学ぶ 2017.01.03 30代からできる相続税の節税テクニック

いつの日か必ずやってくる親の遺産相続。遺産をめぐる争いなど他人事だと思われがちですが、実際に家庭裁判所に持ち込まれたトラブルは、1985年~2013年の28年間で約2.4倍にも増えているのだとか。しかも、そのうちの74%は遺産額が1,000万円以下の家庭で起きたトラブルとのこと、決して資産家だけの問題ではないことが浮き彫りになっています(2013年度司法統計より)。ぜひ一度、遺産相続の基本知識を確認しておきましょう。

そもそも遺産を相続できるのは誰?

たとえば、ある男性(被相続人)が遺言書を書かずに亡くなった場合、遺産を受け取ることができる「法定相続人」は、まず妻になります。子がいる場合は、妻と子、子がすでに死亡している場合は、妻と孫、子や孫がいない場合は、妻と直系尊属(父母、祖父母)が相続します。子、孫、父母、祖父母のいずれも存在しない場合は、妻と兄弟姉妹が相続することになります。相続額の割合も、相続する人によって変わってきます。

相続税とは、どれくらいかかるもの?

相続税は2015年1月に実施された税制改革によって大幅にアップしました。その結果、現在の基礎控除額は「3,000万円+法定相続人1人につき600万円」となっています。

たとえば、法定相続人が妻と2人の子だった場合、基礎控除額は「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」となり、4,800万円を越えた分から相続税がかかってきます。税率は遺産額によって違います。また、妻には「配偶者の税額軽減」によって相続税が発生しないケースが多々あるので、国税庁のHPなどで確認することをおすすめします。

シミュレーションしてみましょう。
遺産総額は1億5,000万円、相続人は妻と長男、長女の3人とします。

まず、課税遺産総額を出します。
1億5,000万円−4,800万円(基礎控除額)=1億200万円

この金額から3人それぞれの相続税額を出し、相続税総額を求めます。
妻 1/2→5,100万円×0.3%(税率)−700万円(控除額)=830万
長男 1/4→2,550万×0.15%(税率)−50万円(控除額)=332万5,000円
長女 1/4→2,550万×0.15%(税率)−50万円(控除額)=332万5,000円
→相続税総額:1,495万円

この金額を実際に相続する割合で案分します。
妻 1/2→747万5,000円→「配偶者の税率軽減」により0円
長男 1/4→373万7,500円
長女 1/4→373万7,500円
納付税額合計は、747万5,000円となります。

相続税を減額させるTips その1「暦年贈与」

相続税を減らす方法として一般的な「生前贈与」。生前贈与には2種類あり、1つは年110万円までの贈与は無課税であることを利用した「暦年贈与」です。生きている間に少しずつ贈与することで遺産総額が減るので、そこにかかる相続税も減るしくみです。たとえば、Aさんが毎年110万円ずつ10年間にわたって、妻と2人の子どもに贈与し続けた場合、合計で3,300万円までを無税で贈与できます。

ただし、Aさんが子ども名義の通帳を作って入金していることを、生前に本人に打ち明けていなかった場合、税務署から「贈与」ではなくAさん自身の「名義預金」だと見なされ、相続税が発生する可能性があります。親子間であっても、必ず贈与契約書を残しておかなければなりません。

相続税を減額させるTips その2「相続時精算課税制度」

生前贈与のもう1つの形が「相続時精算課税制度」です。こちらは、65歳以上の親から20歳以上の子への贈与であれば、2,500万円までが無課税になるというもの。贈与された財産は、被相続人が亡くなった時点で相続財産と合算されて、相続税の対象となります。つまり、非課税なのは贈与のときだけで、相続時には課税されるのです。

メリットは、この財産が土地などの場合、相続発生時に値上がりしていれば、値上がり分の課税を免れることができるということです。逆に、財産が値下がった場合は不利になってしまうので要注意です。

親が元気なうちに話し合いを

他にも、相続税を節税するために利用できる制度はいくつかあります。気になる方は、早めに専門家に相談しておきましょう。親の遺産を資産運用して……という予定が水泡に帰した上に思わぬ税金がのしかかってくることも、生まれ育った実家で“争族”が起きてしまうことも、誰の幸せにもつながりませんね。親が元気なうちに話し合うことが一番です。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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