学ぶ 2019.03.28 今さら聞けない経済知識 日経平均株価とTOPIXは何が違う?

「日経平均株価」と「TOPIX」という言葉をニュースや新聞で見ない日はありません。これらの違いが分かれば、経済についてより理解が深まることでしょう。ビジネスパーソンなら知っておきたい基礎知識の違いや特徴について解説します。

■日経平均株価=代表的な225銘柄による株価指数

日経平均株価は「日経平均」「日経225」「Nikkei225」とも呼ばれる日本を代表する株価指数のことです。対象となるのは東証1部上場の中から選ばれた225銘柄。銘柄は毎年10月初旬に入れ替えを行い、活発に売買取引されている銘柄が含まれるように調整されます。

日経平均株価の特徴

225の銘柄としては景気の影響度が高いハイテク関連株や、円安になると有利になる輸出関連株が多く選ばれます。また対象となる銘柄の数が225と決まっているため、株価が高く値動きの幅が大きい銘柄の影響を受けやすいという特徴があります。

日経平均株価の計算方法

日経平均株価=東証一部上場225銘柄の株価の合計/除数

日経平均株価は単純に225銘柄の株価を合計し、割ったものではありません。また株価は「みなし額面」に換算して合計され、225ではなく除数で割られます。

以前は企業が最初に株を発行した時の値段である額面というものがありました。額面には20円、50円、500円、5万円の4種類があったため、例えば額面20円と5万円の株を単純に計算してしまうと、株価水準の差から、株価の高い銘柄の影響をより強く受けてしまいます。そのため株価を平準化するみなし額面として50円に統一したわけです。

また株式分割や併合などがあった場合に異常値が出ないよう、株価の合計を225ではなく調整した「除数」と呼ばれる数字で割るのです。日経平均株価は刻一刻と更新されており、東京証券取引所の立会時間中5秒ごとに算出されます。

■TOPIX=東証一部上場全銘柄の株価指数

「TOPIX」は「Tokyo Stock Price Index」の略で、東証株価指数のことです。日経平均株価の19年後に登場しました。TOPIXは基準値(=1968年1月4日)を100として、基準値から現時点での時価総額がどのくらい増減しているのかを示し、ポイントという単位を使います。

TOPIXの特徴

TOPIXは通信サービス、大手銀行、国内消費(=内需)に大きな影響を受ける業界など、時価総額の大きな銘柄に強く影響を受けるという特徴があります。

TOPIXの計算方法

TOPIX=現在の全銘柄の時価総額/基準時価総額×基準値(100ポイント)

TOPIXは日経平均株価と違い、東証1部の全銘柄が計算対象。そのため日本株全体の動きを予測できると言われており、投資家に重視される傾向にあります。日経平均株価が円で表されるのに対し、TOPIXはポイントで表され、東京証券取引所が毎営業日に1秒間隔で算出・発表しています。

■NT倍率=日経平均株価をTOPIXで割った数字

経済新聞を見ているとNT倍率という言葉もたまに目にします。これは日経平均株価をTOPIXで割ったもので、NTはNikkeiとTOPIXのそれぞれの頭文字をとったもの。

NT倍率を見ると市場動向が掴める

NT倍率が上がっている時はTOPIXよりも日経平均株価のほうが上昇しているため、ハイテク株や輸出関連株などに市場の関心が向いているということが分かります。

逆にNT倍率が下がっている時は日経平均株価よりもTOPIXのほうが上昇しているため、時価総額の大きい大手銀行株や内需株への関心が強いことが分かるのです。NT倍率を見ることによって、市場の動きが読み取れるわけです。

■それぞれの違いを知れば株取引にも興味がわく

日経平均株価とTOPIX、NT倍率はどれも日本の株式相場や経済動向を知るのに非常に重要なもの。それぞれの特徴を理解すれば、日本の経済についてより深く理解できるだけでなく、資産運用の際にも役立つはずです。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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