学ぶ 2018.04.11 双子や年子の場合はどうなる? 幼稚園や保育園にかかる費用を考える

2015年4月、政府による「子ども・子育て支援新制度」がスタートしたことで、パパ・ママ共に、子育てと仕事を両立するための働きやすい環境づくりが進んでいます。中には、育児休暇を繰上げて、仕事に早期復帰するママもいますが、子どもを幼稚園や保育園に預ける場合、費用はどれくらい必要なのでしょうか?我が子のためにいくら用意しておくべきなのか、確認していきましょう。

■「子ども・子育て支援新制度」によって保育園の費用が給与別に

保育料は、新制度の施行に伴い、住民税に基づく階層区分に従って算出されることになりました。世帯所得が低く住民税の納税額が少ない家庭は保育料も低くなり、住民税の納付額が多ければ保育料も高くなる仕組みです。

つまり、認可保育園(区立・私立保育園、小規模保育所、家庭的保育事業、事業所内保育施設)ごとに保育料が決まっているのではなく、住んでいる地域と世帯年収によって、支払う金額が違うということです。また、子どもの年齢や預ける時間によっても変わります。

預ける時間が8時間までの場合は、保育料の月額が保育標準時間の金額の約98%に減額されます。加えて、預ける子どもが2人目の場合は半額、3人目から無料になります。なお、夫婦共働きの場合は、妻の年収も保育料に反映されます。

■幼稚園に通わせたい!公立と私立では約2倍も費用が変わる?

子どもを幼稚園に通わせる場合は、公立と私立で費用が変わります。文部科学省の「子供の学習費調査」によると、公立幼稚園の学費の年間平均は12万546円、私立は31万8,763円となっています。更に、給食のある幼稚園は給食費がプラスされます。

また、子どもを習い事や学習塾に通わせたい場合は、学習塾などの学校外活動費も必要になります。以下がその一覧です。

区分公立幼稚園私立幼稚園
学校教育費(授業料、通学費など)12万546円31万8,763円
学校給食費2万418円2万9,924円
学校外活動費9万2,983円13万3,705円
合計23万3,947円48万2,392円

参照:文部科学省 平成28年度 子供の学習費調査

私立の場合、学費が高いだけではなく、小学校受験も念頭に入れて学習塾や習い事を増やす傾向にあるようです。最終的にはこのように、約2倍の差がありますので、両親の収入を考慮した上で、無理のない選択をすることも、子どもの将来を決める大切な要素になるでしょう。また、年子の場合はこれの倍の金額がかかると考えましょう。

■自治体の助成金も上手に使おう!

幼稚園や保育園に通う子どもがいる家庭には、自治体もさまざまな支援をしています。助成金や児童手当を効果的に活用するのも一案です。下記は主な支援例です。

私立の幼稚園にかかる費用を補助してくれる東京都の制度です。住んでいる自治体ごとに助成金は違いますので、各自治体の公式サイトを確認しましょう。杉並区の場合は、入園料助成金として6万円が支給され、更に保護者の年収に応じた助成金がプラスされます。年収が約360万円以下の場合は27万3,600円、680万以下の場合は21万400円の補助金がでます。

自治体によって、里帰り出産をすると都外(県外)の産院でかかった費用の一部を負担してくれる制度です。妊婦健診1回目9,680円まで(千代田区の場合)などの助成金がもらえますので、保育資金として活用するのも良いでしょう。

◎第3子保育料の無料化制度

幼稚園、保育所、認定こども園などの保育料について、第3子以降の保育料を無料にする制度です。ただし、所得税の申告をしていること、第2子までの保育料を滞納していないことなど、自治体によって無料になる基準が異なることには注意が必要です。

■双子の場合、幼稚園や保育園の費用は倍になる?

もし、双子が生まれた場合、幼稚園や保育園の費用はどのようになるのでしょうか。子どもの数だけ費用がかかると考えがちですが、双子の入園は兄弟姉妹と考えられ、就園奨励費などの助成金を受けられることがあります。

就園奨励費は、幼稚園に通う双子の場合には2人目の子どもの費用が半額程度助成されるという制度です。保育園に通う双子の場合は、子ども一人の場合の1.5倍の費用がかかります。また、三つ子や3人目の子どもの場合は無料になるので、双子同様に子ども1人の1.5倍の費用になります。東京都港区や長崎県島原市のように2人目の子どもの保育料が無料になる自治体もありますので、ご自身が住む自治体はどうかをあらかじめよく確認しておくのが良いでしょう。

■待機児童になった場合ベビーシッターなどの費用もかかる

自治体が認可する保育施設に入れず待機児童になってしまったものの、働かなければいけない場合は、家族に預けるのが一番です。ただし、それが難しい場合は、ベビーシッターを雇う可能性も視野にいれておきましょう。下記はその料金体系の一例です。

入会金:3万円/月会費(子ども1人につき):900円
通常保育:2時間以上のご利用、30分単位
お昼料金:1,000円
夜間料金:お昼料金+150円

入会金:1万円/年会費:5,000円
基本料金:3時間以上のご利用、30分単位
お昼料金:1,900円
夜間料金:お昼料金+750円

入会金:なし
◆1回3時間~(月2回~):3,300円×3時間(税別)
延長料金(30分ごと):1,650円
◆1回2時間以上3時間未満(月2回~):3,900円×2時間(税別)
延長料金(30分ごと):1,950円
(交通費900円/日)

サービス内容も各社ごとに異なり、料理や買物も依頼したい場合はその分の料金も別途発生します。

■子どものためにお金を貯める時の心構え

子どもを育て上げるには多額の費用がかかります。そのため、子どもが誕生したらライフプランを家族で話し合い、資金計画の具体的なプランを立てることが肝心です。

定期預金、学資保険やジュニアNISAなど、子どものお金を長期的に貯める手段はいくつもありますが、貯蓄をするためには、まずは夫婦の毎月の支出を見直し、具体的な金額を考えましょう。助成金などもありますが、子どもが増えれば増えるほど教育費はかさみます。

かわいい我が子の成長を祈り、お金をどのように準備するのかをよく検討することが大切です。

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