備える 2017.10.10 意外とある「公的保障」 民間保険に入る前にチェック!
加入する保険は、公的保険で不足する分を補充できるものを選択するのが効果的です。ちゃんと機能する保険を選ぶために、まずはどのような公的保障があるのか知っておきましょう。
▼目次
国民年金や厚生年金から老後に年金をもらえることは知っていても、意外とわからないことが多いのが死亡時の保障です。いったいどのような保障があるのでしょうか。公的年金の死亡保障として、国民年金や厚生年金保険をかけていた人が亡くなった時に、その人によって生計を維持されていた遺族は遺族年金を受けることが出来ます。
各軸での支給される遺族年金まとめ
上記の表の通り、死亡した人にはそれぞれ年金種類があります。遺族基礎年金、遺族厚生年金、中高齢寡婦加算、死亡一時金、寡婦年金等、それぞれどのような内容なのでしょうか。
・遺族基礎年金
給付の対象 |
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給付条件 |
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給付額 |
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支給期間 |
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参照:日本年金機構
遺族基礎年金は、母子家庭、父子家庭のいずれの場合でも受給することが可能です。国民年金なので、条件さえ当てはまれば、利用できる制度になっています。
・遺族厚生年金
給付の対象 |
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給付条件 |
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給付額 | 下記のいずれかで計算し、金額の大きいほうが報酬額となる
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支給期間 |
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参照:日本年金機構
遺族厚生年金は、配偶者と子どもだけではなく、父母、祖父母等も対象になります。注意したいのは、年齢によって受給権の有無があることです。遺族厚生年金は遺族基礎年金とは異なり、18歳未満の子どもの有無にかかわらず、受給することができます。18歳未満の子どもがいる場合は遺族基礎年金と合わせて受給されます。
中高齢の寡婦加算
遺族厚生年金を配偶者が受給するとき、一定要件に該当すれば40歳から65歳になるまでの間、年58万4,500円が遺族厚生年金に加算されます。これを、「中高齢の加算額」といいます。
その一定要件とは「夫が亡くなったときに40歳以上65歳未満、かつ生計を同じくする子どもがいないこと」または「遺族厚生年金と遺族基礎年金の併給受給をしていた配偶者が、子どもの年齢要件が外れ、遺族基礎年金がもらえなくなったとき」のいずれかです。
上記のことを具体的に表にすると、支給額は下記のとおりになります。ただし、これはあくまでも目安です。
状況 | 状態 | 給付額 | 年金種類 |
子どものいる配偶者 | 子ども3人 | 年額186万5,000円(月額15万5,416円) | 遺族基礎年金 遺族厚生年金 |
子ども2人 | 年額179万200円(月額14万9,183円) | 遺族基礎年金 遺族厚生年金 | |
子ども1人 | 年額156万5,700円(月額13万475円) | 遺族基礎年金 遺族厚生年金 | |
子どものいない配偶者 | 配偶者が65歳未満 (他界した時に配偶者が40歳未満の場合) | 年額56万1,100円(月額4万6,758円) | 遺族厚生年金 |
配偶者が65歳未満 (他界した時に配偶者が40歳以上65歳未満の場合) | 年額114万6,200円(月額9万5,516円) | 遺族厚生年金 中高齢寡婦加算 | |
配偶者が65歳以上の期間 | 年額134万1,200円(月額11万1,766円) | 遺族厚生年金 配偶者の老齢基礎年金 |
・死亡一時金
給付の対象 |
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給付条件 |
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給付額 |
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支給回数 |
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参照:日本年金機構
死亡一時金は、遺族基礎年金が払われない時に1回限り支払われます。寡婦年金を受け取る場合には死亡一時金は支払われませんが、配偶者が老齢基礎年金を繰上げ受給した時などは死亡一時金を受給した方が、受取額が多い場合もあります。
・寡婦年金
給付の対象 |
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給付条件 |
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給付額 |
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支給期間 |
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参照:日本年金機構
寡婦年金は、遺族基礎年金も遺族厚生年金も受給出来ない場合に受け取れます。配偶者が自身の老齢基礎年金を繰上げ受給していると寡婦年金を貰うことができません。
このように死亡時保障はたくさんあります。それぞれの内容をよく確認しましょう。
国民健康保険や企業の健康保険に加入している場合、医療機関にかかったときに支払う金額は、現役世代の人なら一般的には3割の「自己負担分」のみです。しかしそれでも、場合によっては医療費の家庭負担が重くなることもあります。そこで、高額療養費制度が活躍します。
高額療養費制度とは、1カ月 (1日から月末まで)当たりの「自己負担限度額」が決められており、1カ月に支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合、申請すればその超えた分を後日払い戻してくれる制度です。
自己負担限度額は被保険者の年齢や所得状況、窓口で支払った医療費額、直近1年間に高額療養費の支給を受けた回数等によって異なります。
見るべきポイントは?
たとえば、年収600万円の30歳、会社員男性が病気で2週間入院し、退院時に30万円の医療費を支払ったとします。この場合、高額療養費が適用されると、自己負担限度額は8万430円です。つまり21万9,570円が過払いとなり、後日払い戻しされる仕組みです。
つまり、民間の医療保険に加入する場合の条件としては、30万円分をカバーするのではなく、1カ月当たり8万円程度のカバーができればいいことになります。
また、健康保険の加入者が病気やケガで連続して4日以上休職し、会社からの給料が充分にもらえない場合には、平均日給の3分の2程度の金額が傷病手当金として健康保険から支給される制度があります。一日あたりの支給額は下記のとおりです。
支払開始日以前12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3
※なお、支払開始日とは最初に給付が支給された日を指します。
<例>月収が40万円の場合:40万円÷30日×2/3=8,888.8円
このように月収40万円の人であれば、1日あたり9,000円近い休業補償があるということです。世帯でかかる生活費の状況にもよりますが、収入減となる部分を民間保険でカバーする場合、傷病手当金のことも考慮するようにしましょう。
ちなみに休職中の給料や手当の有無は会社によってさまざま。自社の制度をしっかり確認しておきましょう。なお、傷病手当金は健康保険特有の制度なので、自営業者で国民健康保険に加入している場合は、傷病手当金は任意給付となっているため給付されないこともあります。そのため民間保険の備えを少し厚めにしておくと安心です。
公的保険の保障をよく確認してから民間保険の検討を
公的保険は年齢や所得、職業タイプ、そして勤め先等によって保障内容が異なります。自分の場合はどのような保障があるのか、しっかり調べておくようにしましょう。公的保障の内容が分かったら、それだけでは不足する分を民間保険で補うという考え方で検討してみてはいかがでしょうか。
民間保険は、保障内容が充実するほど保険料が上がるのが一般的で、「入り過ぎ」は家計を圧迫する元になります。効果的に選んでいきましょう。
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