学ぶ 2017.01.25 タワーマンションの固定資産税上昇の理由。「20階」がボーダーライン?

現在、政府・与党によって高層マンション、いわゆるタワーマンションの固定資産税の見直しが検討されています。端的に言うと、高層階が増税になり、低層階は減税となる予定です。なぜそのようなことが検討されているのでしょうか。その理由を、固定資産税のしくみとともに解説します。

現行のマンションにおける固定資産税のしくみ

固定資産税とは、ひと言でいえば、土地や家屋などの不動産に対して課せられる地方税のこと。毎年、1月1日時点で不動産を所有している人(固定資産税課税台帳に登録されている人)に納税義務が発生します。マンションの場合は、持ち分比率に応じて支払うことになります。あくまで所有者に対して課せられる税金であるため、賃貸物件に住んでいる場合、支払う必要はありません。

固定資産税の税率は市町村によって異なります。標準税率は1.4%と定められていますが、財政難などの場合、地域によっては多少引き上げられることもあります。税率が1.4%の場合、計算式は以下のようになります。

 固定資産税=固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)

固定資産税評価額とは、固定資産税を決定するための基準となる評価額のこと。土地の固定資産税評価額は、地価公示価格や売買事例などを基にした路線価に基づき、土地の状況も踏まえて算定。また、家屋の固定資産税評価額は、建物の構造や設備などによって設定された評価額に基づいて算定されます。土地、家屋とも3年ごとに見直されることになっています。

マンション等の区分所有者の場合、この固定資産税評価額は、マンション1棟の評価額を住戸ごとの専有面積で割って計算することになります。問題なのは、この際、階層による差はなく、同じ面積ならば、たとえば最上階と1階であっても同じ評価額となり、固定資産税や相続税も原則、同額になるということ。

しかし、実際には、眺望のいい高層階ほど取引価格が高くなることが普通です。つまり、高層階の住戸は、実際の取引価格が高いわりに税金が安いことになり、富裕層の間では節税策として購入する動きが広がっていました。

40階建てマンションであれば最大10%の差に

こうした不公平感を解消するため、総務省では、高層マンションに課す固定資産税の見直しを検討しているのです。現在、与党の税制調査会で議論が進み、2016年末にまとめられる2017年度の税制改正大綱に盛り込まれる方針です。その概要は、下記のようなものになりそうです。

  • 現在は、床面積が同じなら何階であっても税額に違いはないが、1階上がるごとに税額が増えるようにする。40階建てのマンションなら最上階は1階より10%程度高くする。
  • 既存の高層マンションは見直しの対象外で、2018年以降に引き渡される20階建て以上の新築物件が新たな課税方式の対象となる。
  • 中間の階より下の階は、今よりも税額を安くするため、マンション1棟としての固定資産税額は今の制度と変わらない。

これにより、たとえば、現行制度において各戸の固定資産税額が年20万円になる40階建てマンションの場合、新たなしくみでは、1階が約19万円。階が上がるごとに税額が増えていき、最上階の40階では21万円になります。高層マンションの購入を検討している人は、ぜひ頭に入れておきましょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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