学ぶ 2019.03.09 電子マネーと仮想通貨って何が違うの?

交通機関の運賃やコンビニなどの支払いで身近になりつつある電子マネー。ビットコインやネムなどニュースでも取り上げられ話題になることが多い仮想通貨。どちらも形のないデジタルデータでの決済方法ですが、両者の違いは何なのでしょうか?

■電子マネーの特徴は?

電子マネーは日本円と同等の価値を持つ

電子マネーは電子的にデータをやりとりできる決済サービスの一つ。中央銀行の発行した法定通貨(日本ならば日本円)を基にしているため、日本円と同等の価値があります。例えば1,000円をチャージした場合は提携店で1,000円分使えるわけです。

種類は20種類以上

日本で使われている電子マネーはSuicaやPASMOなどの交通系のほか、楽天Edy、WAON、nanacoなどが代表的。企業や地方自治体が発行するものを合わせると20種類以上あると言われています。

電子マネーの決済方法は2種類

電子マネーの決済方法には2種類あります。「プリペイド型」は、あらかじめ現金をチャージし、チャージした分だけを提携店舗で利用するもの。

「ポストペイ型」は、利用した料金を後払いするもので、クレジットカードで決済するためチャージは不要。後者の方が支払いにかかる手間を省略できると言えるでしょう。

■仮想通貨の特徴は?

仮想通貨は価値流動性が高い

仮想通貨は暗号化されたデジタル通貨で、一般的に日本政府や中央銀行など、公的機関の保証がされていません。そのため価値の流動性が高いのです。

またビットコインに代表される仮想通貨の多くは、分散型台帳と呼ばれるブロックチェーンで管理されていています。取引情報を暗号化していくつかのブロックにわけて取引を正確に記録し、ネットワークに参加する人々が相互に承認することで信用を担保しているのです。

種類は2,000種類以上

仮想通貨は規模の小さなものも含めると現在2,000種類以上あります。有名なビットコイン(BTC)以外にもイーサリアム(ETH)やリップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ネム(XEM)、ライトコイン(LTC)などが。なかにはベネズエラ政府が発行する仮想通貨のペトロ(PRT)といった変わったものもあります。

仮想通貨を入手する方法

入手する方法はいくつかありますが、取引所で買う方法が最も簡単です。マイニングでもらうこともできます。マイニングとは日本語で採掘という意味で、取引データを承認する作業のこと。膨大な演算や電力が必要なため、成功報酬として仮想通貨をもらえるのです。

■電子マネーと仮想通貨の違いを確認

価値変動の幅の大小

電子マネーと仮想通貨はどちらも通貨として利用できます。主な違いは価値変動の幅が大きいか小さいかです。日本の電子マネーは中央銀行に保証された日本円が使われているため、価値が揺れ動く幅は少ないと言っていいでしょう。

一方、仮想通貨の価値は参加する人が信用を担保しているため、価値の揺れ幅が大きいのです。例えば昨日1,000円分の仮想通貨を購入したのに、今日は500円の価値しかなかったということもあります。もちろん価値が上昇することもあるので、投資目的で仮想通貨を購入する人もいるわけです。

流出の危険性

安全性に関しても電子マネーと仮想通貨では大きな差があります。電子マネーでは大きな事件は聞きませんが、仮想通貨では2014年に仮想通貨取引所のマウントゴックスによる預かり金消失事件がありました。2018年には仮想通貨ネムの大規模な不正流出事件が起きています。

■正しい知識を得て、上手な使い分けを

電子マネーに関しては2010年施行の法律によって環境が整えられました。一方で仮想通貨は2017年施行の法律に定義が追加されるなど、法整備され始めたばかりです。今後より普及していく可能性のある電子マネーや仮想通貨。上手な使い分けができるように、まずはそれぞれの特徴を把握することから始めてみてください。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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