学ぶ 2018.08.10 結婚する前に知っておきたい!「共同資産」ってなに?

結婚すると、一緒に生活をするようになることだけが「変化」ではありません。最たるものはお金の問題です。互いのお金の状況を把握できていますか?結婚前に伝え合ったカップルもいれば、あえて触れずに共有していないということもあるでしょう。今回は、そんな「共同資産」にまつわる話を紹介します。

■結婚したら夫婦のお金はどうなるの?

平成26年全国消費実態調査によれば、40歳未満の男性は平均年収407万で貯蓄は373万。女性は年収317万、貯蓄は264万円という結果が出ています。人によって違いはあるものの、互いに結婚以前にある程度稼いだ財産があることでしょう。

夫婦の財産は特別な取り決めをしない場合は「夫婦別財産制」(民法第762条)が適用されます。この法律は、「お互いが結婚する前に持っていたお金や結婚後に自分の名前で得た財産は、それぞれの特有財産になる」というものです。つまり、いくら結婚して家族になったからと言っても、あくまでも自分でふやした資産や仕事で稼いだお金は自分のものであり、結婚相手にその権利を侵されることはないということです。

しかし、これはあくまでも民法上の話です。実際には、結婚を機に専業主婦(夫)になると、自身の名前で得た財産であっても、夫婦共通の財産と捉えなければならない場面も出てきます。

どちらかが専業主婦(夫)の場合は、財産の扱いを曖昧なままにしている家族も多いのではないでしょうか。

■結婚する前の資産の考え方

結婚する前にそれぞれが持っていた資産は、本来結婚後に所有権が変わることはありません。極端に言えば、結婚前から預貯金や有価証券を保有していて、結婚後にその資産を自分のためだけに使っていたとしても、パートナーが口を出せることではないともいえます。

しかし、結婚前の資産の存在を伝えないままでいると、結婚生活がギクシャクすることもあるかもしれません。そう考えると、夫婦の保有資産については、結婚前にパートナーと話し合いをしておき、どちらも損をしない資産の管理方法はないか一緒に考えてみることが必要なのではないでしょうか。

■離婚するときには資産をどのように分けるの?

考えたくないテーマですが、パートナーと離婚することになったら資産はどうなるのかを考えてみます。離婚をするときには、上記でもお伝えした夫婦別財産制が適用され、互いの稼ぎは互いの資産として分けられることになります。

ただし、専業主婦(夫)の人たちが自分で直接稼いではいないものの、パートナーの稼ぎに間接的に貢献している場合はその収入は実質的共有財産とみなされます。

離婚時に「財産分与」の話題が出てくるのは、そういった理由によるものです。そのため、夫婦が離婚するときには財産をどう分けるか、財産分与を受けるかが話し合われる傾向にあります。

これは、お金や不動産に限った話ではありません。家屋や家財道具などの固定資産も同様です。たとえ片方の稼ぎだけで買ったものだとしても、夫婦が合意して共有していたものはすべて共有財産となり、離婚の際も分与の対象となることを覚えておきましょう。

■共同資産をどのように考えて、お金の管理をしたら良い?

新婚当初から共同資産について、事前に取り決めをしておくほうがよいでしょう。少なくとも、「結婚前に持っていた資産は最後まで本人所有のものとして、手を付けない」「夫婦で買ったものはすべて折半」といったルールを設けておけば、いざという時に揉めることはありません。

共同資産については明確なルールがあるわけではありません。だからこそ、夫婦間での取り決めを優先してください。

■夫婦であってもそれぞれの資産は守られる!お互い納得できる条件を話し合おう

結婚したからといって、今まで持っていた財産などのすべてが夫婦共有のものになるわけではありません。夫婦が持っていた資産は、法律によって守られるものです。しかし、法律を盾に自分の主張を押し通すだけでは、パートナーとの信頼関係は築けません。

生きていくために必要なお金だからこそ、夫婦でしっかりと話し合い、お互いが納得できる分け方を決めておくことが大切だといえるでしょう。

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