学ぶ 2017.05.26 太陽光発電の買い取り価格、4月からどう変わった? 固定価格買取制度とは

都市ガス・電力自由化などの流れを受けて、生活の中でエネルギー消費の選択肢が増えています。そのなかでもソーラー電池などの発達を背景にした、太陽光発電の人気が高まっています。家庭で発電した電力のうち、余った分を買い取ってもらえる固定価格買取制度もその背景にあります。この制度が2017年の4月に変更されたことで、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。

再生可能エネルギーが求められるようになった背景

日本はエネルギー供給の多くを海外からの輸入に頼らざるを得ないのが現状です。しかし、太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱などさまざまな再生可能エネルギーを活用する技術が発達し、安定的に電力を生み出すことができるようになったことで、日本のエネルギー供給は転換期を迎えようとしています。再生可能エネルギーは環境への負担が少ないことから、その普及が望まれています。再生可能エネルギーが普及することによって、国内のエネルギー自給率が高まることも期待されています。

買取価格の経緯と将来の見通し

再生可能エネルギーは、自国で調達できるだけでなく環境にもよいというメリットがあります。そのため、一般家庭に太陽光発電が普及することは、政府にとっても望ましいことであるといえます。一方で、一般家庭で太陽光発電を導入するためには、一定のコストがかかるという課題があります。

政府は2030年までに太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱などの自然エネルギーによる電力供給を目指しており、全体の約22〜25%をこれらのエネルギーで賄うことを目標として掲げています。そのために、電力会社、その他電力事業者から自然エネルギーを調達することを義務付けています。これにより、一般家庭で太陽光発電をして、余った電力を事業者に売ることができるようになっています。その買取価格を定めたのが固定価格買取制度なのです。これにより初期投資の回収にあてることができ、設備の設置費用の負担を軽減しようとしているのです。

4月から固定価格買取制度が変更

固定価格買取制度は2012年に制定され、2017年で5年目を迎えました。より効率的に電力を調達し、再生可能エネルギーの普及させるため、4月から制度が変更されています。変更点としては、効率的な電力調達を行うために入札制を採用すること、電力事業者の参入を促すこと、安定供給を強化するなど電力事業に関わる内容です。

電力会社が家庭から電力を買い取る費用は、従来の電気を使用する一般家庭が負担しています。これは、再生可能エネルギー発電促進賦課金として電気料金に上乗せされています。経済産業省の発表によると、固定価格買取制度の変更にともなう4月からの一般家庭の負担額は、675円から117円増加の792円となっています。再生可能エネルギーが普及することで、再生可能エネルギー発電促進賦課金の負担は増えていくと予想されます。

自治体によっては補助金も

一般家庭で太陽光発電を導入する場合、固定価格買取制度によって、初期費用としてかかる設置費用を少しずつ回収していくことができます。また、自治体によっては補助金や助成金がある場合もあります。

例えば、東京都港区の太陽光発電システム設置費助成制度では、太陽光発電の設置に必要な資金の補助を受けることができます。助成金額は出力によって異なりますが、最大で40万円の補助となります。設置工事前に申請する必要があるので注意が必要ですが、このような制度が用意されている可能性があるので、一度チェックしてみると良いでしょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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