学ぶ 2019.04.16 五輪開催で相乗効果!日本の夜を盛り上げるナイトタイムエコノミー最前線

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け「ナイトタイムエコノミー」を推進する動きが日本でも目立ってきました。日本の夜のが盛り上がれば、インバウンド消費の拡大にもつながります。先行する海外の現状とともに日本の取り組みを確かめ、2020年に向けて東京の街がどう変わっていくのか予想してみましょう。

■ナイトタイムエコノミーとは

ナイトタイムエコノミーという言葉は「夜間経済」や「夜の経済活動」などと日本語では訳されることが多いようです。「ナイトライフ」と呼ばれるような夜の娯楽だけではなく、日没から日の出までの経済活動の総称として使われるのが一般的。

高層ビルのライトアップイベントやライブなどの音楽イベントなどに限らず、こうしたイベントの行き帰りのためのバスや鉄道などの公共交通機関の深夜運行や、病院の夜間診療などもナイトライフエコノミーに含まれると解釈されます。

欧米諸国では体験イベントなどを楽しむ夜間の「コト消費」が日本に比べて多いとされ、日本でも増加する訪日観光客などをターゲットに、ナイトタイムエコノミーの振興に取り組む気運が数年前から高まってきました。

■日本での動きや海外での事例、経済規模は?

日本では2016年6月、深夜0時以降においてクラブなどにおけるダンス営業の規制を緩和する改正風俗営業法が施行され、ナイトタイムエコノミーの推進に向けた動きが目立つようになってきました。2016年12月に施行された統合型リゾート(IR)推進法(カジノ法)も推進の追い風になるとされています。

2017年4月には自民党の「ナイトタイムエコノミー議員連盟」が設立され、課題の抽出や政策の検討も始まりました。ナイトタイムエコノミーの公式な市場規模予測を国が発表したことはまだありませんが、ロンドンでの市場規模は約5.6兆円(2017年)、ニューヨークでは約3.2兆円(2018年)に上るとされ、東京だけでも5兆円を目指せるという見方もあります。

海外では、深夜時間帯のミュージカルの開催や美術館などの深夜営業などに取り組む都市もあり、こうした先例が日本でのナイトタイムエコノミー推進の参考に今後されていくとみられています。

■暮らしにはどんな影響がある?

ナイトタイムエコノミーが推進されると、日本人の暮らしにも少なからず影響が出てきます。懸念の一つとも言われているのが安全面です。夜間に出歩く人が増えるため、警察や民間の警備会社、民間の飲食店や商店街などが協力し、巡回パトロールなどが必要になるとも言われています。

一方で訪日観光客だけではなく日本人にとっても、夜の娯楽の選択肢が増えることは余暇時間の過ごし方の多様化にもつながり、夜間の経済活動の活性化による雇用の増加なども期待されるところでしょう。

■オリンピック招致成功の経済効果を拡大

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、多くの外国人観光客が日本を訪れます。ナイトタイムエコノミーは五輪の招致成功の経済効果を拡大する上での有効な手段の一つと言えます。

ナイトタイムエコノミーを通じて日本のファンが拡大すれば、リピーターの増加によって将来的なインバウンド消費の拡大にもつながります。こうした点からもナイトタイムエコノミーの推進と東京オリンピックの開催は切っても切れない関係であると言えるでしょう。

■推進のカギの一つは公共交通の整備

ナイトタイムエコノミーの推進の大きな壁の一つが公共交通機関の深夜運行であると言われています。深夜の移動を支えるために、終電の延長やバスの活用、相乗りタクシーの導入などが提案されていますが、人手不足も心配されます。

ただ、ナイトタイムエコノミーの推進は国のインバウンド施策との相乗効果で経済活性化に向けた非常に有効な手段と言えます。今後もより議論や取り組みが進むことが期待されます。

TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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