学ぶ 2019.03.19 マイホーム・住宅購入後に必要な「税金」ってどんなものがあるの?
マイホーム購入時に「物件や土地の価格」「住宅ローンはどのくらい組めるか」「頭金はどの程度必要か」ということに思いは至っても、税金については意外と見落とされがち。後から知って驚くことのないように3種類の税金について確認しておきましょう。
■マイホーム購入に伴う3種類の税金
マイホームの購入に関連して発生する税金
土地や建物を購入する際には、売主と買主の間で不動産売買契約書を締結します。この不動産売買契約書には、契約書に記載された物件の金額(売買価格)に応じて印紙を貼る必要があります。印紙を貼ることで印紙税を支払ったことになるのです。
印紙代を誰が負担するかは決まっていませんが、消費者がマイホームを住宅会社から買う場合は、買主である消費者が負担すること多いようです。土地には「消費税」は課されませんが、建物の売買代金には「消費税」が必要です。
不動産の売買契約を結ぶと権利は買い手に移りますが、不動産登記を変更する必要があります。法務局で行う手続き時に収入印紙を購入することで、登録免許税を支払ったことになります。不動産を取得して数ヵ月すると自治体から「不動産取得税」の納税通知書が届くので、金融機関の窓口などで支払いましょう。なお「不動産取得税」は購入後に一度だけ支払います。
・消費税(建物のみ)
・不動産取得税
住宅ローンの利用にともない発生する税金
金融機関から住宅ローンを借入れする場合には「金銭消費貸借契約書」を締結します。ここでも、記載金額(借入金額)に応じた印紙を購入し、貼り付けることで、印紙税を支払ったことになります。
住宅ローンを利用する場合には、購入物件に対して抵当権(お金を借り入れる代わりに家や土地を借入れの担保にすること)が設定されるのが一般的です。この場合も不動産登記を行ないます。登記には「登録免許税」(法務局で収入印紙を購入する)を支払う必要があるので忘れないようにしましょう。
・登録免許税
マイホームの保有期間において発生する税金
マイホームを購入し、持ち主として登録されると、その後は毎年「固定資産税」と「都市計画税」がかかります。1月1日時点でマイホームを所有している限り、地方自治体から4月以降に納税通知書が送付されるので、忘れないようにしましょう。
・固定資産税
・都市計画税
3,500万円の新築マンションを購⼊するケースを考えてみる
具体的に3,500万円の新築マンションを購入する時にかかる税金をみてみましょう。以下の前提で計算してみます。
・物件価格 3,500万円(うち建物価格2,000万円)
・消費税 8%
・建物の認定価格 1,200万円
・建物の固定資産税評価額 1,200万円
・土地の固定資産税評価額 1,000万円
・住宅ローン(金銭消費貸借契約書)の記載金額(借入金額) 3,000万円
売買契約時
税目 | 計算 | 金額 |
消費税 | 2,000万円(建物価格)×8%=160万円。 | 160万円 |
登録免許税 | ・所有権保存登記の軽減税率が1.5/1,000とすると、 1,200万円×1.5/1,000=1.8万円 ・所有権移転登記の税率が15/1,000とすると、 1,000万円×15/1,000=15万円 | 16.8万円 |
不動産取得税 | 土地の特例における控除額が30万円とすると、 ・土地(1,000万円×1/2×3%)-30万円=-15万円(0円) ・建物(1,200万円-1,200万円)×3%=0円 | 0円 |
合計 | 176万8,000円 |
住宅ローン
税目 | 計算 | 金額 |
印紙税 | 借入金額3,000万円は、 「1,000万円を超え5,000万円以下のもの」で2万円。 | 2万円 |
登録免許税 | 抵当権設定登記の軽減税率が1/1,000とすると、 3,000万円×1/1,000=3万円。 | 3万円 |
合計 | 5万円 |
マイホーム購入と住宅ローンをあわせると、176万8,000円と5万円で合計181万8,000円かかることが分かります。
■マイホーム購入時にはこんな特例がある!
マイホーム購入に必要な税については、負担を軽減するための特例があります。主な特例をみてみましょう。
登録免許税の軽減
一定の要件を満たす住宅取得の場合、登録免許税の軽減が受けられます。その要件とは、自分が住むための住宅であること、取得後1年以内であること、住宅の床面積(登記簿面積)が50平方メートル以上であることなどです。市区町村が交付する「住宅用家屋証明書」を法務局に提出する必要があります。
住宅ローン減税
住宅ローンを借りて住宅を取得する場合、年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうち、いずれか少ないほうの金額の「1%」が10年間に渡って所得税の額から控除されます(平成26年1月1日から平成33年12月31日までの場合)。
給与所得者でも初年度は確定申告が必要です。減税を受けられる期間は10年間です。ただし2019年10月の消費税率アップにあわせて、19年10月1日から20年12月末までに入居する住宅に限って、減税期間を3年延長する方針が議論されています。
不動産取得税の軽減
新築と中古、土地および建物の種類に応じ、一定の減額措置を受けられます。軽減を受けたい場合、購⼊してから60日以内に「不動産取得税申告書」に必要書類を添えて自治体に提出します。
贈与税の軽減
住宅を買うための資金として、父母や祖父母から贈与を受ける場合、一定の要件を満たせば限度額までの贈与税が非課税となります。この特例を受けるためには、贈与を受けた年の翌年の申告期限までに「贈与税申告書」を提出する必要があります。
■住宅ローンの購入検討時には税金のことを忘れずに
マイホーム購入を検討する際には、物件価格やローンだけではなく、税金がどれくらいかかるのかもよく確認しておきましょう。そのうえで、どれだけ初期費用が必要なのか見積もりを立て、購入後に慌てないよう、しっかりと備えるようにしましょう。
TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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