学ぶ 2018.06.19 会社員とフリーランス、公的保障や納める税金に違いはあるの? 調べてみた!

インターネットや無料のメッセージアプリが手軽に使えるようになったことにより、パソコンやスマホひとつでお金をかけずに簡単に起業したり、気軽にフリーランス(個人事業主)として働ける環境が整ってきました。そこで、会社員とフリーランスでは収入面でどのような違いがあるのかを調べてみました!

■フリーランスの現状

「フリーランス」とは、自分のスキルや経験をもとに会社や人と契約を結び仕事を行う人たちのことを言います。経済産業省の「小規模企業等の事業活動に関する調査」(2014年)では、フリーランスの59.9%は、手取り収入が300万円未満という現状です。これは、30歳代前後の会社員の平均給与とほぼ同じくらいの金額だといいます。

彼らは、「好きなことで収入が得られる」「専門性を生かすことができる」「比較的家庭との両立をしやすい」などの利点がある一方、収入の不安定さ、健康面、そして社会保障について悩みや不安を抱えているそうです。(参考:厚生労働省

■会社員とフリーランスを比較してみた

一見メリットがたくさんあるように見えるフリーランスも、実は将来の不安を抱えていると分かりました。それでは、会社員とフリーランスではどのような違いがあるのでしょうか。年金、保険、税金の3つについて比較をしてみました。

・国民年金と厚生年金

年金は、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金が土台となっています。フリーランスはが加入できるのは国民年金です。2018年現在、月額1万6,340円の国民年金を40年間支払った場合、老齢基礎年金を65歳から6万4,941円受給できる計算になります。

一方、会社員は、国民年金保険料を含んだ厚生年金保険料を支払うため、フリーランスよりも保険料を多く支払っています。厚生年金に加入していることで、65歳から受け取る年金の受給額もその分上乗せされます。さらに、会社員の場合、支払う厚生年金保険料は会社と折半です。

ほかにも、障害を負った時の障害年金、被保険者が亡くなった時の遺族が受け取る遺族年金の受給額も国民年金のみのフリーランスに比べると受取額が多くなる傾向があります。

年金制度の違い
 フリーランス会社員
年金制度国民年金厚生年金
保険料支払全額自己負担会社と折半
受給年金老齢基礎年金老齢基礎年金
老齢厚生年金

・国民健康保険と社会保険

次に国民健康保険と社会保険について比較してみましょう。

フリーランスは国民健康保険に加入します。会社員のように扶養という概念がないので、世帯内の加入者数が増えると保険料も増えていきます。さらに、保険料はすべて自己負担で、傷病手当金のような制度がないのも会社員との大きな違いでしょう。

一方会社員は原則、協会けんぽや各社会保険組合に加入しています。規定内の親族を扶養することができるため、家族の人数によって健康保険料が増えることはありません。また、病気やケガで会社を休んだとしても、要件を満たすと傷病手当金を受けられます。

 フリーランス会社員
◆健康保険国民健康保険協会けんぽ
各社会保険組合
保険料支払全額自己負担会社と折半
扶養なしあり
傷病手当金なしあり
◆労災保険なしあり
会社全額負担
◆雇用保険なしあり
会社が半分以上負担

・所得税と住民税

税金の納め方にも大きな差があります。まずは所得税です。フリーランスは前年度分の所得を自分で計算して確定申告を行うのに対し、会社員は毎月給与から差し引かれ、年末調整されます。

さらに前の年の収入に対する住民税についても確認しましょう。フリーランスは毎年6月に金額が通知され、6月、8月、10月、翌年の1月の4回、普通徴収という方法により自分で納税する仕組みになっています。一方、会社員は特別徴収といって、毎月給与から差し引かれます。

 フリーランス会社員
所得税確定申告給与天引き・年末調整
住民税普通徴収(6月、8月、10月、1月に自分で納税)特別徴収(給与から毎月天引き)

■自分の価値観で生きる

フリーランスと会社員では公的保障や税金面でさまざまな違いがあります。一概にどちらがよいとは断言できませんが、自分の働き方や生き方に応じてフリーランスと会社員を選択するのがよいでしょう。働き方改革が推進される今、個の力が大事になる時代が訪れます。その時に後悔のない選択をすることが大事です。

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