学ぶ 2019.01.21 20代で授かり婚。「年収350万円」で家族を養うためにまず考えるべきこと

子どもができたことをきっかけに結婚するカップルがいます。最近では授かり婚とも呼ばれますが、年収もまだそう多くない20代で授かり婚をする場合、心配なのがお金のこと。

いまの年収で家族を養うにはどうすればいいのでしょうか。年収約350万円で家族を養っている20代男性のAさんを参考に、生活設計をどう考えればいいのかを探っていきます。

■年収350万円の場合、毎月いくらで生活することになる?

まず「年収350万円」は控除前の金額です。税金などが引かれた後の手取り額がいくらぐらいになるのかを確認しておきましょう。

住民税の税額には地域差があり、健康保険料に関しても企業ごとに違いますが、収入の8割くらいが手取り額といわれています。

したがって、Aさんの場合は、350万円×0.8=280万円が手取り額の目安です。月の手取り額に換算すると280万円÷12ヵ月=約23万円になり、この金額で毎月生活することになります。

■生活費はどこから削っていけばいい?

1ヵ月の手取り額約23万円で家族3人(Aさん夫婦と子)が生活する場合、まず考えたいのが「住居費」。毎月かかる固定費の中でも占める割合が大きいからです。例えば実家で親と同居したり、社宅がある会社であれば入居するという方法があります。

他に家賃を減らす方法としては、公営住宅(都営住宅・県営住宅など)に住むという選択肢もあります。公営住宅の家賃は収入によって決まるので、収入に比べて高すぎる家賃を支払う必要がありません。

公営住宅には入居できる収入に基準があり、控除前の月収25万9,000円が上限と国で定められています(都道府県別の基準もあります)。詳しくは住んでいる自治体に確認するとよいでしょう。

■自分たちの家が欲しい……住宅ローンは組める?

もしマイホームが欲しいという場合はどうなのでしょうか。親の援助がなく、近い将来に給与が大幅に増える予定が見込めない場合には、年収350万円時点でのマイホーム購入はやめておくのが無難です。

多くの場合マイホーム購入には住宅ローンを組みますが、申込みには金融機関による審査があり、必ずしも審査に受かるとは限りません。

また住宅ローンを組んで住宅を購入できたとしても、支出はローン分だけでは終わらず、メンテナンス費用もかかります。建物が劣化すれば修繕の必要も出てきて、その費用は100万円単位になることも。マンションでも管理費や修繕積立費が毎月かかります。

これらを合わせて考えると、現状でのマイホームの購入は見送り、頭金をある程度準備できるくらいまでしっかり貯めてから検討したほうがよいでしょう。

■もし働けなくなったら……というリスクにはどう備えるか

Aさんの家は妻が専業主婦のいわゆる「片働き」家庭です。もしAさんが病気やけがで長い期間、仕事を休んだらどうでしょうか。収入が減るどころか、まったく入ってこなくなることも予想されます。

保険に加入する方法もありますが、その前に考えたいのが「共働き」。厚生労働省の調査でも、1997年以降、共働き家庭の数が片働き家庭の数を上回り、その後も増え続けています。妻も働いて収入を増やすことは当たり前になってきているのです。
厚生省「労働力調査」

■将来に備え「減らせる支出」を意識してみよう

Aさんはまだ20代のため、今後、収入が増えていく可能性が高いでしょう。しかし、子どもの教育費も準備しておかなければいけません。そのため将来に備えて今のうちから削れる支出を意識して家計を見直すことが必要です。夫婦で家計簿をつけて、無駄なところがないか一度見直してみましょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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