学ぶ 2017.05.10 「マンション」と「戸建て」買うならどっちがお得?

自宅の購入は、一生の中でも大きな買い物となります。そのため、マイホーム選びの際に、「マンション」と「戸建て」のどちらにするか、悩む方は多いのではないでしょうか。今回は、そのような人たちのためにマンションと戸建てを比較しながらメリット・デメリットを紹介します。

■マンションと戸建ての一般的な比較

マンションと戸建てでは、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。金額面と住みやすさの面で比較してみましょう。

◎マンション

マンションのメリットは、戸建てに比べて購入しやすい点です。間取りや立地にもよりますが、同じ立地条件だと、一軒家と比べて物件価格が安く抑えられているため、比較的ローンの負担が軽く済むことが多いでしょう。

毎月の管理費や駐車代などはありますが、修繕や建て替えなどの際には、基本的にマンションの管理組合などの積立金から費用を工面しますので、いきなりまとまった金額が必要になることは考えにくいです。

デメリットは土地の所有面積が少なく、建物の所有権が分割されている点です。共用部のリノベーションや建て替えはハードルが高く、他の住民の同意も必要になります。また、周囲の住人に配慮して生活しなければならず、騒音問題など住民同士の問題が発生しやすい環境ともいえます。

◎戸建て

戸建てのメリットは完全なプライベート空間を確保できて、周りにもある程度気を使わずに生活できるという点です。特に小さい子どもがいる家族の場合は、のびのびとした生活環境を確保できるのではないでしょうか。

土地と建物の両方を所有している場合、リフォームや建て替えもしやすく、土地活用も柔軟に行うことができます。たとえば子育てが一段落した世帯であれば、賃貸に出して利便性の高い場所に引っ越すなども可能です。

デメリットは、購入時にかかる費用が高くなりがちなことです。マンションに比べると火災保険が50万円前後高くなるため、その分ローンが増えて、返済が長期化しやすいといえます。その他、維持費も計算に入れなければいけません。災害などのリスクを考慮すると大きな不安もあるでしょう。

【維持費】
補修内容交換の目安費用の例
外壁の塗装10~15年100万円
屋根の修繕10~20年200万円
シロアリ駆除5年20万円
クロスの張り替え7~10年20万円

■費用はどうなる?

購入費用の違いについて、5,000万円のマンションと戸建てを購入した場合で比較してみましょう。

住宅ローンの金利に関しては、今回は購入金額が同じなので差はありません。金利3%で30年ローンを組むと、月々21万円程度の支払いになります。しかし、40年から50年程度住むとなると、最低1回のリノベーションや建て替えが必要になるので、その費用も考えなくてはいけません。

マンションであれば、管理費と修繕費は毎月2万円程度で済みます。これを40年積み立てると、960万円になります。戸建てであれば、リノベーション費用を購入金額の30%程度で見積もると1,500万円となります。

上記のように、建物の修繕費は戸建ての方が540万円ほど高めになる場合もありますので、計画性を持って積み立てておく必要があるでしょう。

■意外と忘れがちな固定資産税

マイホームを購入すると、所有している土地や家屋に対して固定資産税と都市計画税が課せられます。税額は「課税標準額×税率」で求められ、市町村に納税する仕組みです。固定資産は3年に一度、評価替えが行われ、適正な時価で課税標準額を再計算しています。

マンションと戸建ての固定資産税額を比較してみましょう。ポイントは建物の減価償却(年月の経過とともに劣化していく金額を耐用年数で計算し、資産価値を徐々に下げること)のスピードです。鉄筋コンクリート造マンションは耐用年数が47年、木造戸建ては22年に設定されています。耐用年数が長いほど毎年の減価償却費は少なくなるため、結果的に固定資産税が高くなります。つまり、戸建てであればマンションの2倍以上の速さで資産価値が低下しますので、納税額がトータルで安くなります。

■長期的な視点で選んでリスクを回避

マンションや戸建ての物件購入はどちらがよくて、どちらが悪いということはありませんが、やはり大きな買い物のため、よく考えて選ぶ必要があります。

自分にとって何が重要なのかを吟味したうえで、自然災害など想定外の事態になったときでも対応できるよう、資金には余裕をもって購入をするとよいでしょう。そして、いざというときに「売却できそうな物件」を選んでおくことで、資産の売却という選択肢も残せます。

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