学ぶ 2017.03.09 ビットコイン、購入するための3つのステップ
仮想通貨は、今や世界に600以上もの種類があると言われています。なかでも「ビットコイン」は新聞やニュースでよく取り上げられ、その知名度は抜群です。今回は、ビットコインの入手方法や、実際の使われ方を詳しくお伝えします。
■まずは、ビットコインを入手しよう
ビットコインを手に入れるには、2つの方法があります。
1つは「マイニング(採掘)」と呼ばれる方法で、専用のプログラムを使ってビットコインを当てる方法です。かつては個人のPCでもマイニングすることができましたが、現在は、専用の機器を使って何百億円と投資しなければ、ほぼ当てることはできなくなっています。
そこで現在、私たちがビットコインを手軽に入手するには、仮想通貨を扱う「取引所」を自分で選び、そこで専用の電子財布「ウォレット」を用意して購入する2つ目の方法が一般的です。
■購入するための3ステップ
ビットコインを購入するためには、以下の3つのステップが必要となります。
- 仮想通貨を扱う取引所を決める
- 専用の電子財布「ウォレット」を用意
- ビットコインを購入
それぞれ具体的に見ていきましょう。
1. 仮想通貨を扱う取引所を決める
ビットコインは取引所や販売所とよばれるところで購入できます。取引所では、為替市場のように売り手と買い手が取引し、販売所は運営者がビットコインを販売しています。
主なビットコイン取引所には、次のようなところがあります。
売買手数料は無料の取引所が多く、本人確認ができると取引額の0.01%をもらえるなどのサービスを展開している取引所もあります。また、bitFlyerは、ネット通販での買い物額に応じて一定割合のビットコインをキャッシュバックしています。
2. 専用の電子財布「ウォレット」を用意
ビットコインは取引所に預けておくこともできますが、「ウォレット」と呼ばれる専用の電子財布に入れて保管することもできます。
ビットコインの保管は取引所においてもウォレットでもできるのですが、その安全性は一長一短です。取引所にビットコインを保管しておけば、自分の不注意でビットコインを紛失することはないものの、取引所がハッキングされたり、取引所の倒産リスクがあります。
ウォレットでの管理は、スマホアプリを使えば携帯性にもすぐれ手軽で便利な方法です。ただし、スマホを紛失し、さらにバックアップコード(プライベートキー)も忘れてしまった場合、ビットコインは戻らないので注意が必要です。
また、ウォレットの種類はさまざまで、メリット・デメリットがあります。
種類 | 特徴 |
デスクトップウォレット | 自分のPCにインストールして使うウォレットで、少額での普段使いに適しています。オフラインで使うなら、長期的な多額の取引にも向いています。セキュリティーは非常に優れていますが、インストールと設定に手間がかかります。 |
ウェブウォレット | 普段使う少額のビットコインを保管するのに便利です。口座開設や設定が簡単で、PCとスマホのどちらからもアクセスできて使いやすいのがメリット。一方、セキュリティーは管理者に任せることになり、自分では対策をとれないので、信用あるサイトを選ぶことが大切になります。 |
モバイルウォレット | 携帯性の高さから、ビットコインの普段使いに適しています。スマホアプリは操作性のよいモノが多く、スマートフォンのカメラでQRコードが読み込めるため、店舗での支払いに使うと便利です。 |
ペーパーウォレット | モバイルウォレットと同じく、携帯性が高いので少額のビットコインを保管するときに便利なウォレットです。紙なので紛失のリスクはありますが、長期の保管にも適していて、ハッキングされる心配はありません。 |
ハードウェアウォレット | 専用のハードウェアに保管するタイプです。オフラインで保存でき、セキュリティーも高いので、長期にわたって多額のビットコインを保管するのに適しています。 |
ウォレットを用意するには、以下が必要です。
- メールアドレス(SNSアカウントでOKというところも)
- 自分で設定するパスワード
- 電話番号(SMS認証)、免許証、パスワードなど本人確認のできるもの
ビットコインの取引がどのようなものかを知るため、入金だけして取引を行わなければ、メールアドレスまたはSNSアカウントで口座をすぐに開設することができます。取引を行うためにビットコインを購入する際は、本人確認のできる免許証のような各種証明書の提示が必要となります。
3. ビットコインを購入
ビットコインの通貨単位は「1BTC」で、1BTCあたり13万5,000円前後(2017年3月9日15時時点)で取引されています。0.1BTC、0.01BTCといった単位での売買も可能です。
最小通貨単位は、”サトシ・ナカモト(中本哲史)”と称するビットコイン発明者の名前が由来の「1Satoshi」で、1BTCの1億分の1にあたります。ただし実際には、546Satoshi以下はdustと呼ばれて購入が承認されません。
ビットコインを購入するには、銀行振込やクレジットカード決済を利用します。最近、コンビニ決済やペイジー決済を採用する取引所も出てきて、今後ますます購入の利便性は高まっていくと考えられます。はじめてビットコインを購入するのであれば、bitFlyerが取引量も多く、アカウント作成をするのにFacebookやYahoo! IDなどのSNSを使えるので簡単に始められます。
■ビットコインを使ってみる
実際にビットコインを使うシーンを4つピックアップしてみました。
1. 実店舗で使う
・赤身焼肉にくがとう(東京都中央区)
2015年からビットコインでの支払いを導入している焼肉店です。会計の際、お店側がiPadなどのタブレット端末でアプリを立ち上げて請求金額のQRコードを表示させます。お客さんは、そのQRコードをスマホアプリで読み取り、画面で承認するとビットコインで支払うことができるのです。
2. ネット通販の決済
・DMM.com
レンタル、通販、動画配信、オンラインゲームなどの支払いにビットコインを使うことができます。
・Touch mall
商品購入の支払いにビットコインを使うことができます。
実店舗とネット通販でのビットコイン利用には、お店側にもメリットがなくては導入する意味がありません。通常、クレジットカード決済の場合はお店が支払う手数料は2~8%ですが、ビットコインでは1%ほどで済みます。また、入金までに1カ月ほどかかるクレジットカード決済に対して、ビットコインだと翌日には入金されるため、お店側としてもメリットは大きいのです。
3. 海外送金に使う
海外送金は、銀行を通して行うと手数料に数千円も取られ、決済されるまでに通常であれば数日、新興国では2週間近くかかることもあります。その点、ビットコインであれば手数料は数円程度で済み、送金にかかる時間はわずか約10分です。
4. その他
・Coincheckでんき
2016年11月に始まったサービスで、電気代をビットコインで支払うことができる「ビットコイン決済」と、電気料金の4~6%がビットコインでもらえる「ビットコイン付与」の2種類が用意されています。
各取引所では、ビットコインを使った信用取引も積極的に手がけています。最大レバレッジが25倍というところもあり、金融サービスの新しい動きとしても注目されています。
ビットコインの取引所や使える場所が増えていますが、まだまだ利用者の実数は多くないのが現状です。2016年、改正資金決済法(仮想通貨法)が成立し、2017年7月にはビットコインを購入するときに消費税が課税されなくなります。
■ビットコインの普及と注意点
このようにビットコインが通貨と同じ扱いになると、利用率は爆発的に伸びると考えられていて、利用可能な店舗も今後、加速度的に増えていくことは間違いないでしょう。
また、ビットコインは需給に応じて価格が激しく変動する点をきちんと理解しておくことが重要です。2016年末から年明けにかけてビットコインの価格は一時高騰し、直後に暴落したことがありました。この時のビットコインの利用者はほとんどが中国人で、中国当局の介入が原因だと言われていますが、今後も似たような事態は起こり得ると予想されます。
成長段階にあるビットコインは、多くの課題を抱えているものの、利用シーンが無限に広がる可能性は十分に備えています。ビットコインの特徴を理解して、無理のない範囲で最大限にそのメリットを活用したいものです。
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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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