学ぶ 2017.06.09 日本でも導入される!? ベーシックインカムってなに?

国から現金がもらえる!? そんな夢のような制度が今注目を集め、世界各国や日本でも続々と導入の検討がはじまっています。今回はこの「ベーシックインカム」という制度について紹介します。

ベーシックインカムとはどんな制度?

ベーシックインカムとは、国民の誰もが所得などの制限なく、一律に国から現金を受け取ることのできる制度です。

日本では所得が低く、働きたくても働くことができないという場合、社会福祉の観点から生活保護などを支給しています。給付には所得制限が設けられている場合もあるため、子どものいる家庭に支給される児童手当については、世帯所得が高いと減額されるようになっています。こういった一部の該当する人だけを対象とした制度でなく、ベーシックインカムは「全国民に一律に支給する」ところに特徴があります。

ベーシックインカムのメリットの例として、以下のような事柄が挙げられます。

  • 生活に必要な資金を支給することで、仕事に就くことが困難な貧困層を救済できる
  • 貧困を理由に就業条件の厳しい企業を辞められない状態を回避できる
  • 毎月一定額が支給されるため、仕事をじっくり選ぶことができる
  • 受給制限を設けないことで、国や公的機関の事務手続き負担を減らすことができる

一方、デメリットとして考えられるのは、一律に支給されることにより、国民が働く意欲をなくしてしまう可能性があることです。さらに、国が財源をどうするのかという問題も大きな課題として存在するなど、「働く意欲」という精神的な課題から国の財源、福祉水準など、国の政策まで幅広い課題を含んだ制度と言えます。

フィンランドでのベーシックインカム制度導入実験

昨今、日本でもベーシックインカムに注目が集まっている1つの理由として、フィンランドで実施されているベーシックインカム導入の社会実験が背景にあります。

フィンランドのベーシックインカム制度は、通常に定義されているベーシックインカム制度とは少し異なる点があります。それは、2018年末までの2年間、無作為に選出された2,000人の失業者に対して、一律に月560ユーロを支給するというものです。「政府による、無条件の最低限生活保障の定期的な支給」により、就業しても打ち切られることはなく、失業率の低下が期待されています。(参考:ニューズウィーク日本版 2017年1月17日「ベーシックインカム、フィンランドが試験導入。国家レベルで初」)

今回のベーシックインカム制度の導入は、失業率を低下させる効果があるのかを確認するために実施されているのです。なお、北米や欧州では一部都市で導入検討が続いているほか、スイスでは2016年6月に国民投票で導入が否決されました。

ベーシックインカム導入の背景

なぜフィンランドはベーシックインカム制度の導入実験を行ったのでしょうか。理由の1つに、フィンランドの失業率が9.6%と高い水準になってしまっていることが挙げられます。ちなみに、 日本の失業率は2.8%(2017年4月時点)です。失業率が高くなると、政府の税収が下がってしまいます。そのため、ベーシックインカム制度で最低限の生活費を保障しながら、失業者が仕事を探すための支援をすることが目的の1つとされています。さらに、就業した後も支給が打ち切られる心配がないため、余裕を持って仕事を選ぶことができるのです。政府としては、複雑な社会保障程度をシンプルにすることで運用コストを下げるという狙いがあります。

経済不況と高い失業率で悩む欧米において、ベーシックインカムは数年前から注目されている制度です。日本でも財源問題や人口減少に加えて、欧米と同様に雇用の減少が予想されることから、導入の是非を問う声が上がっています。

日本でも導入されるのか?

ベーシックインカム制度は生活保護と異なり、収入や資産、雇用状況に関係なく支給されます。日本においても導入の是非が検討されていますが、導入に積極的な政党と、消極的な政党が存在しているという状態です。フィンランドでの社会実験によって得られた成果は、少なからず日本での導入の議論にも影響をおよぼすでしょう。

ベーシックインカム制度には、メリットもデメリットもあります。日本で導入された場合に、自分の生活にどんな影響があるのか、自身の仕事や社会保障制度のあり方についても考え直すきっかけとなりそうです。ベーシックインカム制度、あなたは賛成ですか? 反対ですか?

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:Dominik Bruhn/Shutterstock.com

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