備える 2017.07.24 物件価格だけじゃ足りない! 住宅購入にかかるお金のすべて
マイホームを購入しようと考えたときに、買いたい物件の値段だけでなく、それ以外にどのくらいのお金が必要となるかという、総額も気になるのはないでしょうか。物件情報として提示されている物件価格の他に、新築・中古、戸建て・マンション問わず、どんな費目・費用が必要となるか考えてみましょう。
■住宅購入時に必要な初期費用4つ
まずは改めて、不動産取得時に現金で支払いが必要となる代表的な費用の種類を、物件費用を含めて把握しておきましょう。
大きく下記の4つの費目が必要となります。
- 頭金
- 印紙税
- 仲介手数料
- 登録免許税
1. 頭金
住宅を購入する際に支払う費用です。これは、物件価格の一部を支払ったものとして扱われますが、この頭金が必要な場合、借入期間や月々の返済額によって自分で設定するほか、各販売業者によって割合や一定の金額が決められていることがあります。
頭金が多ければ多いほど、その後の返済負担が減り、利息による出費を抑えることができます。しかし今では、0円の自己資金、すべて住宅ローンで購入するということもあるようです。
2. 印紙税
家を買うときには、売買契約や譲渡契約というような契約が必要となり、この契約に伴って作られる契約書には印紙が必要となります。
この印紙税は、物件(建物・土地)価格によって金額が決まっています。たとえば3,000万円の物件で、2万円となります(注:ただし、平成26年4月1日から平成30年3月31日までに契約書が作成された場合、軽減措置によって印紙税は1万円となる(国税庁))。また、住宅ローンで購入する場合、ローン契約の際にも印紙が必要になります。
3. 仲介手数料
物件の購入に際して仲介業者を介した場合、仲介業者へ仲介手数料を支払う必要があります。この仲介手数料の上限は法律によって決められています。上限は売買契約の価格×3.24% + 6万4,800円となっています。
想定以上に高額になるということはありませんが、それでも物件の価格が高額のため、それなりの金額が必要になることが分かります。
4. 登録免許税
登録免許税は登記やローンを借りる際に必要になる費用です。土地の場合は、固定資産税評価額×2%(平成29年3月31日までは軽減措置により1.5%)、建物の場合は、固定資産税評価額×0.4%(新築住宅の場合)になります。
■ローン関連費用5つ
住宅の購入に際して全額を一括で支払うことができない場合には、ローンを利用して購入することになりますが、ローンを組む場合には以下のような諸費用が発生します。
- ローン保証料
- ローン事務手数料(ローン取扱手数料)
- 団体信用生命保険料
- 火災保険・地震保険
- 抵当権設定費用(登録免許税・司法書士報酬など)
1. ローン保証料
ローン借り入れ時に、保証会社宛てに必要となる費用です。「一括前払い型」と「金利上乗せ型」があり、後者の場合には年金利0.2%が上乗せされるのが一般的です。
保証料の金額は借り入れの年数によって異なり、例えば30年返済の場合、1,000万円あたり190,000円程度が目安となります。(*1)
また、フラット35を利用する場合には保証料は不要です。
2. ローン事務手数料(ローン取扱手数料)
ローンを組むときに必要な事務についての手数料です。保証料と同じく、保証会社に支払います。金額は金融機関によって異なり、ローンの金額の2.1%とされている場合や3万円~5万円と金額が定められている場合があります。
3. 団体信用生命保険料
「団信」と呼ばれるもので、借手が死亡もしくは高度障害となった場合に、保険金によってローンが完済される仕組みです。金融機関が保険会社と契約をするため、年齢による保険料引き上げなどがありません。
民間の金融機関のローンを利用する場合、借入金の金利に含まれていることが多く、フラット35を利用した場合は任意加入となっています。
4. 火災保険・地震保険
保険のため人気の費用ですが、安心のためには入っておくほうがいいでしょう。火災保険は火災・台風や落雷による建物・家財の損害の他、漏水や盗難への補償も行っています。
地震保険は火災保険とセットで契約する保険で、地震による家屋の倒壊だけでなく、地震を原因として発生した火災や津波の被害も補償します。満期返戻金を設けている商品もあります。物件価格や延床面積などから算出され保険料が決められます。
5. 抵当権設定費用(登録免許税・司法書士報酬など)
住宅ローンの場合、完済するまで物件に抵当権がつけられます。そのため、この登記や登録免除税、司法書士が行うための報酬などが必要となります。だいたい8万円から20万円が目安といわれています。
■その他費用
他にも、不動産取得税・固定資産税・都市計画税などが不動産取得費用として必要になります。
不動産取得税は、その物件のある自治体によって税額が異なりますので注意が必要です。また、入居するための引越し費用、家屋の経年劣化による定期的な修繕のための修繕積立基金なども必要となります。
■シミュレーション
物件価格3,500万円の新築マンションを購入する場合
借入期間 | 30年 |
---|---|
頭金 | 300万円 |
借入額 | 3,200万円+金利 |
印紙税 | 2万円 |
仲介手数料 | 100万円 |
登録免許税 (建物固定資産評価額800万円×0.4%=3,200円。1,000円未満切り捨て) | 3,000円 |
ローン保証料(一括前払い型) | 612,000円 |
保証会社事務取扱手数料(税込) | 32,400円 |
抵当権設定費用 | 170,000円 |
計 | 1,837,400円 |
頭金を加えた合計 | 4,837,400円 |
さらに、任意の団信保険料や火災保険・地震保険等がプランによって毎月必要となります。
■金額が必要でも工夫できるものもある
物件価格の他にも費用がかかることがおわかりいただけたのではないでしょうか。もっとも、ローン関連費用は、内容によっては工夫次第で手数料を抑えることが可能です。
物件の価格が高額であるため、たとえ数パーセントでもかなりの金額になってしまいます。極力抑えられる費用については、抑えるようにしていくことが大切になってきます。
TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:Have a nice day Photo/Shutterstock.com
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