学ぶ 2017.12.28 将来の自分への投資?男性も意識が高まっている「身だしなみ」

さまざまなメディアで男性向けの身だしなみに関する話題を見かけるようになってきました。新生銀行が出した「2017年サラリーマンのお小遣い調査」(*1)でも、男性会社員のお小遣いは前年よりも減った一方で、過半数の人が「支出が増えたものがある」と回答しています。支出が増加したものの中でも「身だしなみのための費用」は18.9%という結果が出ており、身だしなみについて意識を持つようになっているようです。

男性の身だしなみへの意識は?

実は、男性美容市場はここ数年では急激な拡大を見せています。経済産業省の「生産動態統計調査」によれば、2003年に約121億円だった男性スキンケア化粧品(男性皮膚用化粧品)の出荷額は2014年に222億円まで達し、11年間で1.8倍以上に拡大していると言われています。

また、矢野経済研究所の調査によると、ミドル世代をターゲットに臭い対策を訴求したヘアケア商品やスキンケア商品の需要が多いそうです。特に、若年層のスキンケアに対する意識の高さからシェービングフォーム・ジェルなどの使用率が向上しました。

サバ美ーマン」とも評された身だしなみへの意識の高い男性。男性の身だしなみへの意識が高まった理由として、2点考えられるのではないでしょうか。

・有名人が男性美容商品のTVCMを行って意識に変化が起きた

当時人気を博していた男性アイドルや俳優がヘアアイテムなどの商品のイメージキャラクターに起用され、身だしなみについて意識する人が増加したと言われています。かつては松田優作などもヘアケアアイテムのCMに出演していました。その世代が徐々に歳を重ねており、今や40代以上の世代でも、その意識の高さがうかがえます。

・女性の就業率の増加に伴い、職場での女性の目を意識するように

就業構造基本調査」によると、職場における女性比率は年々増加傾向にあると出ています。

また、リクルート Beauty総研の「男性美容に関する調査」でも、女性は男性の約1.3倍〜1.5倍身だしなみに関して厳しく、女性比率の高い職場では、女性比率の低い職場よりも身だしなみへの関心度が約1.3倍、身だしなみケアの実施率も約1.2倍という結果が出ています。今後も結婚・出産後も働く女性が増えれば、その分、男性の身だしなみへの意識も高まるのではないでしょうか。

職場の目という点では、同性の若手男性社員の目もあげられます。彼らは、小さなときからカリスマ美容師やカリスマ店員、読者モデルなど、見た目を意識し、ケアをしている人たちが注目されているのを目の当たりにしています。その人たちを真似して身だしなみを意識するのが当たり前になっていました。社会人になっても、その意識は続いているため、その上の世代の人たちも身だしなみを意識するようになったと考えられます。

身だしなみを意識することでマイナスのイメージがなくなり、仕事が円滑に行くということなのかもしれません。実際に同総研の調査によると、身だしなみを意識するのはマナーであり、身だしなみを意識した結果、自分に自信が持てるようになった、昇進・昇格にもいい影響が見られたなどの声があります。

身だしなみは自己投資だという位置づけ?

身だしなみについての意識が高まっている一方で、気になるのは身だしなみにかかる費用です。男性が身だしなみにかけるお金は1カ月平均で約3,000円だと言われています。自分のお小遣いから捻出している人も多く、自分ができる範囲で取り組んでいるというのが現状です。

美容に費用をかければよいというわけではなく、日ごろから意識すれば、高いお金を出さなくても身だしなみを整えることができるでしょう。

  • スーツのシワは、アイロンのスチーム機能を使えば掛けたままで手間なく直せる
  • 靴磨きは100円ショップのケア商品でも十分にきれいになる
  • スキンケアは洗顔料だけでなく、自分の肌に合った保湿を行う
  • 肌が荒れにくいシェーバーを使う
  • 髪の毛を乾かすときは髪の毛が痛みにくいドライヤーを使う

男性の身だしなみについては、市場拡大も意識され、これからもさまざまなグッズやケア方法が生まれる可能性があります。今から徐々に自分に合うものを探してみるのもよいかもしれません。

(*1)新生銀行 2017年サラリーマンのお小遣い調査

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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