学ぶ 2017.04.03 ダウ平均と日経平均 私たちの身近にも影響していることとは?

「NYダウ(ニューヨークダウ)」「ダウ平均」という言葉を、ニュースではよく耳にする人も多いのではないでしょうか。アメリカの株式関連の用語と言われても、いまいちピンとこないという人もいるかもしれません。今回は、この「NYダウ」がどのように日本経済や私たちの生活に影響を及ぼすかを解説します。

NYダウの概要

米国株式市場で指標とされる、いわゆるインデックス(指数)が「NYダウ」と呼ばれるものです。NYダウは、アメリカの経済関連の出版社・通信社であるダウ・ジョーンズ社が指標として基準を設定していて、基本的にはその時代の代表的な企業30社の株価を基に構成しています。時代の移り変わりで入れ替えがありますが、その30社のなかには2017年現在、アップル、マイクロソフト、コカ・コーラ、ナイキ、マクドナルドなどの企業が含まれています。

30社の株価の合計を単純平均し、さらに複雑な計算によって平均値を導き出した指数を、「NYダウ(ダウ平均株価)」として公表しています。

NYダウと日経平均の関係

NYダウがアメリカの株価指数の代表であるのに対し、日本では「日経平均」がそれにあたります。一見、日本とアメリカの株価指数はあまり関係のない印象を持ちますが、特にグローバル化が進むにつれて、相関性が深くなっているといわれています。

アメリカNYにあるニューヨーク証券取引所は現地時間の朝9時30分に開場し、午後4時に閉場します。日本時間でいうと午後11時30分から午前6時の間です。つまり、東京証券取引所が開く前に、ニューヨークではその日の株取引が終了します。この時間の関係もあり、日本の株式市場および日経平均はアメリカ市場の影響を受けることが多々あります。

アメリカで株価を下げる可能性のあるあまりよくないニュース「悪材料」が出れば、市場が悲観的になるため日経平均も下がり、株価を上げるいいニュース「好材料」が出れば楽観的になり、上がるという具合です。

あくまでも相関性があるというだけで、絶対に影響するというわけではありません。しかし、日本の株式市場は2008年にアメリカで起きたリーマンショックの影響で暴落しました。長い目で見ても、NYダウが及ぼす影響はあると考えられるでしょう。

日本における生活への影響

では、NYダウは株価以外に、私たちの生活にどのような影響をもたらすのでしょうか。

1つは、為替とそれに波及して周りに与える影響です。NYダウはアメリカ経済の指標なので、上昇すればそれだけアメリカ経済が好景気という見方ができます。つまり、アメリカ市場で株の取引量が増えて、ドルに対する需要が増え、相対的に価値が高まります。いわゆる「円安ドル高」です。反対にNYダウが下がれば、ドルの需要が減るので、「円高ドル安」になる傾向があります。

身近なところでの影響を挙げれば、物価です。アメリカ経済が好景気に突入してドル高(=NYダウの上昇)につながれば、石油や食品などの輸入品の物価は高くなってしまいます。

投資を行っている人の多くは、日本市場にも影響が及ぶNYダウのチェックを日課としています。定期的にチェックをしていると、世界情勢から今後の投資のヒントが見つかるかもしれません。これを機に、習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:WHYFRAME/Shutterstock.com

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