学ぶ 2017.10.27 年末調整とは? 受けられる控除の内容を確認しよう!

年末が近づくと、年末調整を考える人も多いのではないでしょうか。控除や新たな特例など、少しでも利用できるものがあれば節税につなげることができます。今回は、年末調整についておさらいをしていきましょう。

年末調整とは? 主な控除の種類

そもそも、年末調整とは、給与所得者が毎月の給与から引かれている所得税を年末に調整することを言います。会社が給与からあらかじめ引いていた分や、従業員がさまざまな控除を提出し、内容によって精算することなどを言います。

まず、該当する人がいれば適用できる「人的控除」について解説しましょう。人的控除とは、配偶者控除や扶養控除、障害者控除などの扶養家族がいたり、自分自身や家族が障害者の場合に、所得が一定額控除される事を指します。

<主な控除一覧>
配偶者控除納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、配偶者控除が適用される。一般の控除対象配偶者に該当する場合には38万円、年末の段階で70歳以上の配偶者の場合には48万円が適用。給与収入の場合、103万円以下である必要がある。
扶養控除納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合に、扶養控除が適用される。年末の段階で16~18歳、23歳~69歳の扶養親族がいる場合には38万円、19歳~22歳の扶養親族がいる場合には63万円、70歳以上の同居老親がいる場合には58万円、同居老親等以外がいる場合には48万円が適用。
配偶者特別控除配偶者に38万円を超える所得(年収ベースで103万円超)があるため配偶者控除の適用が受けられないときであっても、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる。年収が141万円超になった場合には適用されない。
障害者控除納税者本人、同一生計配偶者(合計所得金額が38万円以下の場合)または扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合に適用される。障害者控除は27万円適用となるが、一定の条件を満たす場合には特別障害者となり40万円(同居の場合には75万円)の適用となる。
寡婦控除納税者自身が一般の寡婦であるときは、一定の金額(27万円もしくは35万円)を控除できる。ただし、合計所得金額が500万円以下である必要がある。
勤労学生控除納税者自身が勤労学生であり、合計所得金額が65万円以下(給与収入130万円以下)の場合に適用される。27万円が適用。

(国税庁HPを参照に編集部作成)

家族に、上記に記載する控除が該当する人はいませんか?これまで年末調整のタイミングで記載した記憶がない方は、会社に申請を行いましょう。申請により控除が適用できるようになるかもしれません。

2017年に始まった税制の確認

今年から始まった税制に、セルフメディケーション控除があります。これは、以下のいずれかの診断を受けている方で、OTC医薬品の年間購入額が1万2,000円以上に該当する人が控除できるしくみです。上限は8万8,000円となります。

【適用対象となる診断】

  • 職場における定期健康診断
  • 定期健康診断(事業主健診)
  • 特定健康診査
  • 予防接種
  • 健康診査
  • がん検診

今からできる年末調整

資料を用意すれば年末調整できるものを下記に記載します。

ふるさと納税ふるさと納税は、全国各地の市区町村に寄付を行うことで適用される。5自治体以内のふるさと納税であれば、ワンストップ特例制度で確定申告を行う必要はない。
セルフメディケーション控除レシートなど履歴のわかるものを準備しておく。
生命保険年間で支払った保険料をもとに生命保険料控除の適用が受けられる。生命保険会社から送付される控除証明書類を準備しておく。
地震保険年間で支払った保険料をもとに地震保険料控除の適用を受けられる。
損害保険会社から送付される控除証明書類を準備しておく。
住宅ローン控除住宅購入年のみ確定申告を行う必要がある。それ以降は年末調整で対応可能。

(国税庁HPを参照に編集部作成)

年末調整できないもの

以下に記載されているものは、年末調整にて控除適用ができません。適用を受けるためには確定申告を行う必要があります。

医療費控除医療費控除は年末調整では適用不可。また、セルフメディケーション控除と同時に適用することもできない。
寄付金控除通常の寄付の場合には、確定申告で申請を行う必要がある(ふるさと納税のワンストップ特例は除く)
雑損控除災害や火災、盗難や横領によって資産に損害を受けた場合に雑損控除の適用が受けられるが、確定申告を行う必要がある。

(国税庁HPを参照に編集部作成)

早めに準備しておこう

毎年やってくる年末調整。早めに準備しておけば、焦る必要なく着実に手続きを進めることができます。控除が適用されるものがないかどうかじっくり探してみましょう。

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