増やす 2018.06.01 はじめて投資信託を買うときに注意したい6つの手順とポイント
投資信託は仕組みを知れば、比較的気軽に始められる資産運用の1つです。とはいえ、資産運用をしたことがない方には不安もあるかと思います。そこで今回は、初めて投資信託を買うときに注意すべき6つのステップを確認していきたいと思います。
■そもそも投資信託とは?
「投資信託」とは、投資家から集めたお金を「ファンドマネージャー」とよばれる専門家が自ら選んだ株などに投資し、運用する金融商品です。売買のタイミングやどの銘柄に投資をするのかはすべてファンドマネージャーにお任せできるため、初心者でもスムーズに始めることができます。
【STEP1】口座開設のための本人確認書類を用意
投資信託を始めるには、投資信託の取り扱いのある銀行や証券会社などに口座開設をする必要があります。インターネット上でも申し込むことができますが、口座開設にはマイナンバーなど本人確認書類が必要です。
指示にしたがって住所、氏名、電話番号など必要事項を記入・捺印のうえ、所定の本人確認書類を、口座を開設する会社に送付します。
【STEP2】「一般口座」「特定口座」を確認する
口座には、一般口座と特定口座があります。投資信託で得た利益には税金がかかるため、確定申告を行う必要があり、その申告を自分でするか、証券会社に代行してもらうかが口座ごとに分かれています。用途に合わせてどちらかを選択しましょう。
◎一般口座
「取引報告書」をもとに、自分で譲渡損益を計算し、「計算明細書」などを作成。確定申告により納税します。
◎特定口座(源泉徴収なし)
「特定口座」の場合は、損益計算は証券会社が代わりに実施します。そのうえで、証券会社が作成した「年間取引報告書」をもとに、自分で確定申告して納税します。
◎特定口座(源泉徴収あり)
売買計算は証券会社などが代わりに実施します。証券会社が所得税・住民税を源泉徴収し、代行納付してくれるため、自分で確定申告をする必要がありません。
【STEP3】購入する投資信託を選ぶ
ここからは実際に投資する商品選びが始まります。
投資信託は、分散投資によってリスクを軽減しながら利益を得るのが目的です。複数の銘柄を選ぶ方法として大きく分けて3つ方法があり、それぞれ「インデックス型」「アクティブ型」、更に「バランス型」があり、それぞれ以下のような特徴があります。
◎インデックス型
日経平均株価やTOPIXといった主要な市場指標と同水準の運用利益を目指しているファンド。安定性を求めている人に向いています。銘柄を選ぶ手間がないので諸経費が安いのも特徴。購入手数料無料の商品もあり、運用管理費も割安です。
◎アクティブ型
高いパフォーマンスが期待できる銘柄を選ぶタイプ。これからの成長が見込める銘柄に投資する「グロースファンド」、会社の規模や成長率を比較し割安と考えられる銘柄に投資する「バリューファンド」、人気の銘柄を集めた「センターファンド」がアクティブ型に含まれます。
手数料が割高な点や、値が下がるリスクも高いため、より多くの利益を手に入れたいと考える人に向いています。
◎バランス型
利益と安定性の両方に配慮しているのがバランス型。国内株式、海外株式、国内債券、海外債券など投資先が分散していることが多いのが一般的です。多種多様な銘柄が含まれているため大きく値下がりするリスクを軽減しているのが特徴。リスクを抑えたい人に向いている商品です。
【STEP4】投資対象や諸経費などが書かれた「目論見書」を確認
銘柄選びの参考に「目論見書(もくろみしょ)」を読むのも1つの手です。目論見書とは、投資信託の詳細が書かれている資料です。投資対象や、諸経費の説明が記載されており、投資家にとっては投資の判断基準になる大切な資料です。さまざまな情報が記載されていますが、まずは以下の5つのポイントを押さえてみましょう。
目論見書のチェックポイント | チェックする項目 |
---|---|
ファンドの目的と投資先は? | ・投資対象 ・発行者名 ・事業内容 |
どのように運用するのか? | ・運用プロセス ・投資方針 |
どのようなリスクがあるのか? | ・変動価格リスク ・金利リスク ・信用リスク ・流動性リスク |
過去にどんな実績があったか? | ・基準価額、純資産の推移 ・分配の推移 ・主要な資産の状況 ・年間収益率の推移 など |
手数料・税金はいくらなのか? | ・購入手数料 ・信託報酬 ・信託財産留保額 ・解約手数料 など |
【知っておきたい用語解説!】
・基準価額:投資信託の価格。毎日1回価格が決まる
・純資産の推移:投資家から集めた運用資産残高の推移
・分配の推移:過去に分配金がいくら出たのかを表したもの
・購入手数料:投資信託を購入するときにかかる手数料のこと。販売手数料といわれることもある
・信託報酬:投資信託の運用中に日々かかる諸経費のこと。調査、運用、監査費用などに使われている。なお、毎日引かれているので、払う必要はない
・信託財産留保額:投資信託を解約(売却)するときに、投資信託においておく費用のこと
・解約手数料:投資信託を解約するときにかかる手数料。解約手数料がかからない場合もある
【STEP5】いつ分配金を受け取るのかを確認
購入後、分配金は決算日の5日目以降に、投資信託を買った販売会社から受け取ることができます。決済とは、投資信託の資産あるいは負債を算定すること。利益があった場合は投資家に分配金として還元されます。
決算は、投資信託によって様々です。毎日行われる「日々決算型」や、年12回の「毎月決算型」、隔月の「隔月決算型」のほか、年1回、年2回、年4回などがあります。
受け取りの方法は大きく分けると2つあります。「分配金受取コース」と「分配金再投資コース」です。
「分配金受取コース」は、分配金から税金が引かれた金額が、口座に振り込まれます。毎月決算型を選ぶと、月1回、お給料のように受け取れるので月々の手取り額を上げたい人におすすめです。しかし、収益がない場合は分配金が出ないため注意する必要があります。
「分配金再投資コース」は、分配金から税金が引かれたお金で、再度、投資信託を購入します。手元に分配金はありませんが、投資信託の保有口数が増えていく仕組みであり、効率よく資産を増やすことができます。家計に余裕があり、じっくり投資したい人におすすめです。
銘柄によって両者のいずれかを選択できるかどうかが分かるので、チェックしましょう。
【STEP6】諸経費が安い金融機関を選んで購入する
投資信託に必要な諸経費は以下の通りです。
◎販売手数料
投資信託を買うときに支払う費用です。ただし、手数料が無料なファンドもあり、それらは「ノーロードファンド」とよばれています。
◎信託報酬
ファンドの運用・管理にまつわる費用です。残高から日々引かれます。
◎信託財産留保額
投資信託を途中で換金する際に発生するお金です。中途解約する際、ファンドにおいてくるお金だと考えてください。
投資信託を少額だけ購入した人ほどこれらの手数料が利益に大きく影響します。
■投資信託はプロに運用を任せながら、資産運用の勉強ができる
投資信託を始めたら、定期的に手元に届く運用報告書にしっかりと目を通して、自分が保有している銘柄をチェックすることが大切です。また、分配金が受け取れるのは決済から5年です。買ったままで放置していると失効してしまう可能性があるため丁寧に確認しましょう。
慣れてきたら投資金額を増やしたり、新しい商品を組み合わせるなど、自分で将来の投資先を検討するのも良いかもしれません。
TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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