学ぶ 2017.03.30 増え続ける高齢出産、知っておきたい家計のこと

女性の社会進出で晩婚化が進む中、高齢出産といわれる35歳以上での出産も珍しいことではなくなってきました。

厚生労働省の「平成27年(2015)人口動態統計」によると、出産総数に対する35歳以上で出産した人の割合は28%。2000年は約12%、2008年は約21%だったので、データからも年々増加していることがわかります。今の時代、実に3~4人に1人の女性が高齢出産をしているということになり、この割合は今後も増え続けることが予想されます。

高齢出産のリスクというと、母体や胎児への影響を思い浮かべますが、実はマネープランやライフプランを考えるうえでも、見逃せない大きなリスクが存在します。ここでは、高齢出産ファミリーが陥りがちな家計のリスクについて考えてみたいと思います。

リスク1 教育費のピークと老後資金の準備期間が重なる

高齢出産ファミリーの家計で一番の問題は、子どもの教育費のピークと夫婦の老後資金の準備期間が重なることです。まず高齢出産ファミリーのマネープランを考える際に重要になるのは、末子が生まれた時点での夫婦の年齢ということを押さえておきましょう。

高齢出産のマネープラン

上記の<表1>のように、20代で末子を出産した夫婦の場合、50歳前後には子どもが大学を卒業して教育費の負担が終了します。60~65歳で定年退職したとすると、教育費の負担が終了した後の10~15年を老後資金の準備期間に充てることができます。

一方、<表2>のように40歳前後で末子を出産した夫婦の場合、定年までの残りの20数年で子どもの教育費やマイホーム資金などを捻出しなければならないのはもちろん、同時進行で夫婦の老後資金の準備も必要になってきます。仮に60歳で定年退職した場合、定年時点で子どもがまだ大学に通っていて教育費負担が残っているという可能性も。さらに住宅ローンの支払いまで残っていたら、夫婦の老後資金の準備などはとてもじゃないけど無理……。最近のニュースなどでも耳にする「下流老人」や「老後破たん」の当事者に、自分たちが陥ってしまう危険があり得るというわけです。

上記の比較は、夫婦の年齢がほぼ同世代の場合の例ですが、夫が妻より年上の年の差婚で、子どもができてからの収入を夫のみに頼っているファミリーの場合、末子誕生から夫の定年までの期間がさらに短くなり、家計がより苦しくなることが予想されます。

リスク2 生活レベルを下げにくく、子どもにお金をかけすぎる傾向あり

共に長めの独身生活を謳歌してきた晩婚型の夫婦や、結婚してからの共働き期間が長く、高齢出産をすることになった晩産型の夫婦など、自分で自由に使えるお金が多かった夫婦は、子どもができてからも生活レベルを下げにくいという特徴があります。

出産を機に妻が仕事を辞めて夫の収入だけになったのに、支出額が共働き時代とあまり変わらず、それまでの貯蓄をくずしてしまうということはよくあるようです。また、夫婦で財布を別にしていて、お互いの支出額や貯蓄額を把握できていない……なんてケースも今どきは珍しくないので、気をつける必要があるでしょう。

さらに、キャリアを優先して仕事を頑張ってきた結果、高齢出産となったママには高学歴な人も多くいます。上質なものや最良のものを見極める目が養われた今どきのアラフォー・ママは、育児や教育にお金をかけすぎる傾向も。特に一人っ子の場合は、高齢になってやっとできた待望の我が子のために、すべての情熱やお金を注ぎがちになり、財布のひもが緩みやすくなるので要注意です。

今後のライフプランを考えてみよう

最近は著名人のなかにも高齢出産を経験する人が多く、そうした人たちのキラキラ輝いている姿を見ると、「今は晩婚化や晩産化が進んでいるから、まだ焦らなくても大丈夫」なんて考えてしまうかもしれません。

しかし、高齢出産ファミリーには大きな家計のリスクがあることも事実です。30歳を超えたら、結婚している夫婦はもちろん、独身の場合でも、一度今後のライフプランを真剣に考えてみましょう。

結婚は?出産は?子どもの数は?子どもができたら仕事はどうする?仕事を続けるなら何歳まで働く?老後はどんな生活がしたい?など、今後の人生設計を思い描くことで、今の自分が優先すべきこと、決断すべきこと、そして貯蓄の重要性などが見えてくるはずです。

マネチエでは身近なお金の話題をお届けしています
この記事を気に入っていただけたらフォローをお願いします!

ページトップ