増やす 2018.11.14 「2018年10月から株が買いやすくなった」と言われる理由

初心者が株式投資をためらう理由に「いくらかかるのか分かりにくい」という問題がありました。株価がいくらかは分かっても、1株から買えるのか、100株や1,000株ごとでないと買えないのかが分からず、投資に必要な資金が比較しづらかったのです。

それが2018年10月から、日本の証券取引所に上場企業の株はすべて売買単位が100株に統一されました。売買単位変更によって投資家や株式市場が受けるメリット、株主優待はどうなるのかを確認していきましょう。

■売買単位統一はどのようなメリットがある?

売買単位が100株に統一されるメリットは、銘柄によっては以前よりも少ない資金で買えるようになる点です。

1株500円の銘柄では最低売買単位が1,000株なら1単元を購入するのに最低でも50万円(500円×1,000株)かかります。それが株価はそのままに売買単位が100株になると、最低購入金額は5万円(500円×100株)で済むのです。

副次的効果で注文ミスも少なくなります。銘柄によって売買単位がバラバラだと、発注するときの単位を間違えてしまう可能性がありまりました。今回100株単位に統一されたことで「この銘柄は1,000株単位でないと買えない」というような思い込みがなくなります。

■売買単位の統一で株主優待に変更点はある?

株式投資の楽しみの一つに「株主優待」がありますが、売買単位が統一されることで影響はあるのでしょうか。

多くの企業が売買単位の統一にあわせ、今までの10株を1株として扱う「株式の併合」を行なっています。それに合わせ、株主優待の内容を変更すると決めているところもあります。優待内容がどのように変更されるかは、企業ウェブサイトのIR情報などから確認しておきましょう。

これからの株式購入は、保有する株数にも注意してください。例えば日本ハム株式会社<2282>は2018年3月までは最低売買単位の1,000株を保有していると3,000~4,000円相当の優待品をもらえていました。

しかし、売買単位が100株に変更されることを見越して18年4月に優待内容を変更。最低売買単位100株の保有株主が受けとれる優待品は1,500円相当のものになっています。

■今から投資を始めるにはどうすればいい?

1,000株単位でしか買えなかった銘柄も買いやすくなり「これから株式投資にチャレンジしてみよう」という人もいるはずです。そんな人のために、株式投資の始め方をあらためて確認しておきましょう。

まず株式を購入するには証券会社で口座を開設する必要があります。証券会社には店舗を持つ「対面証券会社」と、店舗を持たずネット上でサービスを完結させる「インターネット証券」の2つに分かれます。基本的な特徴は以下の通りです。

●対面証券

  • 口座開設・売買は店舗、電話、インターネットのいずれかを利用できる
  • 担当者がつき資産運用全般でサポートが手厚いが、手数料が割高の傾向がある
  • 証券会社によっては口座管理費がかかる場合もある
  • 担当者と相談しながら資産運用をしたい人向け

●インターネット証券

  • 手続きをインターネット上で完結できる
  • サポートがコールセンター・チャットのみで行われることが多い
  • 株式の売買委託手数料は割安な傾向
  • 自分で投資先を決めて売買をしたい人向け

それぞれの特徴を捉えて、どちらのタイプの証券会社が自分に向いているか検討しましょう。

■NISAでも投資しやすく

株式の売買単位が100株に統一されたことによって、株式売買の金額が把握しやすくなりました。最低投資金額が下がることで、年間120万円までの投資額が非課税になるNISA(少額投資非課税制度)での投資もしやすくなりそうです。上で紹介した対面証券でもネット証券でもNISA口座は開設できます。

売買単位が統一されて分かりやすくなった株式投資。少しでも興味を持ったなら、まず口座開設のために資料請求をしてみてはいかがでしょうか。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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