増やす 2018.06.21 投資信託の解約! 売り時を逃してはいけない

投資信託は少額でも投資ができるため、幅広い層に関心を持たれています。投資信託の購入時に、どのようにしたらよいのかと迷う人もいますが、購入と同様に売却も大事なのをご存じでしょうか。そこで、今回は投資信託の解約、つまり売り時について一緒に考えてみましょう。

■投資信託とは

投資信託株式や債券などたくさんの銘柄に投資をするパッケージ商品と表現できます。それぞれの商品で購入単位は異なりますが、100円や1万円などの少額から購入できるものが多く、コツコツ積み立てるのに適している商品のひとつだといえます。

投資信託は、出資することによって、ファンドマネージャーという投資のプロが代わりに売買をしてくれます。株式投資を自身で行う場合、自分で銘柄や買い時と売り時を考えないといけませんが、投資信託であればプロに売買をおまかせ出来るのでメリットが大きくなっています。

投資信託は購入時にかかる販売手数料以外にも、運用中には諸経費として信託報酬、解約時に投資信託のファンドにおいてくる信託財産留保額などのコストがかかります。プロにおまかせして運用してもらっている分、コストが多くかかると考えるとよいでしょう。

なお、投資信託は毎日1本値(価格が1日1回しか変わらない)であることも特徴の1つです。

■投資信託の売り時って?

雑誌やWebサイトを見ると、投資信託の購入ポイントが記事としてまとめられているところをよく見かけますが、投資信託の売却に関する記事は意外と見かけることが少ないのではないでしょうか。そのため今回は、実際にいつ売却したらよいか分からない、という人のために、主な投資信託の「売り時」をまとめてみました。

・どうしてもお金が必要な時

投資信託を購入して運用をしても、資格取得、住宅、マイカーなどの取得費用、子どもの教育費等、どうしてもお金が必要になる場面が出てくるものです。こういった、目的のあるお金(資金使途金)の場合は、解約してもよいでしょう。もちろん、売却したする際に購入時よりも価格が下がっていることもありますが、売却せざるを得ない時は価格を気にせずに売却してしまいましょう。

・自分で決めた売却ルールよりも上がった・下がった時

投資信託を購入してもいつ売却したらよいかわからない、という人は売買のルールを決めるのがよいでしょう。利益はいくらでても嬉しいものですが、損失が出ていると、また上がるかもしれないと期待をしてなかなか売却に踏み切れない、という人もいるでしょう。

そういう人は、例えば「価格が30%下がったら売却する」といったようにルールを決めてしまうのです。具体的には、投資信託を10万円購入して9万、8万までに下がるのはいいけど、7万円まで下げてしまったら売却する、という形で決めてしまいましょう。

・投資信託の人気・ブームが終わった時

投資信託にもブームがあります。テレビや雑誌、Webメディア等でよく話題になる投資信託はそれだけみんなの注目を集め、投資する人が増えます。しかし、ブームが終わると価格が徐々に下がります。そうすると多くの人が売却しはじめるので、さらに価格が下がっていくことになります。

特に最近ではAI (Artificial Intelligence : 人工知能) に関連した投資信託や、ブランド企業に投資をする投資信託など、テーマが決まっているものは、流行に左右されやすい傾向があります。そのため、「最近あの話題があまり聞かれなくなったな」と思ったら、売却するタイミングだと考えるのも一案です。

そのほか、投資信託の運用残高のことを「純資産」といいますが、純資産が大きく減少してる時は、投資信託の解約が続いていることを意味します。その時は注意をした方がよいでしょう。

・こんな時もある!購入した時と運用の考え方が変わった時

投資信託は、まれにファンドマネージャーが交代になることがあります。その時に、これまでの運用方針に変更がかかる場合があります。運用方針は今後の運用の方向性を決める大事な要素です。そのため、運用方針の変更がある場合、自分の今後の投資の目的・方向性と合致しているのかを確認することが肝心だといえるでしょう。

■売り時の決め方

それでは投資信託の売り時を逃さないようにするにはどのようにしたらよいのかを考えてみましょう。まずは、経済環境への意識を持つことです。投資信託は何かしらの株式、債券、為替などが組合されて作られています。そのため、投資対象となる経済状況が投資信託の価格にも反映されます。毎日でなくても構わないので、世の中の大きな流れをおさえておく方がよいでしょう。

次に、自分の資産運用のゴールを決めておくことです。たとえば、基準価額が●●円になったら解約する、というのでもいいですし、5年後に住宅購入を予定しているので、その頭金に充当すると決めて5年後に解約するなど、いつ解約するのかを決めておけば迷うことはなくなります。

投資信託は長く運用し続けることも大切ですが、期限を切ることも売り時を決める際には必要な要素だといえるでしょう。

■売り時を考え、トータルパフォーマンスの意識を

このように投資信託は購入するときだけではなく、手放す時のこともよく考えておくのが肝心です。売却時期や今後の見通しについて不安になったら、証券会社に相談するなどの対応を考えましょう。大事なのは、自分の資産のトータルパフォーマンスを考えることです。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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