備える 2017.11.10 NISAもiDeCoも効果的に使いたい! ベストな方法は?
2018年1月からつみたてNISA(積立NISA)が始まります。つみたてNISAは、現行のNISAよりも長期投資に向いていると言われています。また、今まで投資をあまりしたことのない人でも始めやすくなっています。同じように、長期投資向きと言われる投資先にiDeCo(個人型確定拠出年金)もありますが、これらはどう違うのでしょうか。今回は、つみたてNISAとiDeCoの効果的な活用法を紹介しましょう。
■NISAよりもさらに少額運用可能なつみたてNISA
NISAは2014年にスタートした少額投資非課税制度です。NISA口座では年間120万円まで(2016年より)購入ができ、その売却益が非課税となる制度(5年間)です。制度開始以降、口座開設数は順調に伸びたものの、実際に利用している人は少ないのが現状です。
そういった中で登場するのがつみたてNISAです。つみたてNISAは少額からの積立投資をするための制度となっており、運用可能期間も現行NISAの5年から20年へと大きく延びています。つみたてNISAは長期的な資産形成に非常に適した制度と言えるでしょう。
■私的年金として注目されるiDeCo
iDeCoは個人型確定拠出年金という名の通り、個人で運用した金額を将来受け取れる私的年金です。毎月掛金を出し(拠出し)、自分で運用しながら積み立て、60歳以降に年金または一時金として受け取る仕組みです。
■投資は長期が良いと言われている理由とは
金融庁の「平成27事務年度 金融レポート」によると、投資で安定したリターンを生むためには「長期的な保有」「投資時期の分散」「投資対象のグローバルな分散」の3つが有効とされています。
◎長期的な保有
20年などの長期に渡り投資商品を保有することで、安定したリターンが期待できると言われています。
◎投資時期の分散
積立などで資金投入時期を分散することで、価格が高い時には少なく、低い時には多く購入することになり、平均取得価格を低く抑える効果があります。
◎投資対象のグローバルな分散
国内や国外の株式や債券などを組み合わせて投資することです。このような投資は「長期・積立・分散」と呼ばれています。
つみたてNISAとiDeCoは長期・積立・分散の投資に向いています。つまり投資初心者でもつみたてNISAとiDeCoを利用すれば、リスクを抑え安定したリターンを期待できる可能性があるのです。
■2種類のNISAとiDeCoの違いとは
現行NISA、つみたてNISA、iDeCoの違いを、以下の表にまとめました。
項目 | 現行NISA | つみたてNISA | iDeCo |
---|---|---|---|
投資上限額 | 120万円/年 | 40万円/年 | 14万4,000円から81万6,000円/年 |
最低投資金額 | なし | なし | 5,000円/月 |
運用可能期間 | 最長5年間 | 最長20年間 | 60歳になるまで |
投資商品 | 上場株式、ETF、投資信託など | 投資信託など(一定の条件を満たす商品に限定) | 一部の投資信託、預金、保険 |
税務メリット (投資時・拠出時) | なし | なし | 拠出金額は所得控除 |
税務メリット (運用時) | 非課税 (配当、分配金など) | 非課税 (配当、分配金など) | 非課税 (利息、分配金など) |
税務メリット (給付時) | 非課税 (値上がり益) | 非課税 (値上がり益) | 一定額まで所得税の控除がある |
資産の途中引き出し | いつでも可能 | いつでも可能 | 原則は60歳まで引き出しができない |
投資上限額について、現行NISAは120万円/年、つみたてNISAは40万円/年と、つみたてNISAの方が一見少ないように感じるかもしれません。しかし、運用可能期間を考慮すると現行NISAの120万円×5年間=600万円に対し、つみたてNISAは40万円×20年間=800万円と期間中の金額はつみたてNISAの方が多くなります。
税務メリットにおいて、2つのNISAは運用時と給付時の利益が非課税となります。一方、iDeCoは運用時の利益が非課税となる点は同じですが、投資時・拠出時の拠出金額の所得控除が大きなメリットとなっています。つまり、iDeCoでの投資を行うことで、毎月の積立金(拠出金額)が所得控除されるため、所得税と住民税が軽減されるのです。
■来年から始まるつみたてNISAとiDeCoは相性が良い!
2種類のNISAとiDeCoはどのように組み合わせるのが良いのでしょうか。
現行NISAとつみたてNISAを併用することはできず、どちらか片方を選択する必要があります。(*1)つまり、組み合わせは「現行NISAとiDeCo」、もしくは「つみたてNISAとiDeCo」ということになります。どちらの組み合わせでも、2種類のNISAとiDeCoは運用収益が非課税のため、運用収益をそのまま次の投資に回して複利効果を得ることができます。
投資未経験の方や投資経験が少ない方は長期・積立・分散により安定した資産形成を見込める「つみたてNISA」を選択する方が好ましいでしょう。つみたてNISAとiDeCoの組み合わせは短期での相場の変動に惑わされず、安定した運用を目指すことができるため相性が良いと言えます。しかし、価格変動のリスクを負っても大きなリターンを期待したい方は現行NISAとiDeCoを組み合わせる手もあります。
個々の投資に対する考え方により現行NISAとつみたてNISAのどちらかを選択し、iDeCoを組み合わせて長期的な視点で投資をしていくことが望ましいでしょう。
(*1) つみたてNISAについて
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TEXT:マネチエ編集部
PHOTO:PIXTA
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