学ぶ 2017.09.08 育児休暇が最長2年に変更!? 働き手に優しくなる「改正育児・介護休業法」

2017年10月より、育児・介護休業法が改正されます。育児・介護休業法は1995年に施行されました。時代のニーズや変化に伴い、施行後何度も変更を重ねられ、1月にも改正が行われたばかりです。出産後も働く女性が多い現代において、男性女性ともに育児休暇について目を向けることは大切だと言えるでしょう。今回は、2017年10月に改正される育児・介護休業法の内容を解説します。

前回の改正内容を振り返る

まずは、直近の2017年1月1日に改正された改正育児・介護休業法のうち、育児に絞った内容を確認してみましょう。

 2016年12月まで2017年1月より
子どもの看護休暇(※)1日単位の取得半日単位の取得が可能
有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和同じ事業主に継続雇用された期間が1年以上継続
子どもが1歳になった以降も雇用継続の見込みがある廃止
子どもが2歳までの間に雇用契約の更新されないことが明らかではないこと1歳6カ月に変更
育児休業等の対象となる子の範囲法律上の親子関係がある実子、養子のみ法律上の親子関係がある実子、養子、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子等も追加

出典:厚生労働省の資料をもとに編集部で作成
※子どもの看護休暇(小学校就学の始期に達するまでの子どもが病気やけがをした時の看護、または子どもに予防接種、健康診断を受けさせるための休暇)

2017年10月から改正される3つのポイント

前回の改正からあまり間をおかずに改正される、今回の改正育児・介護休業法はどうなるのでしょうか。ポイントは3つあります。

・育児休業期間の延長

育児休業は、原則、子どもが1歳になるまでの制度です。しかし、1歳になっても保育園に入れずに待機児童になるなどの特別な事情があるときに、現行制度では例外として子が1歳6カ月になるまで延長することが可能です。

これが改正育児・介護休業法では、1歳6カ月に達した時点で、保育所に入れない等の場合に再度申出することにより、育児休業期間を「最長2歳まで」延長できるようになります。これにあわせて、育児休業給付の支給期間も延長されます。

・育児休業等制度の個別周知

会社は、従業員またはその配偶者が妊娠・出産したことを知った場合には、その従業員に対して個別に育児休業・介護休業等に関する制度(育児休業中や休業後の待遇や労働条件等)を伝える努力をすることが義務付けられます。

これは育児休業の取得を希望しながらも、職場の理解が少なく、取得しにくい環境を排除することを目的としています。この中では、「パパ休暇」や「パパ・ママ育休プラス」などの制度についても周知することが望ましいとされています。

 概要要件
パパ休暇・ママが出産して8週間以内にパパが育児休業を取得すれば、特別な事情がなくても再度パパが育児休業を取得できる
・出産後のママのサポートやママの職場復帰のフォローが可能
①子どもの出産後8週間以内に育児休業を取得していること
②子どもの出産後8週間以内に育児休業が終了していること
パパ・ママ育休プラス・パパ・ママ共に育児休業を取得する場合、1年の育児休業期間を2ヶ月延長することができる
・1人あたりの育休日数(産後休業含め1年間)には変更なし
①配偶者が子どもが1歳になるまでに育児休業を取得していること
②本人の育児休業開始予定日が、子どもの1歳の誕生日より前であること
③本人の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業の初日以降であること

 

・育児目的休暇の新設

現行の「子どもの看護休暇(子どもが病気やけがをした場合や予防接種、健康診断に行くために、労働者が休暇を取るための制度)」に加え、2017年10月の改正によって会社は、小学校就学のスタートに達するまでの子を養育する労働者が、育児に関する目的で利用できる休暇制度を設けるよう、努めることを義務付けられます。例えば、配偶者が出産する際の休暇、入園式等の子どもの行事に参加するための休暇などです。男性も積極的に育児に参加することを促進することを目的としています。

2017年の2回の法改正により、男性の育児参加、育児休業制度の促進が本格的に進められています。より多くの男性が積極的に育児休暇を取得し、社会を巻き込むことがイクメンプロジェクト(※)の推進に繋がるでしょう。

(※2010年6月より、パパの育児参加の推進を目的に、働く男性がより育児を積極的に行う、育児休暇を取りやすい環境を作るなどの男性の育児協力の促進を目指したプロジェクト)

休暇取得はパートナーとよく相談を

育児休暇中の給料や手当の有無は会社によってさまざまです。自身の勤め先の制度をしっかりと確認し、休暇を取った時にどれくらい手当が出るのか、また生活をしていけるのかをよく確認しておきましょう。

子どもが生まれたらどのように育てるか……。育児に夫婦の協力は欠かせません。制度を利用した働き方を含めて、パートナーとよく相談することが大切です。

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