学ぶ 2018.09.18 退職したあなたを支援してくれる給付金あれこれ――「再出発支援」関連
退職したり失業したりして収入が途絶えた場合、失業給付(基本手当)を受けられることをご存じの方は多いでしょう。しかし、それ以外にも失業者をサポートする給付金などの制度はたくさんあります。今回は、公的機関が基本手当の他にどのような給付金や制度を用意しているのか紹介します。
■退職後の再出発支援
雇用保険の被保険者が失業時に受け取ることのできる1日当たりの金額を基本手当日額と言います。2018年8月時点での基本手当日額の上限は以下のようになります。
- 30歳未満 6,750円
- 30歳以上45歳未満 7,495円
- 45歳以上60歳未満 8,250円
- 60歳以上65歳未満 7,083円
これ以外にも、再就職のために活動し、再就職が決まった場合に受け取ることのできる給付金があります。これらの申請先はハローワークで、また基本手当の受給資格があることが共通の要件です。
対象条件 | 安定した職業に就いたとき ・基本手当の支給日数が所定給付日数の3分の1以上残っていること ・雇用期間が1年以上であること |
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手続先 | ハローワーク |
給付金額 | ・基本手当の支給日数が3分の2以上残っている場合 所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額 ・基本手当の支給日数が3分の1以上残っている場合 所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額 |
対象条件 | 常用雇用等以外の形態で就業し、再就職手当の支給対象とならなかった人 ・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あること |
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手続先 | ハローワーク |
給付金額 | 就業日×30%×基本手当日額 ※1日当たりの支給額の上限は1,821円(60歳以上65歳未満は1,474円) |
対象条件 | 再就職手当を受給した人が、引き続き同じ就職先で6ヵ月以上勤めていたとき ・再就職先で6ヵ月間受け取った賃金の総額が、基本手当受給前の賃金より低いこと |
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手続先 | ハローワーク |
給付金額 | (離職前の賃金日額-再就職手当の支給を受けた再就職の日から6ヵ月間に支払われた賃金額の1日分の額)×再就職の日から6ヵ月間内における賃金の支払いの基礎となった日数 ※上限は、基本手当日額×基本手当の支給残日数に相当する日数×40% |
対象条件 | 就職が困難な人が安定した職業に就いたとき ・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満であること |
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手続先 | ハローワーク |
給付金額 | 90(単位は日。原則として基本手当の支給残日数が90日未満である場合には、支給残日数に相当する数(その数が45を下回る場合は45))×40%×基本手当日額 |
対象条件 | ハローワーク等が紹介した職業に就くために転居が必要であるときなど ・通勤時間が往復4時間以上であること ・費用が就職先から支給されない、または就職先からの支給額が転居のために実際に支払った費用に満たないこと |
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手続先 | ハローワーク |
給付金額 | 支給対象者と、ついて行く家族について旧居住地から新居住地までかかった転居費用や交通費など |
対象条件 | ハローワーク等の紹介により遠隔地の求人事業所で面接などを受けたとき ・費用が訪問先から支給されない、または訪問先からの支給額が活動に必要な額に満たないこと |
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手続先 | ハローワーク |
給付金額 | 交通費及び宿泊費 |
■再出発に向けてスキルアップを支援してくれる給付金
再就職に向けてのスキルアップを支援してくれる教育訓練給付金などもあります。教育訓練給付金も技術取得手当も、申請先はハローワークです。なお、教育訓練給付金の対象者は、失業者だけではありません。今勤めている会社で働きながら受給することもできます。
対象条件 | ・受講開始日現在、雇用保険の支給要件期間(給付金をもらえる対象になるのに必要な期間)が3年以上(初めて支給を受けようとする場合は当面、1年以上)であること ・被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までの期間が1年以内であること など |
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手続先 | ハローワーク |
給付金額 | 原則として、教育訓練経費の20%に相当する額(上限10万円。4,000円以下の場合は支給されない) |
対象条件 | ・ハローワークの指示した訓練を受けること ※受講手当と通所手当があり、失業給付(基本手当)とは別に支給される |
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手続先 | ハローワーク |
給付金額 | ・受講手当……日額500円 ・通所手当……実費。通所方法による ※ともに上限あり |
■再出発支援を活用し、目指すキャリアへ
このように再出発を支援してくれる給付金はたくさんあります。もちろん退職日翌日から働けるほうが、収入面・社会保険が継続できるという点で有利なのは確かです。可能であれば、事前に次の働き先を決めてから退職するようにしましょう。
キャリアアップのために1度会社を離れるなら、それ相応の覚悟が必要です。すぐに再就職しないなど、収入が途絶える可能性があるなら、その分、お金を貯めておくことも大切です。
覚悟と気概を持って自分の目指す方向に向かってチャレンジするなら、今回紹介した給付金などを活用してみてはいかがでしょうか。
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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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