学ぶ 2016.11.21 医療費控除、これならOKの意外な線引き

思わぬケガや病気での手術や入院治療は、心身への負担だけでなく家計への負担も大きいものです。医療費そのものを節約することはなかなか難しいですが、医療費控除を受けることで家計へのダメージを最小限にとどめることはできます。

医療費控除の対象となるもの

医療費控除は、その年の1月1日から12月31日に支払った医療費のうち、10万円を超えた分について確定申告をすることで税金控除の対象となる制度です。医療費すべてではなく、対象外となる場合もあります。

医療費控除の対象となるものでよく知られているものには、病院や歯科医院での治療費、診察費、処方された薬代、妊婦検診、通院にかかったバスやタクシーの交通費などでしょうか。しかし、「医者にかかっていないけれど、自己負担で買ったもの」で医療費控除の対象となるものがあるのを意外と知らない人も多いでしょう。ぜひチェックしておきたいのは、医療費控除の対象となる次のようなケースです。

<医療費控除の対象となる例>

  • 風邪を引き、コンビニで買った風邪薬
  • 花粉症の鼻水がつらくて買った医薬品
  • 包丁で指を切ったときに買った絆創膏
  • レーシック手術
  • 海外旅行中、現地で支払った医療費

また大人の場合は医療費控除の対象外であっても、子どもの場合は「発達を阻害しないために必要な治療」として対象となるものもあります。

  • 子どもが遠視で弱視にならないようにかけるメガネ
  • 子どもの歯列矯正

一般的には、近視のためにメガネやコンタクトレンズは、生活の不便を解消するためのものと判断されて対象外となります。交通事故やケガによって咀嚼に障害が出たときの歯列矯正やインプラントは大人も対象となります。

医療費控除の対象とならないもの

医療費控除の対象にならないものは、美容目的や病気予防、疲労回復のためにかかった費用などが当てはまります。

<医療費控除の対象と“ならない”例>

  • 婚活に備えて二重まぶたにする美容整形
  • 就活を控えて行った歯列矯正
  • 人間ドック
  • インフルエンザの予防接種
  • 疲れをとるために薬局で買ったビタミン剤
  • 乗り物酔いなどの酔い止め薬
  • 冷え性のための使い捨てカイロ
  • 花粉症予防のためのマスク

その他、注意が必要なもの

通院のための交通手段にはいくつか注意しておきたいケースがあります。

<医療費控除の対象となるか気をつけたい例>

  • 急を要する病状や公共交通機関を利用できない理由がある場合のタクシー代 ⇒対象
  • 自家用車のガソリン代 ⇒対象外
  • 小さな子どもの通院に付き添う家族の交通費 ⇒対象
  • 入院している子どもに付き添うための家族の交通費 ⇒対象外

入院中に家政婦さんに世話をお願いした場合も、対象になるものとならないものがあります。

  • 入院している妻の病院内での世話 ⇒対象
  • 切迫早産で入院している間の上の子どもの世話 ⇒対象外

本人だけの医療費では10万円に満たなくても、同居している家族の分を合わせて10万円を超えれば医療費控除を受けることができます。例えば、地方に住んでいる母親や一人暮らしで大学に通っている兄弟姉妹でも、「生計を一にしている」と判断できるケースであれば医療費控除を一緒に受けることができます。

領収書やレシートは忘れず保管

いろいろと条件をみましたが、もっとも大事なものは領収書やレシートです。確定申告のときに必要となりますし、控除の対象になるかどうか分からないときに問い合わせるのにも便利ですので必ず保管しておきましょう。

バスや電車などの公共交通機関を使った場合はレシートをもらえませんが、日付、経路、料金をメモしたものやICカードの履歴のプリントアウトで大丈夫です。

万が一、領収書をなくしてしまっても、支払いの年月日、金額、支払先が明確に記録されていれば認められることもあります。もしものときのために、手帳や家計簿に明細を記入しておくとよいでしょう。

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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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