学ぶ 2017.01.06 住宅ローン、変動と固定どっちを選ぶべき?
数千万円を30~35年にわたって返済する。それが住宅ローンです。たとえわずかな金利差であっても、これだけの長期返済では総返済額に大きな差が出ます。変動と固定、金利タイプの傾向と対策を学び、自分にとってベストな借り方を考えてみてください。
■変動金利・固定金利の違いとは
◎変動金利型
経済状況の変化に伴い、返済途中で随時金利が変わっていくタイプ。適用金利が見直されるのは年2回。4月と10月に改定されるのが一般的です。ただ、返済額は5年ごとに見直されるタイプが主流で、金利の変化が支払い額に影響するにはしばらくのタイムラグがあります。金利が上がると利息の割合が増えて元本が減りにくくなり、金利が下がると総返済額が少なくなります。
[向いている人]
- 借入金が少なく、手元の資金に余裕がある人
- 共働き、収入が安定しているなど、家計に余裕がある人
- 会社の業績が景況に左右される職業についている人
資金に余裕があったり借入金が少なかったりする場合、金利が多少上がっても返済できる変動がおすすめ。景況と業績が連動する仕事も金利上昇に対応しやすいと言えます。
◎固定金利型
払い始めからローンを完済するまで、金利が固定されるタイプ。景況や金利の変化によって返済額が変わることなく、計画的な返済が可能になります。
[向いている人]
- 家計の負担が大きめの人
- これから教育資金などで家計の負担が増えそうな人
- 将来、転職や起業などを考えている人
変動金利型だと家計に余裕がない場合、金利が上昇して返済額がアップすると対応しきれなくなる可能性があります。それに対して固定金利型なら、これから教育費などの出費が想定される場合も、返済額が計算できます。また、転職、起業などの不確定要素を抱えている場合も、金利変動リスクを抱えるより固定を選択する方が無難でしょう。
■先行き不透明な時代に金利を選択するには
もう1つ、1年・3年・5年・10年・20年といった一定期間の金利を固定できる固定金利選択型というタイプもあります。10年固定ローンは変動金利型に迫るほどの低金利で、直近に出産・育児・子どもの進学といったライフイベントを控えた方におすすめ。これは、家計が不安定な期間を固定で安定して乗り切り、以後を変動金利で返済するパターンです。軌道に乗ったらリスクを背負えるという目処があれば選択してみても良いでしょう。
マイナス金利が導入され、住宅ローンも低金利水準が続いている現在。全体的には変動金利型を選択する人が増えています。金利が下がると利息が少なくなり、総返済額も少なくなるからです。
低金利時代が今後も続くかどうかは分かりませんが、勤務先などの属性、支払い能力やライフプランに応じてベストな金利タイプも変わっていくもの。精査すべきは新規に借りる人だけではありません。借り換えの場合でも、金利が最重要ファクターになります。ここでは、一般的な目安としてそれぞれの金利タイプに向いている人を紹介しましたが、家族構成や借り入れ金額、返済年数などの細かな条件によって変わってきます。気になる人は、一度ファイナンシャルプランナーに相談してみることをおすすめします。
TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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