増やす 2018.05.29 失敗談から学ぶ! 投資は増やすではなく、減らさないことが大切

投資という言葉を聞くと、細かく状況を見ながら売買をし、大きく儲かるというイメージを持つ人もいるかもしれません。逆に、損をすると考える人もいることでしょう。しかし実は、投資は増やすことよりも、減らさないことの方が大事だということをご存じでしょうか。今回は実際に投資の失敗を繰り返して、運用上手になったGさんにお話を伺いました。

■「投資の失敗」はどのような状況を指す?

Gさん(35歳・男性)
会社員・年収は460万円・預貯金は53万円ほど

有価証券(株式投資信託、債券など)を2,200万円保有。大学では経済の勉強をしており、将来を考えて預貯金よりも投資でお金を増やそうと考えて、社会人1年目から投資をスタート。現在はベテラン投資家で、一度持った銘柄は中長期で保有するのが好き。

まず、私が投資を始めるきっかけになったのは大学時代に経済学部で経済の勉強をしていたことです。当時の日本はデフレ状態で、今後インフレになったとしても、低金利の中、預貯金にお金をおいても増えない可能性があることを知りました。

また、当時のゼミの教授が「若いときから投資を始めた方が良い」と何度も楽しそうに株式売買の武勇伝を教えてくれたこともあり、簡単に始められるものなのかなと思ったのです。預貯金よりも投資でお金を増やす方が効率的なのではないかと考えました。

しかし、社会人になり投資を始めると、自分の想像以上に失敗してしまいました。今回は失敗談にポイントをしぼってお伝えしたいと思います。

【失敗その1】大学の先輩から「この銘柄いいよ!」と聞いて、価格が高いときに購入した

まず忘れもしないのが、社会人2年目。大学時代のサークルの集まりがあり、懐かしい仲間や先輩と話す機会がありました。そのとき、投資をしていた先輩から教えてもらったゲーム関連銘柄がありました。その銘柄は確かに当時値上がりしていたので、いいなと思ったのですが、先輩は安いときに買って大きく値上りした状態で「儲けているよ」と言っていました。実際そのとき、株価も値上がりが続いている状態だったので、魅力にひかれて、よく考えずに買ってしまったんです。

その後、サブプライムローンやリーマンショックの影響もあり、株価は大きく下落してしまいました。当時、ゲーム関連なら携帯ゲームを取り扱っている会社の方が成長するのではないかと考えて、買おうかどうか迷っていたソーシャルゲームの会社は、その後値上がりしていきました。

値上がりしている銘柄だとしても、今後もまだ値上がりし続けるのかどうかをよく考えないといけないということを強く感じました。

【失敗その2】人にとってよい銘柄でも、自分にとってはよい銘柄ではなかった

他の人にとってはよい銘柄であっても、自分にとってはその銘柄が本当によい銘柄なのかどうかは分かりません。

例えば、「この銘柄は株主優待がもらえる、よい銘柄だから買ってみたら」と言われても、自分にとって株主優待が必要でなければ買わなくてもよいという判断ができます。私の場合は株式で値上がりを取りたかったのに、安定的な推移で配当金を多く受け取れる銘柄をすすめられ、値上がりを期待できずに途中で売却してしまいました。

紹介してくれた人にとっては、その銘柄は配当金が受け取れるし、あまり下がらないことが魅力だったようですが、私にとっては違うということです。自分の投資方針や将来このお金をどのように増やしたいかを考えて投資をしないといけないということを学びました。

【失敗その3】この企業は潰れないと言われた

国や地方自治体でも破たんするような時代です。いくら大きな企業であっても、破たんする可能性がゼロになることはありません。ライフラインなどの供給をしていて、売上げが見込めるような企業であっても、状況が変われば上場廃止になる可能性もあります。過去にもこんな銘柄が上場配信になる!?という銘柄が上場廃止になって話題になったことも多々ありました。

私もある銘柄を「潰れないだろう」と言われ、それを鵜呑みにして購入したところ、他の会社に吸収合併されることになり、上場廃止になってしまったことがありました。世の中に潰れない会社は存在しないということが分かった良い経験になりました。

■投資はあくまでも自己責任であるということを学んだ!

こういった失敗経験を繰り返した自分は、あるとき「自分は人に聞いたことをそのまま良いと思ってしまったな」と感じていることに気付きました。

判断基準が自分主軸ではなく、他人が主軸であることに気が付いたのです。”投資は自己責任”という言葉がありますが、最終的に自分はどう考えるのか?どうしたいのか?を考えなければ、価格が下落したときにどう行動してよいのか分からなくなります。

投資をするとき、どこまでなら下がっても「これくらいの下げなら大丈夫だ」と思える価格なのかを考えて買うことも大事だと思いました。例えば、買ったときから20%下がったら売却するとか、そういう自分のルールを決めておかないと、「あの人が良いと言ったから、また上がるかも」と期待してしまい、本当は売却しないといけないのに冷静な判断ができなくて、判断をずるずる引き延ばしてしまうこともあるのです。

こういった失敗を繰り返して、反省した私は自分でルールを作って運用をするようにしました。20%下がったら売却する、自分の判断軸や考え方と違うものは買わない、もしくはよく調べてから購入するということにはなりますが、ルールを徹底すると失敗しづらくなったというのを感じます。

■失敗は成功のもと まずは始めてみよう

Gさんは最後に「投資は怖いと思うのではなく、まずはやってみることが大事。失敗して気付けることもある。最初は少額から始めて色々と分かってきたら徐々に投資金額を増やしていくのが良いのではないか」とアドバイスをくれました。

今回の失敗談を聞いて、人の受け売りではなく自分がどうしたいのかを考え、自分ルールを作って動くことの大切さを知りました。これから投資を始める人はこれらの経験談を参考に、自分で考えて投資をされてみてはいかがでしょうか。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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