増やす 2018.05.18 じっくり増やしたいなら、ETFを活用してNISAで積立てが良い理由

2018年1月から「つみたてNISA」が始まりました。2017年のiDeCo(個人型確定拠出年金・イデコ)の加入範囲の拡大に続き、税制優遇政策が矢継ぎ早に続きます。国が税制優遇をしてまでも「貯蓄から資産形成へ」を推奨するのにはそれなりの理由があります。ここでは、NISA(少額投資非課税制度・ニーサ)や、つみたてNISAについて目的別の使い方を解説します。

■老後のことを見据えて、積立てを考えてみよう

例えば、20年間で1,000万円を積立てようと考えたとします。銀行の普通預金で毎年約50万円(月額約4万2,000円)積立てを続けることができれば、目標を達成することができます。ただ、「家計を考えると毎月4万2,000円を預金に回すのは難しい」「1,000万円貯めるのは大変」と、諦めがちになる人が多いかもしれません。

日本は今、低金利の状況が続いています。そのため、銀行預金で積立てをしようと思っても、なかなか増えづらい状況なのです。そこで、NISAなどを活用して、長期的にじっくり増やしていく対策が必要になるのです。

シミュレーション上では、NISAを活用して3%の運用利回りで増やすことができれば、毎月3万1,000円ほどの積立てで目標を達成することができます。預金であれば4万2,000円、運用であれば3万1,000円。その差は1万1,000円、年間では13万2,000円と大きな差になります。

ただし、運用すれば元本割れをすることも考えられます。NISAで増やす方が毎月の積立て金額は抑えられますが、その分リスクが伴うことを忘れないようにしましょう。

■じっくり増やすのにETFが良い理由

長くじっくり増やしていくと言えば、投資信託が良いと思う人もいるかもしれません。しかし、視点を変えると実はETF(上場投資信託)も長期投資に向いていると分かります。そもそもETFとは日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などといった指数と同じような値動き・運用の成果を目指している金融商品です。投資信託もETFもさまざまな投資対象に銘柄を分散して投資をしている点は変わりません。

大きく異なるのは、上場しているか否かの違いです。投資信託は上場しておらず、1日1回だけ価格(基準価額)が更新されます。一方、ETFは株式と同じように取引所を介して売買ができ、また株式と同じように値動きもします。そのため、売買のタイミングを自分で決められるのはETFの良さだと言えるでしょう。手数料など諸経費も、ETFの方が投資信託に比べて割安なのもポイントだと言えるでしょう。

◎投資信託とETFの違い

  • 投資信託は1日1回しか価格(基準価額)は更新されないが、ETFは取引所が開いている間は値段が動く
  • 投資信託は上場していないが、ETFは上場している
  • 投資信託の分配金は普通分配金と元本払戻金に分かれるが、ETFの分配金は普通分配金のみ
  • 投資信託は買うときに目論見書という冊子の説明書が必要になるが、ETFは必要ない
  • 投資信託は販売会社とよばれる証券会社や銀行などで買えるが、ETFは証券会社でしか買えない

たくさんの銘柄をパッケージにしたものが投資信託やETFです。そのため、株式をたくさん分散して保有するよりも、もともとパッケージにされている投資信託やETFの方が、価格の動きをみる銘柄数が少なくてすみ、はじめて運用する人には嬉しいことなのではないでしょうか。

■「NISA」と「つみたてNISA」でのETFの選び方

それでは、NISAを活用してETFを運用したいと思う人はどのように考えたら良いのでしょうか。

◎NISAの場合

さまざまなETFから自分に合ったものを選びたいという人は、NISAを選ぶのが良いでしょう。NISAでは年間120万円の非課税枠があるだけではなく、たくさんあるETFの中から投資方針に合ったものを選ぶことができます。5年間のNISA枠を有効活用して、安定的な運用よりも値上がり益を狙いたいという人はNISAを保有する方が良いと言えるでしょう。

◎つみたてNISAの場合

実はつみたてNISAでは、金融庁が認めた商品しか購入することができません。2018年4月23日現在、つみたてNISAで保有できるETFは3本と限られています。

【つみたてNISAで購入できるETF3本】

  • ダイワ上場投信 JPX日経400
  • ダイワ上場投信 トピックス
  • ダイワ上場投信 日経225

参照:金融庁「つみたてNISA対象商品届出一覧(運用会社別)」2018年4月23日付より

NISAは、もともと長期的に安定した運用をすることが目的です。そのため、金融庁が認めたこの3銘柄はリスクを抑えた運用を目標としています。こういった銘柄を参考に、少額で長く安定的に運用したいと思う人はつみたてNISAでETFを購入するのが良いでしょう。

ETFもいくつかの銘柄に分けて投資をすることでリスクを分散することができます。最初は少額で始めてみて、自分である程度値動きが分かるようになったら投資する銘柄を増やして、運用のバランスを見るのも良いかもしれませんね。

■ETFも効果的に選択を

ETFは長期投資にも向いている金融商品の1つです。NISAを活用して長期的に投資をしようと思うなら、自分がどれくらいのリスクを取れるのかを考えて投資をしましょう。

また、あなたの老後のためにどうするのが一番良いのか、日ごろから考えておくことも重要です。迷ったらファイナンシャルプランナーへ相談するのも一案です。ベストな方法を見つけましょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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