学ぶ 2017.06.05 泣いてばかりいられない 家族が亡くなったときの手続きや相続は?

身近な家族の死はいつ起きるかわからず、突然のことで精神的につらい状況となることもあるでしょう。しかしそのようなときでも、亡くなった家族の死亡届の提出や住民票の変更など、さまざまな手続きが必要となります。今回は、特に身近な親族が亡くなったときの相続に関する手続きについて解説していきます。

■相続手続きの段取り

身近な家族が亡くなってしまった場合、葬儀などの準備に追われるでしょうが、同時にさまざまな手続きを行っていかなければなりません。

まず行う手続きが、死亡届の提出です。死亡届は死亡の事実を知った日から、7日以内(国外で死亡したときは、その事実を知った日から3カ月以内)に提出をしなければなりません。提出は、死亡者の死亡地や本籍地、又は届出人の所在地の市区町村の窓口で行えます。

死亡届の提出や葬儀が終われば、相続について考えていかなければなりません。相続に関して第一に確認すべきことは、遺言書の有無についてです。遺言書の有無によっては相続の内容が変わることがありますので、必ず確認しましょう。

遺言書の有無を確認しながら、亡くなった方の財産と債務の確認も行わなければなりません。相続の額や相続税に関係しますので、しっかりと確認しましょう。遺産相続では、預金や土地などの財産だけでなく、借金などの債務も相続の対象となるので注意が必要です。

相続の場合、3カ月以内に財産を相続するかどうかを決めなければなりません。債務が財産よりも多い場合は、相続放棄や財産の範囲内で債務も相続する限定承認という方法があります。3カ月以内に相続放棄や限定承認を行わない場合は、単純承認という一般的な相続方法となります。

亡くなった家族の確定申告も、相続人が行う必要があります。対象となる場合は相続の翌日から4カ月以内に準確定申告という、亡くなった方の確定申告を相続人が済ませる必要があります。

相続後、相続税に関しては10カ月以内に相続税の申告・納付を行う必要があります。遺言などによって相続の分配が著しく偏った場合など、1年以内に申請をすれば最低限の相続が認められる制度もあります。これを遺留分の減殺請求といいます。その他、生命保険は法律により、3年以内に請求をしないと時効が成立します。3年以内に必ず手続きをする必要があります。

■その他の手続き

その他にも対象となる場合は、以下のさまざまな手続きが必要です。

  • 年金受給権者死亡届の提出
    亡くなった家族が年金を受給していた場合、年金事務所などに届け出ます。
  • 不動産所有権の移転の登記
    不動産を相続する場合には、名義変更(相続登記)が必要です。名義変更は法務局で行いますが、手続きが複雑なため司法書士に頼む場合が多くあります。
  • 銀行で相続手続き
    預貯金がある場合には、預貯金の名義変更が必要となります。各金融機関の窓口にて必要書類を持参し手続きを行ってください。
  • 証券会社で相続手続き
    株や債券等の有価証券がある場合にも、相続の手続きが必要となります。亡くなった家族が取引を行っていた金融機関に連絡し、相続の手続きを行ってください。

家族が亡くなった場合の手続きチェックリスト

□死亡届の提出
□亡くなった家族の確定申告
□相続税の申告・納付
□遺留分の減殺請求
□年金受給権者死亡届の提出
□不動産の所有権移転の登記
□預貯金の名義変更
□株や債券などの名義変更

■いざというときに困らないために

家族が亡くなったときに、相続に関することだけでも手続きがたくさんあります。相続の手続きの他にも、葬儀に関することなど、するべきことが山積みです。

相続手続きには期限が設けられているものも数多くあるので、いざというときは慌てず、1つひとつの手続きを確実に行ってください。

もし手続きに自信がない場合や、相続が多い場合は税理士やファイナンシャルプランナーなどのプロに相談してみるのも良いでしょう。

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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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