを続けることが目的です。年間の上限額40万円に対して1度の購入で40万円分を使い切ることはできません。12カ月毎月積み立てるのであれば、3万3,333円/月を継続するということになります。
現行NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
上場株式 | ◯ | × |
ETF | ◯ | ◯* |
株式投資信託 | ◯ | ◯* |
REIT | ◯ | × |
国債、地方債など | × | × |
公社債投資信託 | × | × |
(金融庁HPを参考に作成)
*ETFと株式投資信託は金融庁が認めた商品のみ
実は、現行NISAについて最長で10年間非課税投資枠を利用して運用できるのは2018年が最後になる可能性があります。それは、現行NISAは制度変更が行われなければ2023年に終了するため、そのリミットを考慮して制度に変動がある可能性があるからです。一方、つみたてNISAは20年間投資をすることが可能です。継続期間も考えた選択が必要になるでしょう。
■現行NISAとつみたてNISAのどちらを選んだら良いの?
現行NISAとつみたてNISAは併用ができないため、どちらかを選択する必要があります。そこで、例として性格や趣向の違う4人を例として考えてみましょう。
◎投資を始めたいと思うものの、何に投資をしたらよいのか分からないAさん
Aさんの場合は、幅広い商品を選択できる現行NISAが向いているかもしれません。幅広く投資ができるため、いくつかの商品に少額投資を行い、実際のパフォーマンスを見てみるのがおすすめです。
◎株式や投資信託など、自分である程度自由に銘柄を選んで運用をしたいBさん
ある程度自由に銘柄を選びたいというBさん。つみたてNISAは一部の投資信託とETFしか投資対象商品がありません。ある程度自由に売買を検討するのであれば、現行NISAが選択肢に浮上してきます。
◎老後に備えて着実にリスクを抑えて運用したいCさん
老後に備えて着実に運用をしたいのであれば、長期投資・分散投資ができるつみたてNISA。リスクを抑えて中長期的に安定成長できる商品が多く、20年間毎年積み立てを行えるメリットがあります。
◎数年後、海外旅行に行くために着実に資金を貯めたいDさん
Dさんの場合は、現行NISA、つみたてNISAのどちらも検討材料になります。その際、何年後にいくら必要なのか、目標金額を定めることです。その目標金額にあわせて、想定リターンを検討し、どちらにするのかを決めましょう。
■現行NISAをつみたてNISAに変更したくなったら
現行NISAからつみたてNISAへの変更には、金融機関で手続きを行う必要があります。
たとえば、同じ証券会社間で2017年中に2018年のNISA枠を現行NISAからつみたてNISAに変更する場合は、「非課税口座異動届出書(勘定変更用)」を提出します。
ただし、受渡日(売買注文が決済される日)の関係で2018年の現行NISA枠をすでに使っている場合は変更することができません。買付けの取り消しができるようであれば、取り消しを行いましょう。
さらに、マイナンバー未提出ならば、マイナンバーの提出が求められます。また、2018年以降にその年のNISAを変更する時には「金融商品取引業者等変更届出書(勘定変更用)」が必要になります。書面や提出書類は金融機関にあらかじめ確認をするのがよいでしょう。
■わからないことは相談してみましょう
NISAは、税務上はお得な制度ですが、投資の対象は元本保証の商品ではありませんので、価格変動などのリスクには注意が必要です。現行NISAとつみたてNISAで対象となっている商品、投資の上限額、非課税の期間などの違いを確認した上で、自分の投資方針にあった資産形成を目指しましょう。
TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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