学ぶ 2019.02.04 2人で住宅ローンを支払う「ペアローン」でチェックしておきたいポイント

住宅ローンには配偶者、または親子関係の2人で組むことのできる「ペアローン」という方式があります。1つの物件に対してそれぞれがローンを組むことで、1人で組むより借入金額を増や利点が。検討する際の3つの注意点を紹介します。

■2人が継続して収入を得られる見込みがあるか

ペアローンの返済は、2人が借入金を返済することを前提としています。加えて、双方がお互いの連帯保証人になることも条件です。そのため、もし1人が病気で働けなくなったり、リストラされて返済できなくなった場合、その分をもう一方の収入から返済しなければなりません。

また、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を活用する場合は、債務者のどちらかが退職する可能性について検討しておきましょう。この制度は借入金に応じた額が所得税から控除されるお得なものですが、期間が10年または15年と定められています。控除期間内に退職する可能性について、事前に想定しておかなければなりません。

また、債務者が死亡するなど万が一の事態が発生した場合、死亡した債務者の返済額は団体信用生命保険(団信)という保険制度ですべて返済され、残債はなくなります。ただし、もう1人の、残された債務者の借入額は残ります。

■親子でも法律婚の夫婦でもない2人はどうなるか

ペアローンを組む際、婚姻関係を求めるかどうかは金融機関によって異なります。法律上の夫婦でなければローン審査が通らない金融機関がある一方、所定の条件を満たせば組める金融機関も存在します。

近年では、一部の銀行でLGBTのカップルでもペアローンを組めるようになるなど範囲は拡大しています。ペアローンの対象者は今後もますます増えていくことでしょう。

■離婚した場合はどうなるか

ペアローンを組む時は、それぞれが相手の連帯保証人になります。加えて、一般的にペアローンの名義を片方のみに変更することはできません。離婚後も借入返済の名義人は当初の夫と妻の2人となるのです。

契約を解消した上で夫か妻だけの単独ローンに組み替えることもできますが、対応してもらえる金融機関は少ないと思っておいたほうがよいでしょう。

名義変更をせずペアローンを継続する場合は、残りの借入額を2人で返済することになります。しかしマイホームに住み続けるほうはともかく、出て行くほうも返済し続けてくれるとは限りません。

ペアローンは借入れ可能な額が増え、住宅の購入資金も増えますが、一方でリスクもあります。夢のマイホーム購入に向けて気持ちが高まっている中でも、2人で冷静に話し合い、考えてみましょう。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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