備える 2016.11.14 ガンになったら住宅ローンが帳消しになる!? 「団信」とは

銀行などの民間金融機関で住宅ローンを組む際は、ほとんどの場合、「団体信用生命保険」への加入が義務づけられています。団体信用生命保険とは、住宅ローン専用の生命保険のことで、略して「団信」と呼ばれています。加入していると、住宅ローンの返済中にローン契約者が死亡した場合、住宅ローン残高に相当する保険金が支払われます。つまり、ローン契約者が亡くなると、家は残ってもローンは残らないのです。

■いざという時安心 団信のしくみとは

マイホームは一生のなかでもっとも大きな買物の1つです。通常は何十年もの長い期間に渡って少しずつローンを返していくことになるため、途中で契約者が病気や事故で死亡したり、高度障害で働けなくなったりして返済が滞ってしまう可能性もあるわけです。

団信は、住宅ローンの返済中に契約者に有事が起こった際、その時点の住宅ローン残高に相当する保険金が支払われる制度。ローン契約者が被保険者となり、金融機関が保険会社と契約する保険なのです。

保険金の受取人は、ローン契約者ではなく金融機関になります。団信の保険料は通常住宅ローンの金利に含まれていますので、別途保険料を支払う必要はありません。また、契約者は金融機関であるため、保険料控除の対象外です。

■特約付きのニュータイプ団信も登場

団信は、死亡時に保険がおりるものだけではありません。がん(悪性新生物)と診断されるとローン残高がゼロになる「がん団信」などもあります。もしがんが治ってもローンの支払いは不要。三大疾病(がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中)のいずれかにかかり、一定の条件を満たした場合でもローンが完済になる特約付きの団信もあり、多くの金融機関が取り扱っています。

さらに最近は三大疾病に加えて、より高度な保証がついたものや独自性のあるものも登場しています。

これらの特約は団信とは別にローン残高の0.3~0.4%程度を支払うことになるので、本当に必要かどうか慎重に見極めることが大切です。また団信は、金融機関が用意したプランから選択することになります。そのため、加入できるのは、必然的に住宅ローンを契約した金融機関が取り扱っている商品に限られることも覚えておきましょう。

■団信の存在は保険見直しのカギにもなる

実はライフイベントの節目に行うべき保険料の見直しのキーポイントにもなります。もし、一家の大黒柱が死亡した場合、住宅ローン返済リスクがゼロになるため、生命保険でそのリスクを補う必要はなくなります。それに伴い生命保険の死亡保障の必要保障額を見直すことで、月々の出費を減らせる可能性もあります。

団信は、住宅ローンを組むときのセーフティーネット。将来、住宅を購入予定の人は頭に入れておきましょう。すでに住宅ローンを返済中の人は、ローンに含まれているため、あまり意識することはないかもしれませんが、今一度、団信の内容を確認してみてはいかがでしょうか。

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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA

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