学ぶ 2016.12.02 会社員も経費が認められる!? 特定支出控除とは

「スーツ代が経費になる」、「スーツで節税」と数年前に話題になった制度を知っていますか? 仕事に必要なものであれば自腹で買ったものも経費として認められ、税金の控除対象にできるのが「特定支出控除」という制度です。

2012年の税制改正で一気に知名度を上げ、その後、2014年に変更が加えられサラリーマンにとって使いやすさがぐんとアップしました。2012年度分で特定支出控除を利用した人が6名なのに対し、翌年の2013年度分で1,600名、2014年度分は2,000名に急増したことからも明らかです。

特定支出控除とは

特定支出控除とは、会社員など給与所得のある人が「仕事をするのに必要」と認められた出費のうち、給与所得控除を超えた額の2分の1(最高125万円)を超えると、その分については確定申告をすれば税金控除の対象となる制度です。

一例を挙げてみましょう。年収が600万円で特定支出が100万円あるサラリーマンを想定すると、給与所得控除は一覧をもとに600万円×20%+54万円=174万円と算出できます。この2分の1となる87万円を特定支出の100万円から引いた、13万円が控除できます。

【給与所得控除の一覧】 1年間の給与収入:適用基準の金額

  • 180万円以下:収入×40% ※65万円未満なら65万円
  • 180万円超360万円以下:収入×30%+18万円
  • 360万円超660万円以下:収入×20%+54万円
  • 660万円超1,000万円以下:収入×10%+120万円
  • 1,000万円超1,500万円以下:収入×5%+170万円
  • 1,500万円超:245万円(上限)

特定支出控除の具体例

特定支出控除の対象となるのは以下のものです。

  1. 通勤費:通勤のために必要な交通費
  2. 転居費:異動などで転任を命じられたときの引越し代
  3. 研修費:資格取得以外に仕事で直接必要な知識やスキルを身につけるための支出
  4. 資格取得費:仕事に必要な資格取得(弁護士や会計士を含む)のための支出
  5. 帰宅旅費:単身赴任をしている人が勤務地から自宅へ帰宅するまでの交通費
  6. 勤務必要経費:仕事に必要な本、スーツや作業着などの衣服、接待費

ただし、当然ですが会社が費用を負担しているものは除外されます。

(1)から(3)と(5)については制定時から、(4)と(6)については2014年の改正で追加されました。一気に利用者が増えたのは、資格取得費と勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費)も対象となり控除の範囲が広がったことが背景にあります。

特定支出控除を受けるには

特定支出控除を受けるためには、確定申告をする必要があります。確定申告書に適用を受ける旨の記載と、特定支出にあたる支出の合計金額を記入して、会社が発行する「その支出が仕事に直接必要であるという証明書」を添えて提出しなければなりません。

また、特定支出としてカウントされないものも細かく設定されているので注意しましょう。

  • 通勤費にグリーン車両などの料金や飛行機代は認められない
  • 回数乗車券の購入は、購入したときの一括購入金額を控除することは認められず、実際に回数乗車券を使用したときに、その都度、対応させた金額が対象となる
  • 資格取得費として、2年課程のスクールに一括で納めた費用は、1年ごとの費用が控除対象となる
  • 帰宅旅費は1カ月に4往復まで

特定支出控除は、何でもかんでも領収書さえとっておけば経費として認められるわけではありません。控除対象となるものには細かい条件があり、かつ、認められるかどうかは会社次第。しかし、交通費支給なしで勤務する派遣社員の交通費、自社ブランドの服を着る必要のあるアパレル会社勤務の社員の衣服費、交通費支給の上限額を超える距離を通勤しているため自腹を切って負担している差額の交通費――これらは、特定支出控除として認められる可能性があるので、上司や経理担当者などに確認してみましょう。

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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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