備える 2017.11.06 保険を加入する時に考えたい保障内容 “特約”は必要?

保険について調べたり、加入を検討したりする際によく見かける「特約」。その意味や種類などを気にしたことはありませんか? 今回は、特約について改めておさらいし、保険を少し違った角度から見てみましょう。

「特約」とはどういう意味か

特約とは、保険のメインの契約である主契約に追加されるオプションのことを指しています。ひとくちに「保険」と言っても、その中身はメインである「主契約」と、オプションである「特約」の2つに分かれています。主契約だけを選ぶことができますし、主契約に特約を加えることも可能です。(ただし、特約のみの契約をすることはできません)

医療保険で言うと、入院時にもらえる給付金が主契約部分で、これに特約として「がん特約」「傷害特約」「通院医療特約」など特定のケースを想定した条件を追加することで、より充実した保障を受けられるようになっています。

多様化するニーズに合わせるために、各保険会社の保険商品にはさまざまな特約が揃っています。保険を契約する時には死亡保障や医療保障など、自分自身や家族のニーズによっていくつかの特約を追加することで、自分の状況に合わせた保険を組むことができるのです。ただし、特約をつけている保険の主契約を解約すると、自動的に特約も解約になってしまうので注意しましょう。

特約の種類と選び方は?

特約にはさまざまな種類があります。下記は特約の種類の一例です。

ニーズ種類概要
死亡・高度障害の保障を大きくする平準定期保険特約死亡・高度障害状態を一定期間保障する
家族収入特約死亡・高度障害状態のとき年金を受ける
買増権保証特約健康状態にかかわりなく、将来、新たな生命保険を買い増しする権利を保証
医療保障を大きくする入院総合保障特約病気やケガによる入院・手術を保障
がん特約がんによる入院、手術、退院後の在宅療養など、がんに対する重点的な保障
傷害特約不慮の事故による死亡や身体障害状態を保障
特定の障害や要介護状態になったときに備える生前給付終身保険特約三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)のとき保険金をもらう
介護一時金特約所定の要介護状態になると一時金をもらう
生活習慣病などの保障を大きくする成人医療特約がん・糖尿病・心疾患・高血圧性疾患・脳血管疾患による入院・手術の保障を手厚くする
女性医療特約女性特定疾病による入院・手術の保障を手厚くする

ソニー生命ホームページを参照の上、編集部作成

このように、保険にはさまざまな種類の特約がありますが、「どのような保障を充実させたいか?」を意識すると特約を選ぶ時に優先順位を決めることができます。例えば、「自分に万一のことがあった時に家族にお金の心配をさせたくない」という意識が強いのであれば、家族収入特約を検討するのが良いでしょう。

もちろん、上記の特約を必ずすべてつける事ができるわけではありません。例えば、既往症があれば特約をつける事ができない場合もあります。また、商品毎につけられる特約も決まっているので、商品内容をよく確認しておくことが大切です。その上で自分にとって必要な特約に優先順位をつけて加えましょう。

特約をつけるメリットと注意点

それでは、特約をつけるメリットと注意点を考えてみましょう。特約には下記のようなものが挙げられます。

メリット

・ニーズに合わせて保障内容を充実させることが出来る

・バラバラに保険契約をするよりも、1社で主契約に特約をつける方が、保険料が手ごろになる可能性がある。

 例えば、A社で「生命保険」の主契約を結び、B社で「医療保険」の主契約を結ぶよりも、1社で主契約「生命保険」に特約で「医療保障」(もしくは逆)をつける方が手ごろな保険料になる可能性がある。

・契約している保険が管理しやすくなる
上記の場合、保険料が手ごろになる可能性だけではなく、自分が必要な契約のみにまとめることができるため、契約数を減らせ管理がしやすくなる。

注意点

・主契約のみの時に比べて保険料が上がる
 例えば、アクサダイレクト生命の定期保険2死亡保険で基本契約500万円。保険期間・保険料払込期間10年を選択した場合、特約なしでは合計保険料が月々675円になりますが、特約ありでは合計保険料が月々865円になり、190円の差があります。
※特約の内容(無料で加入できるリビングニーズ特約、災害死亡・災害高度障害保険金500万円)、保険商品によっては金額がもっと上がる場合もあります。

・特約で保障を補っている場合は、保険の見直しを行って主契約を解約したら特約の保障も同時に解約になります。

・保険料が高額となり、家計が圧迫されるような状況になった際、支払い金額の安い定期保険や払済保険(保険料の払込を中止して、解約する時に受け取れるお金を充当する保険)に変更すると、主契約に紐付いていた特約が解約になってしまいます。

特約は主契約の保障を補ってくれる存在ではあるものの、メリットと注意点があるので契約前にはよく確認しておきましょう。

満足の行く保険選びを

保険、さらにそこにつける特約を選ぶには知識や情報をもとに、じっくり考えることが必要です。ただ、自分たちだけではなかなか納得の行く選び方ができないかもしれません。その場合はファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも可能です。一度プロを交えて話をしてみるのもいいでしょう。「こんな初歩的なこと聞いてもいいのだろうか?」と思うようなことでも、専門家から丁寧に教えてもらえるはずです。専門家の意見も聞きながら、特約を含めて保険の内容を整理していけば、より満足の行く保険選びができるのではないでしょうか。

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