増やす 2018.08.17 iDeCoも夫婦で加入を! 老後にむけてどんなライフプランを立てるのがいい?

今や、20歳代・30歳代の若者までもが「老後の不安」を訴える時代です。「老後の生活にいくらかかるか分からない」「生活費が足りないかもしれない」という不安は、ライフプランを立て、資金準備をすることで軽減されます。夫婦で老後のことを考えるなら節税メリットのあるiDeCo(個人型確定拠出年金)も考え方をあわせておくべきです。そこで、今回は夫婦でiDeCoを含めた老後のライフプランの考え方を確認しましょう。

■まずは夫婦で老後を見据えたビジョンを考えよう

人生は人それぞれ違います。価値観も生き方も異なりますが、夫婦であればお互いを尊重しながら一緒に生活を進めていくと思います。その時に考えたいのは、老後をどのように過ごしたいのかというビジョン。

「退職後は培ってきたスキルを活用してフリーランスに」「趣味の時間を増やしたい」「旅行は年に1回は行きたい」「子どもの結婚式にはまとまった資金を送りたい」「将来は2人で駅近のコンパクトマンションに住みたい」などの思いを知っておきましょう。

お互いの希望を確認したら、夫婦で簡単なライフプランを立ててみましょう。将来起こる出来事や、やりたいことを年表形式に並べて一覧表にします。それらを踏まえて、毎年の収入と、基本的な生活支出、特定の年に支出する金額を記入し、各年の収支の差額を記入します。それに伴って増減する金融資産の各年末残高も記載し、将来のお金の流れを見通せるようにしておきましょう。

一覧表を作成すると、1年間で取り崩す金額や、金融資産がゼロになる時期が分かります。これを基に、対策を検討します。

■老後に向けた資産形成を考えよう

参考までに総務省統計局の「平成28年家計調査結果」を見ると、職に就いている人がいない高齢夫婦世帯では1ヵ月あたり約5.5万円、無職の単身世帯では3.6万円分の「赤字」を金融資産などから取り崩して生活していることがわかります。平均値ではあるものの、毎月夫婦で6万円程は赤字が出る計算に。つまり60歳で定年を迎えて90歳まで生きるとしたら30年分の2,160万円分の不足額は最低でも貯めておかなければいけません。

あくまでも平均値なので、それぞれお金の使い方は異なります。人によってはさらに資金が必要になるでしょう。自身の家庭がどうなるのかを必ず夫婦で確認しておきましょう。

老後の生活費が足りない場合は収入を増やす、支出を減らす、金融資産を増やすといった対処法を考えなくてはいけません。

■老後に向けた資産形成を考えよう

それでは、老後に向けた資産形成にはどのような制度があるのかを考えてみましょう。政府が「貯蓄から資産形成」という言葉を使って啓蒙活動を行っていますが、特にNISA(少額投資非課税制度)つみたてNISAiDeCoは税制優遇が行われる制度です。具体的な活用方法も含めて説明します。

●NISA

・年間120万円の非課税枠がある。
・投資対象は上場株式等、投資信託
・非課税期間は5年間(600万円)
・運用益が非課税になる(売却益、配当金、普通分配金にかかる税金)
・いつでも売却できる

●つみたてNISA

・年間40万円の非課税枠がある
・投資対象は金融庁が承認した投資信託、ETF(上場投資信託)に限られる
・非課税期間は最長20年間(800万円まで)
・運用益が非課税になる(売却益、配当金、普通分配金にかかる税金)
・いつでも売却できる

●iDeCo

・拠出金額は人ぞれぞれ異なる(年間14.4万円〜81.6万円)
・投資対象は定期預金、保険、投資信託
・非課税期間は原則60歳まで
・運用益が非課税になる(売却益、配当金、普通分配金にかかる税金)
・拠出した金額は全額所得控除の対象になる
・原則60歳まで引き出しができない

NISA、つみたてNISA、iDeCoは上記のような違いがあります。NISA、つみたてNISAはリスク許容度の違いはありますが、途中で売却することもできるので、子どもの養育資金、マイホーム購入資金などにあてて、iDeCoを老後に向けてコツコツと積み上げるのが一案だといえるのです。特にiDeCoは始めるのが早ければ早いほど節税効果が増します。

また、積み立てが1カ月でも長ければ、年金資産は増えます。年金が「ダブルインカム」になることは、ライフプランの支えになることでしょう。

■夫婦でiDeCoを活かすとしたら?

それでは夫婦でiDeCoを有効活用する場合、どのようにするとよいのでしょうか。例えば平均寿命、健康寿命をみると、男性より女性のほうが長生きだと言うことがわかります。そのため、下記のように考えるのはいかがでしょうか。

夫:妻よりもリスク許容度を高くして、外国株式や国内株式、外国債券などの投資信託の割合を70%、定期預金を15%、保険を15%にする。年間平均利回りを8%目標にする。

妻:夫よりも長生きする可能性を考え、長く安定的に受け取ることを目標に、投資信託の割合を30%、定期預金30%、保険30%にする。年間平均利回りを、政府が目標としている物価上昇率の2%を上回る3%を目標にする。

夫がリスクを取るなら妻はリスクを抑えるといったようにして、2人のトータルでどうなるかを考えて運用すると良いでしょう。もちろん、iDeCo以外の資産も同様です。夫と妻で一緒に老後の資金を考えたいと本気で思うなら、今の資産状況をある程度伝えて、夫婦の大きなお財布で株式、投資信託、債券、保険、iDeCo、定期預金、円預金などのバランスを考えていきましょう。

パートナーがリスクをとらない運用をしているので大丈夫だと思ってお互いにハイリスクの資産ばかりを持っていると、相場状況が大きく変化した時に夫婦全体の資産が下落することになります。そのタイミングで老後の生活が始まると、もともと考えていた趣味などができない自体も発生するかもしれません。

夫婦のトータル資産を大切にすることを考えて運用を進めていきましょう。

■年に1回はお互いの資産状況をチェックし、iDeCoを運用しよう

このように、老後に向けて税制優遇制度のあるNISA、つみたてNISA、iDeCoを効果的に活用することで夫婦の老後の暮らしにもゆとりが生まれるはずです。iDeCoに2人で入れば税制優遇を受ける機会も2人分です。夫婦のライフプランを考え、iDeCoを有効活用してみませんか。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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