学ぶ 2017.10.24 パパorママ? 子どもはどちらの扶養に入るのがいいの?

子どもを出産した後、仕事復帰をするママもいることでしょう。最近、子どもをパパではなく、ママの扶養に入れる家庭もあるようです。子どもはパパの扶養に入れるのが当たり前だった時代から、パパとママのどちらの扶養に入れるのかを検討する時代に変化してきました。そこで、扶養とは何か、どちらに入れるのが良いのかを改めて考えてみましょう。

実は2つある? 扶養って何?

パパとママのどちらの扶養に入れるのが良いのかを検討する前に、扶養の意味について考えてみましょう。

「扶養」とは、主に収入面で助けが必要な家族の面倒をみることを指し、面倒をみてもらう家族を「扶養家族」といいます。扶養家族になるのは一般的に子ども、配偶者、高齢の親などです。扶養する必要がある家族がいる労働者には、税金や健康保険料の負担を少し軽くしてあげましょう、という制度です。

扶養の概念は「税制上」と「社会保険上」の2種類存在します。税金は国税庁の管轄、健康保険は厚生労働省の管轄になるため、実は別の制度になります。

税制における扶養

税制における扶養は、所得税の金額に影響します。扶養家族がいない人に比べて扶養家族がいる人は所得税額が少なくて済みます。納税額は簡単にいうと [ 所得(収入-控除)×税率 ] で算出されますが、扶養する必要がある家族が多いほど控除額は大きくなるため、所得の金額が小さくなり、結果として納める税額は低くなります。

【扶養家族の条件】

  • 収入が低いこと(配偶者控除:103万円以下)
    「103万円の壁」(配偶者控除)を意識している人もいる。また、16歳未満の子どもは所得税の扶養には入れません。住民税では扶養控除される。
  • 生計を一にすること
    同じ家計で生活していることが条件。ただし、同居の必要はなく、自宅から離れた大学に通うために一人暮らしをする子どもに仕送りをしている場合などでも扶養家族にすることができる。

社会保険における扶養

社会保険上の扶養に入ると、保険料は1人分のままで扶養家族全員に健康保険証が発行されます。健康保険証があれば1割~3割の自己負担で医療機関にかかることができます。パパの健康保険に家族が入っているなら、パパの健康保険証には「本人」、ママや子どもの分には「家族」と書いてあるはずです。

【扶養家族になる条件】

  • 週30時間以上の勤務があること(正社員の3/4)
  • 年収が今後1年間で130万円を超える見込みであること
  • 扶養してくれている人と同居していること

※他にも細かい規定が多くある(*1)

なお、国民健康保険には扶養という概念が存在しません。保険料は世帯収入と加入人数に比例して高くなります。会社の健康保険に入っていた人が退職し、本人と家族が国民健康保険に変更になったら保険料の高さにびっくりすることもあるそうです。

子どもはどちらの扶養に入れるのがいいの?

夫婦共働きなら、子どもをどちらの扶養に入れるか選ぶ必要があります。ここでいう扶養とは、社会保険、つまり健康保険の扶養です。

【社会保険上の扶養】

健康保険はどちらの扶養に入れるのが良いのでしょうか?原則として、主に生活費を多く負担している方の扶養に入れることになっています。パパの収入をメインで生活している場合はパパの、ママの収入をメインで生活しているならママの扶養になります。収入額が多い方になるのが一般的ですが、収入が低くても生活費を多く出していると扶養が認められるケースもあります。

最終的な扶養の認定は協会けんぽや健康保険組合、共済組合などの「保険者」がおこないます。申請の際は夫婦の年収を申告します。

【税制上の扶養】

ちなみに、税制上の扶養は住民税に影響する場合があります。というのも、2010年の子ども手当創設に伴い16歳未満の扶養家族は控除から除外されているからです。そのかわり中学を卒業するまでは児童手当が付きます。

補助制度や家族手当なども参考に

夫婦どちらも生活費を負担している場合は、補助制度や家族手当が充実している方にするのが良
いでしょう。予防接種や健康診断の補助制度がある保険の扶養に入ると、子どもも恩恵を受けることができます。また、家族手当が支給される条件を税法上の扶養にしている会社、社会保険の扶養で判断する会社のどちらもあります。定めている方の扶養に入ることで、子どもの人数分の手当を受け取ることができます。

このように家族のあり方や働き方が多様化している中、パパがフリーランスでママが企業勤めという家庭などもあることでしょう。子どもをパパとママのどちらの扶養に入れた方が良いのか専門家などにも相談し、良い選択をしましょう。

(*1)
厚生労働省
政府広報オンライン

マネチエでは身近なお金の話題をお届けしています
この記事を気に入っていただけたらフォローをお願いします!

ページトップ