学ぶ 2016.09.23 発毛剤・胃薬など年間1.2万円買えば医療費控除に? 新しいセルフメディケーション税制とは

「医療費控除」といえば、確定申告の経験者や税金について詳しい方なら「年間10万円以上」という水準があることは知っているだろう。しかし新しい制度では「年間1万2,000円」以上が対象となる。具体的には「セルフメディケーション税制」といい、名前のとおり自己管理の医療費控除だ。

2017年スタート 限度は8万8,000円

この制度の狙いはおそらく、健康管理をすることで医療機関に受診して医療用医薬品を受け取る機会を減らそうというものだろう。薬局で市販されているOTC医薬品について、その年の総所得金額などから一定額を控除できる。OTCとは、“Over The Counter”の略で、町の薬局等で対面販売で売られる薬だ。

利用できるのは来年2017年から2021年末まで。対象者は、健康の維持増進及び疾病予防として“一定の取組”を行う個人とされている。この“一定の取組”とは、特定健康診査、予防接種、健康診断、健康診査、がん検診などの医師の関与がある検診のことだ。こうした検診をしっかり受けてもらおうという狙いもすけて見える。

自分だけでなく、配偶者や家族の分も対象となる(生計が同じなど条件がある)。スイッチOTC医薬品の購入で支払った合計額が1万2,000円以上、限度は8万8,000円だ。

注意点としては、従来の医療費控除との併用はできず、選択適用となることだろう。

具体例は発毛剤(リアップX5)のほか、アレルギー用薬として、コンタック鼻炎スプレー、アレグラFX、コンタック鼻炎Zなど。またイノセアバランス(胃腸薬)やロキソニン(解熱鎮痛剤)も対象のため、ストレスで頭痛もち、胃薬が手放せない、という人には朗報だろう。このほかにも湿布などかなりの数の医薬品が指定されている。

確定申告はどうすればいいのか

確定申告の際に領収証を添付する必要があることは、従来の医療費控除と同じだ。さらに、その年中に“一定の取組”を行ったことを証明する書類も必要だ。たとえば会社の健康診断を受けたことなどが分かるといいだろう。

具体的に、どのぐらいの節税効果があるのだろうか。厚生労働省の「平成28年度税制改正の参考資料」によると、本特例措置を適用した場合のイメージが記載されている。

課税所得400万円の人が対象医薬品を2万円購入した場合、「対象医薬品2万円−下限額1万2000円=8,000円」となる。所得税は、「8,000円×20%」で1,600円の減税効果があり、住民税は、「8,000円×10%」で800円の減税効果がある。税率は、所得によって異なるためあくまでこれは参考例だ。

今まで、ただの支出でしかなかった発毛剤やアレルギー鼻炎の薬代。この領収書を保管して添付し確定申告をするだけで減税効果が得られる。医薬品を利用することが多い人は対象医薬品リストなどをチェックしておいたほうがいい。

この制度が始まれば、医療機関を受診するほどではない症状であれば、「市販の医薬品で済ませてしまおう」となり、国も医療費支出を抑えられるだろう。しかしだからといって、どんな症状でも自己判断でいいとは限らない。節税を図りながらも、セルフメディケーションという制度の原点を忘れず、自分の体調管理をするきっかけにしてはどうだろうか。

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