学ぶ 2017.07.21 介護保険サービスの基礎知識、どこまで知ってますか?

65歳以上は第1号被保険者として、40歳から65歳未満で医療保険に加入している人は第2号保険者として徴収されることになる介護保険料。その保険料がどのように使われるか、どんなサービスを受けられるかご存知でしょうか。法改正が行われ自己負担割合が変わるなど、時代の変遷とともに介護保険制度も変わっています。今回は介護保険サービスで賄える範囲を学び、介護をする側・される側になった際に必要な準備について考えてみましょう。

老老介護の現状

要介護者・介護者の双方が60歳以上の高齢である状態を「老老介護」といいます。

内閣府の「平成28年版高齢社会白書」によると、要介護者から見た主な介護者の続柄は、配偶者や子、子の配偶者などを含め、6割以上が同居している家族です。その介護者の年齢は、60歳以上の人が男性69.0%、女性68.5%です。

老後のことはまだあまり現実的に考えられないという方でも、親族に介護が必要となったり、自分自身が要介護者や老老介護の当事者になることもあり得るのです。

介護保険の負担割合

介護保険のサービスを利用する場合、所得に応じて一定の料金を負担する必要があります。かつては所得に関係なく、サービス利用=1割負担という条件でしたが、2015年8月から法改正により、所得に応じた自己負担をしなければならなくなりました。

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65歳以上の人で年間合計所得金額が160万円未満の場合、1割負担のままです。また、単身で年金収入にその他所得を加えた金額が280万円未満の方も、1割負担です。

それ以外の方は2割を負担することになっています。また、第1号被保険者が世帯内に2人以上いる場合は、年収とその他の所得の合計金額が346万円未満の場合は1割負担になるなど、世帯の人数や実際の収入によって、負担割合が変わります。

介護保険サービスの種類

介護保険で受けられるサービスの種類は47あり、これらは大きく3つに分類することができます。それぞれの特徴は以下の通りです。

1. 居宅サービス

自宅での介護サービスです。住み慣れた自宅で介護を受けられるメリットがありますが、サービスを受けられる時間帯が限られているため、家族の介護負担がなくなるわけではありません。

例:
・訪問サービス
訪問介護員(介護福祉士やホームヘルパー)が自宅を訪れ、食事や入浴の介助を行う「身体介助」、あるいは掃除や洗濯といった家事を介助する「生活介助」を提供します。他には医師の指示のもと、医療処置を行う訪問看護や、自宅でリハビリ指導を行う訪問リハビリテーションなどもあります。

・通所サービス
要介護者はデイケアセンターなど施設に通い、施設で介護やリハビリのサービスを受けます。

・その他サービス
車いすや特殊ベッドなどを貸与する「福祉用具貸与」、要介護者の自宅に転倒防止の手すりや段差解消など小規模工事を行う「住宅改修費支給」、自宅で療養指導や管理を行う「居宅療養管理指導」などがあります。

2. 施設サービス

要介護者が施設に入居し、施設内で介護を行うサービスです。家族の負担は減りますが、費用負担も大きくなります。

例:
・介護老人福祉施設入居者生活介護
特別養護老人ホームに入居した利用者に、介護やリハビリ指導を行います。長期間の受け入れとなります。

・介護老人保健施設入居者生活介護
介護老人保健施設で一定期間受け入れ、要介護者に医療処置や介護を提供するサービスです。

3. 地域密着型サービス

できるだけ自宅や住み慣れた地域でサービスを受けられるように考案されたものです。1日のうち何度か訪問してくれるサービスや、365日24時間の緊急コールに対応してもらえるサービスなど、多彩なメニューが用意されています。

例:
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
地域密着型サービスの中でも「訪問・通所型」に分類され、夜間を含む1日複数回の定期訪問と、緊急時の随時訪問介護・看護を一体化したサービスです。

・認知症対応型共同生活介護
グループホームで生活援助や見守り、リハビリといったサービスを提供します。

・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介
「施設・特定施設型サービス」のひとつで、利用者29名以下の小規模な特別養護老人ホームにおいて、食事や排せつの介助、リハビリなどを提供するサービスです。

月額包括報酬といって、サービスの利用頻度に関わらず、月ごとの利用金額は変わらないサービスも多数用意されています。ただ、地域密着型サービスは、そのサービスを行っている事業所がある市町村の住民でないと利用できないという注意点があります。

介護保険の支給限度額とは

介護保険には支給限度額があります。要支援1から要介護5まで、段階に応じて支給される金額には限度が設定されており、1か月の支給限度額は以下の通りです。

要介護認定支給限度額
要支援15万30円
要支援210万4,730円
要介護116万6,920円
要介護219万6,160円
要介護326万9,310円
要介護430万8,060円
要介護536万650円

この支給額の限度内で介護にかかる費用を賄える人もいれば、限度額をオーバーしてしまう人もいます。限度額を超えている人が占める割合は要支援1で0.7%で、要介護5になると約6%の人がオーバーしています。

支給限度額を超える人は増加傾向にあり、介護認定が重度になればなるほどその割合は増加しています。さらに、この支給限度額を超えた分は、全額自己負担しなければなりません。施設に入所した場合、食費や居住費、日常生活にかかる経費は、別途全額自己負担で支払う必要があるのです。

介護保険サービスにプラスの備えを

施設を利用する費用やヘルパーによる介護、リハビリテーションにかかる費用など、さまざまな費用の一部は介護保険でカバーすることができます。しかし、介護による支援を必要とすればするほど、介護にかかるお金は膨らみます。

介護保険で賄える金額には、支給限度額が設けられているため限りがあります。老老介護となった場合に備えるためにも、自己負担分を賄えるよう、元気なうちから早めに準備しておくことが必要です。

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